【解説】全連小　９月入学で意見書

（コロナウイルス関連 2020-05-20付）

　全国連合小学校長会（喜名朝博会長）は１４日、９月入学・始業にかかわる意見書を文部科学省に提出した。導入を検討する際の課題として、社会全体のコンセンサスの必要性など５事項を整理。十分に検討する時間が必要とし、現状においては新型コロナウイルスに対応した学校教育、冬季の感染症第２波に備えた体制構築に力を尽くす必要性を示した。

　９月入学に関し、日本ＰＴＡ全国協議会は７日に緊急要望書を政府に提出。日本教育学会は１１日、導入に当たり慎重な社会的議論を求める声明を発表し、２２日に提言書を政府に提出する予定となっている。

　声明では、９月入学を「学校再開時の諸課題の解決や第２波への体制づくりと並行して議論すべきでない」と指摘。感染症対応の中での導入が学校現場の混乱を来たすとし、一定の収束後、十分に時間をかけて議論するよう求めた。

　今後の検討に当たっての課題として、社会全体のコンセンサスの必要性など５事項を整理。会計年度の考え方の変更といった社会全体の仕組みの変更、学齢の考え方、教職員の人事、企業・公務員の採用選考の時期の変更など、準備が多方面にわたる課題を指摘した。

　また、年度が重なることによる児童数の増加、教員採用の時期や教員配置への対応など、移行期間の課題も挙げた。

　教育課程に関しては、理科や生活科など季節単元の再構成といった指導計画や学校行事予定の変更などの課題、５ヵ月間の保育料・学費などを保護者に求めることの困難さを挙げている。

　憂慮される事項もまとめており、新型コロナウイルス対応下における学校教育の在り方の構築に全力を尽くすこと、冬季の感染症第２波に備えた体制を構築することの必要性を示した。

(コロナウイルス関連 2020-05-20付)