コロナ感染防止　恒例の苗販売中止　苗の活用策　意見募集中　倶知安農業高生徒クラブ執行部

（コロナウイルス関連 2020-04-24付）

　【小樽発】倶知安農業高校（近江勉校長）の生徒クラブ執行部は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となったイベントで販売を予定していた花壇苗や野菜苗の活用について検討している。自分たちが丁寧に育てた苗を無駄にしないために何ができるかを考え、学校外からも広く意見を募集している。

　同校は５～６月に、地元の幼稚園との羊の毛刈り、小学生へのジャガイモ栽培の説明や植え付け作業といった交流、花壇苗や野菜苗の販売実習など、地域と連携した取組を計画していたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、いずれも急きょ中止した。

　そのため、生徒たちが種から心を込めて育てたトマトやナス、ピーマンなどの野菜苗約２０００株、パンジーなど３０種の花壇苗５０００～６０００株が不要になってしまう恐れが出てきた。

　生徒クラブ執行部の９人は、販売予定だった苗を捨ててよいのか、活用方法はないのかについて議論。「捨てるのはもったいない」という意見で一致し、倶知安駅前に花文字をつくってはどうか、町内で移動販売しては、野菜苗は学校で育てて小・中学校の給食や飲食店に提供するなどの案が出された。

　生徒クラブ会長の波方萌さん（３年）を中心に「私たちの取組の成果をみせたい」「多くの人を元気にしたい」と前向きに考え、新型コロナウイルス感染症の収束後には地域を盛り上げるイベントを開きたいという思いもわき上がった。

　同校の菅原光男教頭は「先生から教わるだけではなく、自ら考えて行動する力が求められる」と生徒の創造性に期待。イベントの中止といったピンチをチャンスととらえ、学校外の意見も広く取り入れていく考えだ。

　問い合わせは電話・０１３６（２２）１１４９まで。

(コロナウイルス関連 2020-04-24付)