学習プログラム 教材教具を開発 教育支援へ機会提供 国立施設ウポポイ4月オープン
(道・道教委 2020-01-06付)

ウポポイ空撮
ウポポイ全景=開発局提供=

 【室蘭発】ウポポイ(民族共生象徴空間)の一般公開まであと109日。令和2年度から小学校で本格実施となる新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」への授業改善のため「博物館の活用」を示し、社会科、地理歴史においてアイヌ文化の学習機会が増えることが予想される。ウポポイでは、アイヌ文化の多彩な魅力にふれる学習プログラムを用意。公開に向けて教育関係者向けの事前予約を受け付けている。

 ウポポイは2年4月24日、白老町ポロト湖畔に誕生するアイヌ文化復興・創造の拠点。愛称のウポポイは、アイヌ語で「(大勢で)歌うこと」を意味する。

 主要施設は「国立アイヌ民族博物館」「国立民族共生公園」「慰霊施設」で構成。国立アイヌ民族博物館は、アイヌの歴史と文化を主題とした日本初・日本最北の博物館で、アイヌ民族の視点から6テーマで歴史、文化を紹介する。

 国立民族共生公園は、最大530人収容可能な体験交流ホール、400人を収容可能な体験学習館、工房、伝統的コタン、芝生広場などを整備した体験型フィールドミュージアム。

 学校団体向けにガイドツアー、ワークショップ、アイヌ舞踊の鑑賞、木彫り・刺繍などの体験など、学校で活用できる様々な体験プログラムを用意。事前・事後を含めた単元全体の授業をサポートするカリキュラムや体制を支援する。

 ウポポイポータルサイトにおいて、2年度に入場予定の学校団体の事前予約を受け付け中。修学旅行の実施が集中する時期には多数の学校の入場が見込まれることから、予約受付は申込先着順を基本に調整する。

 団体向け入場料は、高校生が480円、中学生以下は無料。

 学校団体向けプログラムはつぎのとおり。

▼伝統芸能上演

 アイヌが伝承してきた歌や踊り、伝統楽器であるムックリの演奏などを上演。最新の映像技術や北海道の美しい映像も取り入れた演出で、アイヌの世界観や自然観を体感できる。

▼グループレクチャー はじめてのアイヌ博

 はじめて来館する児童生徒用のガイダンス。基本展示室やライブラリ等の博物館内の施設を紹介し、通常シアターで上映しているプログラムの観覧を通じ、初歩的なアイヌの歴史と文化について説明する。

▼食事体験

 アイヌの暮らしの知恵と自然の恵みが詰まった食文化を体験できる。四季折々の素材や調理法について解説とともに実際に味わい、食文化の奥深さを学ぶことができる。

▼ムックリ演奏体験

 ムックリの独特な音色にふれることができる。1人1本の楽器を用意し、持ち方の手順や見本の音色を聞きながら、基本的な演奏方法をスタッフがレクチャー。楽器は記念に持ち帰ることができる。

▼ムックリ製作体験

 竹製の材料を削り、振動で音を出す弁の部分などを製作。削り加減を調整しながらつくり、ムックリの仕組みが分かる。楽器は持ち帰ることができる。

▼刺繍等体験

 チェーンステッチなどの基本的な刺繍の技術を学び、アイヌの模様をコースターなどに刺繍。スタッフがつくり方をレクチャーする。出来上がった作品は持ち帰ることができる。

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博物館
最大530人が収容可能な体験交流ホール

(道・道教委 2020-01-06付)

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