【解説】〝文科大臣杯〟代替開催へ

（コロナウイルス関連 2020-05-07付）

　萩生田光一文部科学大臣は、新型コロナウイルス感染症の影響で夏の全国高校総合体育大会（インターハイ）が史上初の中止となったことを受け、代替大会となる“文科大臣杯”の開催を検討する考えを表明した。

　全国高校体育連盟（＝全国高体連）は４月２６日、ウェブ会議による臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの感染リスクが大きく安全を確保できないことなどから今夏のインターハイの中止を決定。昭和３８年から続く大会が中止となるのは史上初となる。

　全国高体連は、生徒の心情に配慮して、今後安全に部活動を実施できる状況になった場合、３年生がこれまでの活動の成果を発揮できるような場を設けることについて、各都道府県の関係者に対し検討するよう要請した。

　４月２８日に開いた記者会見で萩生田文科大臣は「単に全国大会を中止するだけでなく、生徒の目線に立ち、３年生の活躍の場を設けるよう検討を行うことは重要なことで、高体連の判断を尊重したい」と強調。今後、文科省としても都道府県単位など、各地域での代替案の実現に向け、関係団体と連携・協力を図っていく考えを示した。

　スポーツ・文化推薦を考えている３年生は、大会出場、作品発表ができないなど、大会の成績が得られない状況となっていることにも言及。「新型コロナウイルスが終息した場合には、何らかの形で生徒が活躍できる場を確保することが望ましい」とし、支援策を講じることを表明した。

　来年度大学入学者選抜において、特にＡＯ入試、推薦入試について受験生に大きな影響が生じることが予想されることから、特定の受験生が不利益を被ることがないよう、高校・大学関係団体等から意見聴取するなど、各大学に対して、配慮を求める考えを示した。

(コロナウイルス関連 2020-05-07付)