医療的ケア校内支援充実事業　道内外に成果を報告　遠隔システムで配信　道教委

（道・道教委 2019-12-25付）

約５００人が参加・視聴した

　道教委は２０日、拓北養護学校で高度な医療的ケア等に対応した校内支援体制充実事業成果報告会を開いた。会場の様子は遠隔システムを通して道内外の学校、教育委員会、福祉施設や医療機関に配信。約５００人が参加・視聴し、医療的ケアを必要とする子どもたちの支援について理解を深めた。

　道教委は文部科学省の委託を受け、平成２９年度から事業を開始。学校における医療的ケアに精通した指導医による巡回相談・助言などを実施し、児童生徒が安全に学校生活を送ることができる校内支援体制の充実を図っている。

　３年間の事業成果を広く普及させる成果報告会は、主会場である拓北養護と、サテライト会場の札幌養護学校共栄分校、室蘭養護学校、帯広養護学校、中標津支援学校、旭川養護学校、函館養護学校の計６校をスクールネットで接続して開催した。

　加えて、視聴を希望する道内の福祉施設、医療機関のほか、道外４０の学校や教育委員会に会場の様子を配信した。

　主会場である拓北養護に６０人、各地の道立特別支援学校に４０人のほか、道外の学校、教育委員会から４００人の計５００人が参加・視聴した。

　開会に当たり谷垣朗特別支援教育課長は、医療的ケアの充実に向けたこれまでの事業を踏まえ「報告会を通じて医療的ケアを必要とする子どもたちへの支援体制の一層の充実を図っていきたい」とあいさつした。

　続いて、拓北養護、札幌養護共栄分校、室蘭養護、帯広養護の教職員が校内支援体制の充実に向けた実践を発表。医療的ケアが必要な学びとして、拓北養護など道立特別支援学校の公開授業の様子を動画で配信した。

　シンポジウムでは、文科省初等中等教育局特別支援教育課の深草瑞世特別支援教育調査官、兵庫県立大学看護学部の勝田仁美教授、医療法人稲生会の土畠智幸理事長が提言発表。深草特別支援教育調査官は、多様な医療的ケアの実態を踏まえ、子どもの状態や一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育を行う必要性を説いた。

　このあと、３人の発表者が「学校における医療的ケアの充実に期待すること」をテーマに協議した。

(道・道教委 2019-12-25付)