特別支援学級の授業改善へ　適切な教育課程編成を　道教委　事例集発刊

（道・道教委 2020-04-13付）

　道教委は、指導資料『特別支援学級を支えるために～授業改善事例集』を作成した。授業者支援会議を活用した授業改善の事例などを掲載。資料の活用によって授業の質の向上や適切な教育課程の編成につながることを期待している。

　道教委による特別支援教育総合推進事業「特別支援学級担当教員サポート体制事業」の一環。特別支援学級リーダー教員研究協議会の成果をもとに、これまで『特別支援学級を担当する教員のための４ステップガイドブック』『特別支援学級を支えるために～特別支援学級に関するＱ＆Ａ』などをまとめてきた。

　『授業改善事例集』は、令和元年度の研究協議会における東京都立光明学園の田村康二朗統括校長の講演内容と、参加教員の実践をもとに作成した。

　資料は、①授業改善のために～授業者支援会議を取り入れた授業改善②事例③授業改善チェックリスト～特別支援学級における授業改善の視点―の３部構成。

　①では、ワークショップ型研修の一つ、授業者支援会議を紹介。

　「短時間で実施できる」「授業者が求める依頼内容（オーダー）に対する助言が得られる」「参観者の役割が明確で主体的に参加できる」などの利点を挙げた上で、流れや成功のポイントを示した。

　②では、授業者支援会議を活用した授業改善の事例を紹介。小学校算数・国語・「特別の教科　道徳」、中学校自立活動・数学・理科・保健体育の７つの事例を示している。

　うち、小学校「特別の教科　道徳」では、授業者が意見を言ってもらいたいポイント（オーダー）として「児童が主体的に学習に向かうことができるような活動や教材の工夫についてアドバイスがほしい」を提示。

　オーダーに応じた参観者による改善策を取り入れることで、「児童からの意見が出やすくなった」などの成果や、「知的障がい特別支援学級における道徳科では、実際の経験や体験をもとにして、考えることの大切さを実感することができた」などの感想が上がったことなどを紹介している。

　③では、②の事例から、授業づくりや授業参観のポイントをまとめ、チェックリストとして掲載している。

　道教委は、各小・中学校が資料を有効に活用し、授業の質の向上や適切な教育課程の編成に努めるよう期待している。

(道・道教委 2020-04-13付)