性教育・薬物防止教育研究協議会―道教委　性的マイノリティ理解　教育大釧路准教授が講義

（道・道教委 2019-12-26付）

教職員やＰＴＡ関係者など１３６人が参加した

　道教委は２０日、札幌市内の道自治労会館で令和元年度性教育研究協議会兼薬物乱用防止教育研究協議会を開いた。道教育大学釧路校の戸田竜也准教授が「性的マイノリティに関する理解と対応」と題して講演。１３６人が参加し、性教育や薬物乱用防止教育について理解を深めた。

　教職員などの性、薬物乱用に関する指導力の向上を図るとともに、保護者や関係機関と情報を共有し、学校・家庭・地域が一体となって指導、教育を推進することがねらい。道内の小・中学校、高校、特別支援学校等の教職員、ＰＴＡ、地域保健関係者など１３６人が参加した。

　開会に当たり、藤田善治健康・体育課長があいさつ。

　情報化社会の進展によって性、薬物に関する情報を入手しやすい状況にあることを踏まえ「子どもたちが情報を正しく選択して、適切に行動できるようにすることが求められている」と伝えた。

　つぎに、健康・体育課の篠原弥智主任指導主事が「性に関する指導・薬物乱用防止教育の充実」について説明。性に関する指導について、①発達の段階を踏まえる②学校全体で共通理解を図る③保護者の理解を得る―の３点に配慮する必要性を強調した。

　また、児童ポルノや児童買春などの犯罪被害児童数が多いＳＮＳについて説明した。

　続いて、戸田准教授が講義。

　性的マイノリティの子どもの現状として、不登校や自尊感情の低下を挙げた。自殺未遂・自傷行為に及ぶ子どももいることにふれ「“死にたい”とまで語らせるくらい、場合によっては苦しい思いをしている子どもたちがいる。私たち大人はしっかりと向き合わなければいけない」と語った。

　このあと、札幌学院大学の北田雅子教授が「“ストレス”や“依存”から考える薬物乱用防止教育」をテーマに講義したほか、性に関する指導部会、薬物乱用防止教育部会に分かれ、実践発表やグループ協議を行った。

(道・道教委 2019-12-26付)