後志へき・複連が仁木大会 生きる力伸ばす指導 山田委員長 成果を広めて(関係団体 2019-11-25付)
約40人が参加した
【小樽発】後志へき地・複式教育研究連盟(山田正委員長)は20日、仁木町立銀山小学校で令和元年度後志へき地複式教育研究大会仁木大会兼仁木町へき地複式教育研究大会を開いた。約40人が参加。公開授業や研究協議などを通して、子どもたちの「生きる力」を伸ばす指導の在り方について考えた。山田委員長は開会式で、成果をつなぎ、広めるよう求めた。
大会主題は「主体的・協働的に学び、ふるさとへの誇りと愛着をもった人間性豊かな子どもの育成~児童生徒一人ひとりが仲間とつながり、地域とともに“生きる力”を伸ばす学校・学級経営と学習指導の充実を目指して」。銀山小の研究主題は「相手を意識し、自信をもって“思い”や“考え”を伝え合う子の育成~国語科(説明文教材)の指導を通して」。
3年次計画の2年目の研究で、仮説を①見通しをもてる単元計画を設定することによって意欲的に学習に取り組み、確かな言語能力が身に付く②考えを伝え合う交流場面を工夫することによって自分の考えを分かりやすく伝え、相手の考えも肯定的に聞くことが身に付く③学習規律を確立し学び方を定着させることによって主体的に取り組む姿勢と確かな学力が身に付く―とした。
公開授業後の開会式では山田委員長があいさつ。
前年度は全道大会を後志管内で行ったこと、へき地・複式校は統廃合によって減っていること、町村の中心校も人口減少によって複式校となってきたことを話し、「それぞれの地域で大会の成果をつなぎ、広めてほしい」と呼びかけた。
来賓祝辞では、後志教育局の櫻井康雄局長が「子どもたちの社会を切り開いていく力を確実に育てるため、学校全体で授業の質を高めてほしい」と期待。後志町村教育委員会協議会教育長部会の菊地博部会長は、「豊富な教育資源を活用してふるさとの良さを感じさせていただきたい」と求めた。
仁木町教委の岩井秋男教育長は、少子化が進む地域の持続的発展のため、「子どもの潜在的力を引き出し、互いを認め合い、尊重し合う学習を充実させてほしい」と呼びかけた。
このあと、研究副部長を務める喜茂別町立鈴川小学校の中川真人校長が全道へき地・複式教育研究連盟の活動について報告したほか、銀山小の研究について同校研究部長の伊藤聡子教諭が発表。また、公開授業に関し研究協議を行った。
◆直接・間接指導 効果的に 仁木町銀山小3・4年国語
後志へき地複式教育研究大会仁木大会兼仁木町へき地複式教育研究大会では、銀山小の小林正人教諭が3・4年生複式学級の国語科の授業を公開。交流時間をずらし、直接指導と間接指導を効果的に展開した。
3年生11人を指導した単元「すがたをかえる大豆」では、各段落の具体例をとらえ、中心となる文に着目しながら内容を整理することなどを目標に設定。課題「おいしく食べる工夫をまとめよう。説明の工夫をみつけてまとめよう」を確認したあと、児童は教科書を音読し、ワークシートに大豆をおいしく食べる工夫を書き込んでいった。
3~4人の小集団で交流したあと、全体で交流した。「いったり、煮たりしてやわらかくする煮豆」「粉にひいて食べるきなこ」など、児童の意見を小林教諭が板書した。
後半は説明の仕方の工夫を考え、児童は「文の最初に“つぎに”“また”を使って説明文を分かりやすくしている」などと発表した。
一方、4年生5人は単元「アップとルーズで伝える」を学習。写真と文章の対応関係を読み取り、段落相互の関係をつかむことを目標とした。
本時の課題「アップとルーズの伝えられること、伝えられないことをまとめよう。説明の工夫をみつけよう」を確認し、音読。サッカー選手がアップで写った写真と、スタンドの様子が分かるルーズの写真から伝えられることや伝えられないことを、ノートに書き込んだ。
学習リーダーを中心に交流させたあと、小林教諭は段落にある“しかし”“でも”に着目させ、段落が対比の関係になっていることに気付かせた。説明の仕方の工夫について考え、「段落内と段落間で対比を用いている」とまとめた。
小林教諭は、直接指導と間接指導を効果的に展開。最後に「3・4年生で共通していることとして、段落ごとに接続語を使っている」と説明した。
(関係団体 2019-11-25付)
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