道教組・道高教組緊急シンポ 自分事ととらえ主張を 変形労働時間制の問題点(関係団体 2019-12-18付)
学習活動などに取り組むことを確認した
道教組(川村安浩執行委員長)と道高教組(尾張聡中央執行委員長)は14日、札幌市内の道高校教職員センターで緊急シンポジウム「1年単位の変形労働時間制の問題点を考える」を開いた。神奈川過労死等を考える家族の会代表の工藤祥子さんが講演。「給特法や働き方改革を“自分事”ととらえ、声を上げてほしい」と訴えた。シンポジウムでは、制度を導入させないため、学習活動や要請などに取り組むことを確認した。
約80人が参加したシンポジウムでは、全国過労死を考える家族の会公務災害担当、神奈川過労死等を考える家族の会代表で、給特法改正案の国会審議で参考人として意見陳述した工藤さんが「未来を生きる子どもたちを健やかに教え、育むために今できることを考える」と題して講演した。
工藤さんは、中学校教員だった夫を過労死で失った経験から、「教員が亡くなっても学校に代わりの教員がいるかもしれないが、家族にとってはかけがえのない人を失うことになる。無理に仕事をする勇気よりも、休む勇気をもってほしい」と呼びかけた。
夫の公務災害申請で、亡くなる1ヵ月前の時間外労働を自宅持ち帰り分を含め208時間45分と申請したのに対し、「給特法によって時間外労働が認められない」ため、96時間25分の認定にとどまったなどと振り返り、同法を批判。
「教員の働き方について、世論が動いている今がチャンス」と指摘。過労死の問題は他人事だと考えがちだが、「当事者の声が国を動かす。給特法や働き方改革を“自分事”ととらえ、声を上げてほしい」と訴えた。
1年単位の変形労働時間制について、「夏・冬休みに休みのまとめ取りをしても疲労回復にはつながらない。1日単位で疲労回復しなければ蓄積するだけ」などと批判。「自治体ごとに導入させない働きかけが必要」「附帯決議や指針が順守されているか監視しなければならない」などと述べた。
講演後、労働法制からみた変形労働時間制の問題点、私立高校の変形労働時間制の状況について報告。
また、1年単位の変形労働時間制を学校に導入させないため、職場での学習・対話、管理職や市町村教委、関係団体への要請、地域での教育懇談会や集会の開催などに取り組むことを確認した。
(関係団体 2019-12-18付)
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