英語力向上へ中札内中が授業公開　望ましいスタイル学ぶ　十勝局

（道・道教委 2019-12-23付）

文科省の山田教科調査官が授業スタイルを交え講演

　【帯広発】十勝教育局は１８日、中札内村立中札内中学校（中村俊緒校長）で、ほっかいどう学力向上推進事業（英語力の向上支援）授業公開を開いた。道東地区小・中学校の外国語活動や英語科を担当している教員５１人が参加。事業推進校・中札内中の授業公開のほか、研究協議、文部科学省初等中等教育局教育課程課の山田誠志教科調査官による講演を通して、望ましい授業スタイルを学んだ。

　英語力の向上支援は、４技能５領域のバランスの取れた言語活動を充実させるため、中学校教員の英語力・指導力の向上や生徒の英語力向上に向けた環境整備を支援することを目的とした道教委の新たな取組。

　はじめに、中札内村文化創造センターで事業内容について説明したあと、中札内中に移動。渡邊優美教諭、安食正人教諭、ＡＬＴの多幾山リンダさんが３年生の英語科授業を指導した。

　実施に当たり、単元指導案を作成。目標を「憧れの人について書いたスピーチを聞いて、簡単な語句や文を用いて即興で伝え合うことができる」と設定。単元全体を通した帯活動では、不定詞の使い方や現在分詞・過去分詞・接続詞の後置修飾などを覚える取組を進めた。

　これまで生徒たちは、ハワイから中札内を訪れる留学生に対して、自分の憧れの人についてスピーチを考えて原稿づくりや写真の準備などを進めてきた。また、前時にはパフォーマンステストを実施。「話すこと」「書くこと」の観点からスピーチを行い、周りの生徒からの質疑応答に答える即興性の高い授業を行った。

　本時では、渡邊教諭らがスピーチをデモンストレーション。生徒たちが英語で質問したあと、４つのグループに分かれてスピーチを聞き合い、質問を行うことを繰り返した。

　このあと文化創造センターに移り、研究協議。スピーチと質問を繰り返し行うことの効果や、パフォーマンステストの成果などを話し合った。

　続いて、山田教科調査官が「新観点における学習評価から指導を考える～パフォーマンステストと単元指導計画」と題して講演。

　はじめに、新観点における望ましい授業スタイルを実演。指導に当たっては、確実に「言語活動↓指導↓言語活動」という授業スタイルの重要性を強調。

　活動の間の指導について、①児童生徒たちの発話内容の面からの指導②正しい文法やイディオムなどの言語面からの指導―の２点を指摘。「英語教育のポイントは繰り返しにある」と述べ、何度も何度も英語を話し既習表現を思い返す大切さを説いた。

(道・道教委 2019-12-23付)