富良野高　１年生対象に遠隔講習　普段の授業に近い形で　希望生徒は登校し受講

（コロナウイルス関連 2020-05-21付）

市教委職員や近隣学校の教職員が講習を見学した

　【旭川発】富良野高校（髙橋宏明校長）は、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う臨時休業中の１年生１３６人を対象に、国語、数学、英語の３教科でオンライン会議システム「Ｚｏｏｍ」を活用した遠隔講習を試行的に実施している。１４日から３１日までの期間で４日間を設定し、生徒はスマートフォンなどを通して受講。普段の授業に近い形で家庭学習を支援していく。

　臨時休業の再延長決定後、同校では校内で対応を検討した結果、自学自習が難しい１年生を対象に国語、数学、英語で、分散登校とは別に、生活リズムを整えることや、遠距離の通学生の負担軽減と家庭学習を支援するという位置付けで、遠隔講習を試行的に実施することを決定。

　受信環境の都合によって家庭で受講できない生徒は、登校して遠隔講習を配信している教師の側で受講することも可能とした。

　初日の１４日、今後の遠隔授業の推進に向けて、富良野市教委や近隣の小中高の教員に公開。

　配信している教員の様子や機器のセッティングなどを見学したほか、会議室を受信する生徒の部屋に見立てて、生徒側からどのように見えているかなど確認した。

　数学Ｉを担当する遠藤裕幸教諭は「画面を通じて生徒が配布した課題プリントに取り組む姿や生徒一人ひとりの表情が見られるので、普段の授業と近い感じで授業ができてよかった」と話す。

　生徒からは「説明も聞き取りやすかったので、よく理解できた」「みんなと一緒に受けていて、たまに先生から質問をされるので、やる気になる」などの声が上がった。

　参観した市教委職員や近隣学校の教職員からは「家庭環境によってＷｉ－Ｆｉ環境などが整備されていないところもあるが、希望する生徒は学校に来て対応させるなど、様々な方策を知れて参考になった」などの感想が寄せられた。

　同校では、Ｚｏｏｍが効果的なものだと判断することができたら、環境整備等も整えつつ、今後の活用も検討。保護者の都合に合わせられるよう、３者面談などにも導入していきたい考え。

　中島康晴教頭は「休業中にも学力保障の観点から双方向の授業は必要。通信環境等で制約のある中、それを工夫して対応することができた。この取組の成果などを今後どのように生かしていくのか模索していきたい」と話した。

(コロナウイルス関連 2020-05-21付)