北見市2年度教育行政方針 おんねゆ学園 開校へ 望ましい小中一貫教育検証(市町村 2020-03-03付)
北見市教委・志賀亮司教育長
【網走発】北見市教委の志賀亮司教育長は、2月27日の第1回市議会定例会で令和2年度教育行政方針を説明した。新たに、義務教育学校「おんねゆ学園」が開校することを踏まえ、「望ましい小中連携・一貫教育の形を検証していく」との考えを示した。また、引き続き市内小・中学校でのカーリング授業導入支援を進め、カーリングの普及と競技人口の拡大を目指す。
教育行政方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育の充実】
▼信頼に応える学校づくりの推進
コミュニティ・スクールとしての機能を生かし、学校運営の改善を図り、地域とともにある学校づくりを推進する。
また、新たに開校する義務教育学校おんねゆ学園の9年間を見通した系統性・連続性のある教育課程の編成を通し、望ましい小中連携・一貫教育の形を検証していく。
併せて、各学校での校内研修を積極的に進め、教職員個々の授業力と生徒指導に関する実践力の質の向上に努めるとともに、人間性や創造性を高め、子どもたちに効果的な教育活動を行うことができるよう、市立学校における働き方改革推進計画に基づく取組を進める。
▼確かな学力を育成する教育の推進
学力向上の取組では、引き続き主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善や望ましい学習習慣の定着に向けた取組を進めるとともに、指導力向上推進事業の実施や、北見工業大学や日本赤十字北海道看護大学と連携した研修会を通して、教員の資質・能力の向上に努める。
さらに、教育活動支援講師を配置し、複数教員による個に応じた指導の充実に努める。
教育の情報化の推進については、引き続き教育用コンピューター機器の計画的な更新を行うとともに、実物投影機など、ICTを活用した分かりやすい授業を展開する。
また、プログラミング教育研究実践校による公開研究会や指導者研修会の充実を図り、児童生徒の情報活用能力の育成に取り組む。
併せて、学校間および学校と教育委員会をつなぐ校務支援システムを活用し、校務の円滑化・効率化を一層進める。
国際理解教育では、小学校の外国語科の実施に伴い、外国語指導助手を定期的に学校へ派遣し、他国の言語や文化について体験的に理解を深める機会を増やし、小学校外国語科および外国語活動や中学校外国語科の一層の充実に努める。
キャリア教育では、引き続き地域の事業所や関係機関と連携し、職場体験活動などを通して、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育む。
特別支援教育では、ことし2月に改訂した市特別支援教育の指針に基づき、一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細かな指導を充実させるため、引き続き教育支援員、医療的ケア等を行う看護師、特別支援教育コーディネーター、教育活動支援講師を配置するとともに、特別支援学級と通級指導教室へのタブレットパソコンとデジタルテレビの導入を継続する。
学校と幼稚園、認定こども園、保育園との連携では、新入学児童の学校生活への円滑な適応に向けて、幼保小三者協議会や特別支援教育連携協議会の取組の充実を図り、切れ目のない一貫した指導や支援を行う。
▼豊かな心や健やかな体を育成する教育の推進
道徳教育では、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を養う授業づくりを推進するとともに、教育活動全体を通して、児童生徒が自己をみつめ、物事を広い視野から多面的・多角的に考えることができるよう、指導の充実を図る。
いじめ対策では、アンケート調査や日常的な観察による実態把握と定期的な教育相談の充実によって、未然防止と早期発見、早期対応に努める。
また、いじめのないまちづくり子ども会議を通じて、児童生徒が主体的にいじめ未然防止に向けた取組を企画し、いじめを絶対に許さない学校づくりを推進する。
不登校対策では、日常的に児童生徒の変化に留意し、早期に教育相談を実施して、悩みや課題の解決を図るとともに、家庭との連携を強化し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどを効果的に活用した未然防止に努める。
また、適応指導教室「あおぞらくらぶ」に通級している児童生徒に対して、学習サポーターによる学習支援を充実させ、学校への復帰や望ましい進路の実現につながるよう取り組む。
問題行動対策では、児童生徒との日常的なかかわりを深め、家庭と連携した指導の充実に努める。
また、生徒指導担当教員連絡協議会による情報共有と実践交流を通して、学校間の連携を深め、迅速かつ適切な対応ができるよう、引き続き学校を支援する。
読書活動の推進では、引き続き学校司書を増員し、学校図書館の環境を向上させ、児童生徒の読書活動を支援するとともに、中央図書館や地区館との連携による取組を進める。
体力向上の取組では、市体力向上推進委員会と連携し、子どもの発達段階に応じた指導方法を学ぶ講習会を実施するとともに、各学校における体力向上プランに基づいた取組の一層の充実を図る。
健康教育では、家庭と連携し、基本的生活習慣の改善・充実を図るとともに、薬物乱用や性の問題、心の健康に関する指導の充実に努める。
防災教育および安全教育では、市防災教育の手引きや各学校の危機管理マニュアルを活用した避難訓練の実施に加え、関係機関と連携した防災教室や交通安全教室などを通し、自ら予測・判断し、行動できる力の育成に取り組む。
食育では、市食育推進計画に基づき、食の重要性、食に感謝する心、地場産物や歴史・食文化の理解など、食育の推進に向けた様々な教育活動を進める。
また、給食の充実では、地元産の食材を積極的に使用し、地産地消の推進を図るとともに、衛生管理のほか児童生徒の食物アレルギーに対する取組の徹底を図り、安全で安心な給食の提供に努める。
▼教育環境の整備
2年度は、今後の学校施設の適切な維持管理を行うための学校施設長寿命化計画を策定するほか、端野中学校旧屋内運動場の解体などを実施し、安全で安心な教育環境の整備に努める。
また、学校の適正規模・適正配置では、市立小・中学校の適正規模に関する基本方針に基づき、引き続き地域の実情に十分配慮しながら、保護者や関係者との協議を重ね、子どもたちにとってより良い教育環境の形成に努める。
登下校時における児童生徒の安全対策では、関係機関との合同による通学路安全点検を実施するとともに、犯罪被害や交通事故を未然に防止するため配置しているスクールガード・リーダーを増員し、児童生徒の安全確保に努める。
【社会教育の充実】
▼学校・家庭・地域が連携し子どもを育てる環境づくりの推進
図書館司書が学校図書館の環境整備を支援する学校図書館運営相談事業、土曜日の小学校において地域講師が多様な学習や体験活動機会を提供する土曜学校を実施する。
▼健康づくりと競技力向上や地域に根ざしたスポーツ活動の推進
カーリングのまち北見として、アドヴィックス常呂カーリングホールはもとより、現在建設中で10月供用開始予定の北見カーリングホールを活用しながら、カーリングの普及と競技人口の拡大を目指し、市内小・中学校でのカーリング授業導入支援を進める。
(市町村 2020-03-03付)
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