札特活が研究大会 共通点や違い問いかけ 中央小授業 合意形成図る
(関係団体 2019-12-20付)

市特別活動研究会大会
協力をテーマに歌う歌を考えさせた

 札幌市特別活動研究会(=札特活、小村淳会長)は13日、市立中央小学校(林貞年校長)で令和元年度研究大会を開いた。約30人が参加。公開授業や研究討議を通して特別活動の在り方について研究を深めた。中央小4年の公開授業では、合意形成ができるよう、それぞれの案の共通点や違いなどを問いかける授業を展開した。

 同会は、研究主題を「自らのよさを発揮し、多様な他者と協働しながら、集団や社会に働きかける力を高める特別活動」と設定して研究を進めている。

 公開授業後の開会式では、小村会長があいさつ。第16次研究の1年目を迎えたこと、来年度は全道大会が札幌で開催されることにふれ、討議でのきたんのない意見を求めた。

 会場校の林校長は、同会が積み上げてきた研究や大会の成果を広げていくことを求めた。

 このあと、研究部が研究概要について説明したほか、研究討議を行った。

 授業公開では、中央小の山田了己教諭が4年2組(児童数34人)の学級活動「Le’s goコンサートをしよう」を指導。本時の目標を「“協力”の具体のもとに、みんなのためにどうするとよいかを考え、合意形成を目指して話し合うことができる」と設定した。

 授業では提案者の児童が、学年で協力して学習発表会を成功させたことにふれ、協力をテーマに学級でコンサートを行うことを確認。コンサートを通して学級目標の「Let’s go」に近付けるほか、3学期の生活につなげることとした。

 山田教諭は、係活動や特別活動など子どもたちが協力し合っている様子を上映。これまで積み上げてきた協力を視聴することで、協力をポイントに合意形成できるようにした。

 司会グループの児童がアンケートをもとに、コンサートで歌うための3つの歌の候補を発表。全員で協力して歌う歌を決めることとした。

 意見交換では、「歌ったことがあるので慣れている」「苦手なことをやってみることが大切」「学級目標から挑戦したい」「知らない歌をみんなで協力して歌いたい」などと発表した。

 歌の候補を3つから2つに絞ったあと、山田教諭は合意形成に向けて、2つの候補の共通点や違いを問いかけた。また、「どちらもみんなの仲が深まる」との意見から、仲がより深まるのがどちらかを問いかけるなど、目標に向けた話し合いを進めていけるよう取り組んだ。

 授業公開後は研究討議。山田教諭の授業について、「子どもたちが合意形成をするために、意見の何が同じで何が違うかなど可視化できるよう、板書のかかわりが必要だったのでは」「かかる時間によっては多数決が方法の一つということも教えるべきでは」などの意見が出た。

 また、札幌市教委教育課程担当課の末原久史企画担当係長は、新学習指導要領において特別活動でも見方・考え方を働かせ、主体的・対話的で深い学びを通して資質・能力を育むことが求められていることにふれ、「学級活動(1)の学級会においても、一人ひとりの学びが成立するよう、比べ合いを深める教師の手立てについて研究を積み重ねてほしい」と助言した。

(関係団体 2019-12-20付)

その他の記事( 関係団体)

新春インタビュー 北教組・信岡聡中央執行委員長に聞く

2北教組信岡委員長インタビュー ◆実態に即した業務削減策を  ―臨時国会で「改正給特法」が成立しました。学校現場の超勤・多忙化の現状と「改正法」についての北教組の考え、今後の取組について、お聞かせください。  可決され...

(2020-01-01)  全て読む

交通安全標語・ポスター入選作品―道高校長協会 入村さんと山﨑さん最優秀 入賞作は冊子にまとめ配布

交通安全標語・ポスター  道高校長協会(宮下聡会長)は、第38回交通安全標語・ポスターコンクールの入選作品を決定した。交通安全標語では、釧路明輝高校1年の入村美来さんの作品「スマホには 車を避ける アプリなし」、交...

(2019-12-26)  全て読む

ゆきとどいた教育すすめる道連絡会 条件整備求め運動強化 署名集約集会で取組確認

教育署名集約集会  ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会は14日、札幌市内の道高校教職員センターで「教育全国署名」北海道集約集会を開いた。この日までに集めた4万838筆の署名をさらに上積みして来年、道議会に...

(2019-12-25)  全て読む

ウポポイの整備状況初公開 来年4月開業へ着々と 博物館、体験交流ホールなど

室蘭、ウポポイ現地説明会  【室蘭発】北海道開発局は19日、白老町で来年4月開業予定の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」の整備状況および開業準備状況を公開した。国立アイヌ民族博物館と体験交流ホールの内部を初めて公開。開...

(2019-12-25)  全て読む

道中 教育課程の調査研究報告〈下〉 9年間連続の学び意識 CS導入で意識改革期待

表1  道中学校長会(新沼潔会長)の令和元年度教育課程に関する調査研究報告書における、小中連携・小中一貫教育とコミュニティ・スクールの2点に関する現状と課題はつぎのとおり。 ◆小中連携・一貫教育...

(2019-12-20)  全て読む

道中 教育課程の調査研究報告〈上〉

表1  道中学校長会(新沼潔会長)の令和元年度『教育課程に関する調査研究報告書』(11月14日付1面既報)では、学習指導要領の実施に関する道内中学校の取組状況を調査。今回、教育課程、特別支援教育、...

(2019-12-19)  全て読む

北見大会計画案など協議 道小が第4回理事研修会

道小第4回理事研  道小学校長会(大石幸志会長)は16日、ホテルライフォート札幌で第4回理事研修会を開いた。あいさつで大石会長は、教科担任制の導入や学校のICT環境の整備などに向けた国の動向を説明。各部の報告...

(2019-12-19)  全て読む

家庭教育支援チーム表彰 本道から釧路市の団体 来年2月18日に表彰式 文科省

 文部科学省は、文部科学大臣表彰「家庭教育支援チームの活動」の被表彰活動を決定した。家庭教育支援チームの活動のうち、活動内容が他の活動と比較して顕著に優れ、地域全体への普及効果が高いと認めら...

(2019-12-19)  全て読む

道教組・道高教組緊急シンポ 自分事ととらえ主張を 変形労働時間制の問題点

変形労働時間制シンポ  道教組(川村安浩執行委員長)と道高教組(尾張聡中央執行委員長)は14日、札幌市内の道高校教職員センターで緊急シンポジウム「1年単位の変形労働時間制の問題点を考える」を開いた。神奈川過労死等...

(2019-12-18)  全て読む

オホーツク教委協が教育委員大会 ICTで魅力ある学校 業務改善の重要性学ぶ 新保氏講演

オホ教委協教育委員大会  【網走発】オホーツク管内教育委員会協議会(河原英男会長)は9日、網走セントラルホテルで令和元年度管内市町村教育委員大会を開いた。管内18市町村教委の教育長や委員など約80人が参加。特定非営...

(2019-12-18)  全て読む