全国体力等調査本道分の結果 小・中男子で全国差広がる 札幌市除き小学校は僅差に
(道・道教委 2019-12-24付)

表
令和元年度全国体力・運動能力、習慣等調査結果・本道における実技に関する調査(クリックすると拡大表示されます)

 スポーツ庁は23日、「令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表した。本道における実技調査の体力合計点は、小・中学校の男女いずれも全国平均点を下回り、小・中学校の男子は全国との差が広がった。全国平均を上回った種目は小学校男女の「握力」「ソフトボール投げ」、中学校男子の「握力」。一方、札幌市を除く本道の結果では、小学校において男子が0・02ポイント、女子が0・24ポイント減にとどまるなど全国との差を縮めた。道教委では、今後一層、学校・家庭・地域・行政が連携を図った体力向上の取組を進めていくとしている。

 小学校、義務教育学校前期課程および特別支援学校小学部の5年生、中学校、義務教育学校後期課程、中等教育学校前期課程および特別支援学校中学部の2年生を対象に、ことし4月から7月末までの期間に調査した。

 本道では、小学校1063校に在籍する4万15人、中学校623校に在籍する3万7123人が参加。①握力②上体起こし③長座体前屈④反復横跳び⑤20㍍シャトルラン(中学校は持久走との選択)⑥50㍍走⑦立ち幅跳び⑧ソフトボール投げ(中学校はハンドボール投げ)―の実技に関する調査のほか、質問紙調査(児童生徒、学校)を実施した。

 実技調査における各種目の体力合計点(80点満点)をみると、小・中学校の男女いずれも全国平均点を下回った。前年度との比較でも小・中学校男女いずれも下回り、うち、小・中学校の男子は全国との差が広がった。

 一方、札幌市を除く本道の結果では、小学校において男子が0・02ポイント、女子が0・24ポイント減にとどまるなど全国との差を縮めた。

 道教委は「小学校体育専科教員活用事業や授業改善講習会など体力の向上に関する各種事業の成果が出ているのではないか」と分析している。

 全国平均を上回った種目は小学校男女の握力、ソフトボール投げ、中学校男子の握力。小学校8種目中、男子は2種目、女子は3種目、中学校9種目中、男子は4種目、女子は3種目で全国との差を縮めている。

 一方、小学校男女の握力、女子のソフトボール投げは、全国との差が広がった。

 児童生徒質問紙調査をみると、「運動やスポーツをすることが好き」「運動やスポーツは大切」と回答した児童生徒の割合は、小・中学校の男女いずれも全国を上回っている一方で、「体育の授業以外における1週間の総運動時間が60分未満」と回答した割合が小学校男子と中学校男女で全国を上回る結果となった。

 学校質問紙調査では、「授業等の工夫・改善を行っている」「体育・保健体育の授業以外ですべての児童生徒の体力・運動能力の向上にかかる取組を行っている学校の割合」は小・中学校ともに全国を上回った一方、新体力テストを調査対象の学年以外でも実施している学校の割合は、小中いずれも全国を下回る結果となった。

 結果を受け、道教委は「小・中学校の男女いずれも体力合計点が全国平均点に届かず、中学校女子においては依然として全国平均に大きな開きがある」と分析。「今後、調査結果の詳細な分析を行い、2月中に各管内や同意を得た市町村の結果、効果的な取組を含めた報告書を作成し、一層学校・家庭・地域・行政が連携を図った体力向上の取組を進めていく」としている。

(道・道教委 2019-12-24付)

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