札幌市学校図書館協議会が研究大会 多様な視点意識する授業 屯田北中が1年国語公開(関係団体 2019-12-17付)
札幌市学校図書館協議会(冨田明好会長)は12日、市立屯田北中学校(小澤保範校長)で第42回研究大会を開いた。約50人が参加。公開授業や研究討議、実践報告を通して学校図書館の運営について研究を深めた。屯田北中1年の国語の公開授業では、生徒の情報カードを取り上げることで、魅力を調べるための多様な視点を意識できるように授業を展開した。
同会は、研究主題「未来を拓く力を育む学校図書館~学びを支える学校図書館を目指して」のもと、研究を進めている。
公開授業後の開会式では、冨田会長があいさつ。同会の研究のほか、公開授業の内容にふれた上で、これからの園・学校での活動に向けて、きたんのない意見を求めた。
このあと、研究討議のほか、市立札幌新川高校の遠藤彰教諭と市立札幌啓北商業高校の源田久美子教諭、市立札幌旭丘高校の藤原國晃教諭が高校における学校図書館の利活用について実践報告した。
公開授業では、松森亮介教諭が1年6組(生徒数33人)の国語「根拠を明確にして魅力を伝えよう~鑑賞文を書く」を指導。学校図書館司書の堀内久美子さんが授業の支援に当たった。授業は4時間扱いの3時間目で、本時の目標を「調べるための多様な視点を意識して、目的に沿った情報を図書資料から書き取ることができる」と設定した。
図書資料から絵の候補について堀内司書からアドバイスを受けたほか、協力して図書資料をそろえた。
前時まで生徒はピカソやミケランジェロ、ブリューゲルなどが描いた絵画について、1点の作品に対して複数の情報カードを作成している。
松森教諭は、本時の課題「交流を通して視点を増やし、根拠として使える多様な情報を手に入れる」を示した上で、出典や著者名、発行社など情報カードの書き方を確認。他者の情報カードを見て、よい内容がある場合にどうするかを問いかけた。
「まねする」との生徒の声から、他者が写した情報に間違いの可能性があること、本によい情報が載っている可能性があることを説明するなど、目的に沿って自分に必要な情報を得ることができるよう取り組んだ。
同じ作品について情報カードを書いたグループで交流。
また、全体交流では情報カードについて、「ブリューゲルは仲間と一緒のときはよく冗談を言った」「モナリザの特徴は色彩遠近法」と生い立ちや出来事、性格、技法などを示すことで、多様な視点がもてるよう工夫を凝らした。
交流後は、他者から得た視点をもった上で情報カードを作成。作成に当たって、堀内司書はそれぞれの絵や人物の本を適宜紹介することで、生徒の学習を援助した。
次時の鑑賞文の作成に向けて、松森教諭は情報カードの中で魅力の根拠となるカードを選ぶよう呼びかけた。
授業公開後は研究討議。松森教諭の授業について参加者は「他者の情報カードをコピーすることの意味がないことについての指導がよかった」「学校図書館司書が具体的に生徒に本を紹介することで、生徒は情報を見つけて喜んでいるのがよかった」などと述べた。
札幌市教委教育課程担当課の牧野弘幸高校担当係長は「生徒が書いた情報カードを教師がきちんとフィードバックすることで、目的意識、課題意識をもって取り組んでいた」「生徒が書き始めて、困りをもち、資料を調べ、アドバイスをもらい、新たな発見をするという、課題探究的な学びができていた」などと講評した。
(関係団体 2019-12-17付)
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