遠隔教育推進へ予算化 道補正案 教育費は3.5億追加
(道・道教委 2020-04-27付)

 道は、GIGAスクール構想関連の教育環境整備などを盛り込んだ令和2年度補正予算案を、あす28日開会の第1回道議会臨時会に提案する。道教委所管の教育費の補正額は3億5400万円。既計上額との合計は3930億円となった。

 784億円の追加補正で、既計上額と合わせた本年度一般会計予算の総額は2兆9246億円。放課後児童クラブの午前からの開所など、学校の臨時休業に伴う追加対応への支援に4億200万円を計上したほか、食肉事業者団体による道内小・中学校への道産牛肉の無償提供に要する経費として約12億円を措置している。

 教育費の主な事業をみると、GIGAスクール構想事業の端末整備事業整備費に6876万円を計上。国のGIGAスクール構想に対応し、3年度以降に整備を予定している中等教育学校前期課程および特別支援学校等小・中学部の児童生徒端末を2年度に前倒しして整備する。また、オンライン学習環境整備費に2200万円を充て、ICTを活用したオンライン学習のための環境を整える。

 このほか、学校衛生環境改善対策費に1億1200万円を措置。道立学校における新型コロナウイルス感染症対策に必要な衛生用品を整備し、感染リスクを低減させる。

道の補正案 教育関連事業

 補正予算案における教育関連の主な事業はつぎのとおり。

【高校管理費ほか(学校衛生環境改善対策費)】=1億1205万円

 道立学校における感染症対策を行うために必要な衛生用品を整備し、感染リスクを低減させる。

▼マスク=774万円―児童生徒各1枚

▼消毒液(手指用)=6841万円―各学級1個

▼非接触型体温計=902万円―各学年1本

▼ポンプ式液体石けん=1889万円―259校分

▼校舎等消毒用品=796万円―259校分

【教育指導費(幼児教育の質の向上のための緊急環境整備費)】=2232万円

 公立幼稚園が行う感染防止対策に要する経費の一部を補助する。

▼補助対象=マスク、消毒液、空気清浄機等

▼園数=45園

▼補助上限=1園当たり50万円

【特別支援学校管理費(特別支援学校スクールバス感染症対策事業)】=2527万円

 特別支援学校のスクールバスにおける感染リスクを低減させるため、スクールバス等を増便する。

▼内容=乗車率の高い路線を増便

▼対象期間=5~7月

▼対象校=11校24便

【公立高校生徒就学支援事業費(就学のための給付金)】=8038万円

 新型コロナウイルス感染症の影響によって、保護者等の収入が減少した世帯に対して、奨学のための給付金を支給する。

▼第1子=4233万円

▽生徒数=5万9678人

▽対象者=504人

▽単価=8万4000円

▼第2子=3735万円

▽生徒数=3万4101人

▽対象者=288人

▽単価=12万9700円

▼通信制・専攻課程=69万円

▽生徒数=2300人

▽対象者=19人

▽単価=3万6500円

【学校給食普及指導費】=1442万円

 給食調理・食品加工事業者等に対し、3月の臨時休業によって生じた給食のキャンセル料を支払うとともに、衛生設備等の購入に要する経費を補助する。

▼キャンセル料=722万円―道立学校を通じ補てん

▼補助金=720万円―衛生設備等の購入を補助

【GIGAスクール構想事業費(端末整備事業費)】=6876万円

 国のGIGAスクール構想に対応し、3年度以降に整備を予定している中等教育学校前期課程および特別支援学校等小・中学部の児童生徒端末を2年度に前倒しして整備する。

▼中等教育学校=720万円

▽対象校数=1校

▽整備台数=160台

▼特別支援学校=6156万円

▽対象校数=42校

▽整備台数=1368台

【GIGAスクール構想事業費(入出力支援装置整備事業費)】=498万円

 視覚や聴覚、身体等に障がいのある特別支援学校小・中学部の児童生徒が端末を使用するに当たって、必要となる障がいに対応した入出力支援装置を整備。

▼視覚=240万円―点字ディスプレー4台

▼聴覚=64万円―音声文字変換システム14台

▼肢体=193万円―視線入力装置等16台

【GIGAスクール構想事業費(オンライン学習環境整備費)】=2203万円

 臨時休校等の緊急時において、ICTを活用したオンライン学習のための環境を整備する。

▼家庭学習のための通信機器整備=369万円

▽対象=中等教育学校(前期)、特別支援学校(小・中)

▽事業内容=貸出用モバイルルーターの整備

▼学校からの遠隔学習機能の強化=1834万円

▽対象=道立学校

▽事業内容=授業動画等の配信などのため、通信装置(カメラ・マイク等)を整備

【GIGAスクール構想事業費(GIGAスクールサポーター配置事業)】=443万円

 校内ネットワーク環境の整備に伴う技術的な支援を行うため、ICT技術者を派遣する。

▼対象校=中等教育学校(前期)、特別支援学校(小・中)

▼事業内容=ICT技術者が道立学校を巡回し、危機の活用方法等について指導

【学校臨時休業に伴う対応関連経費】=4億2579万円

 学校の臨時休業に伴う放課後児童クラブ等の追加的対応の実施や利用者への支援などに要する経費。

▼放課後児童クラブ

▽午前中から開所した場合に追加で生じる費用等=1億7815万円

▽クラブが臨時休業した場合に保護者へ変換する日割り利用料=5693万円

▼ファミリー・サポート・センター

▽学校休業に伴い、追加的に利用した場合の利用者負担減免支援=2405万円

▼放課後デイサービス(障がい児)

▽午前中から開所した場合などに追加で生じる費用=4639万円

▽午前中から利用した場合などに追加で生じる利用者負担減免支援=1347万円

▼保育園等

▽園などが臨時休業した場合に、保護者へ返却する日割り利用料=1億410万円

▼介護事業所内保育所

▽未就学児童に加え、学童保育も実施する場合における追加経費=267万円

【高校等就学支援事業費(奨学のための給付金)】=1億2653万円

 新型コロナウイルス感染症の影響によって保護者等の収入が激減した世帯に対する奨学のための給付金。

▼対象=個人住民税所得割額の非課税世帯、家計急変によって非課税相当と認められる世帯(新規)

▼対象経費=授業料以外の教育に必要な経費(教科書、入学学用品、修学旅行等)

▼負担割合=国3分の1、道3分の2

【道産牛肉学校給食提供推進事業費(新規)】=12億1120万円

 道産牛肉生産への影響を回避するため、食肉事業者団体が行う道内小・中学校等(給食用食材)への道産牛肉の無償提供に対する支援。

▼実施主体=食肉事業者団体

▼対象=学校給食実施校(小・中学校、定時制高校、特別支援学校)

▼回数=3回

▼負担割合=国10分の10

(道・道教委 2020-04-27付)

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