札幌市教委　初任段階１年次共通研修　求められる教師像など理解　コロナ拡大防止　分散開催

（市町村 2020-06-01付）

席の間隔を空けるなど、感染症対策を徹底した

　札幌市教委は５月２５日から４日間、市内のちえりあで初任段階における研修「１年次研修」共通研修第２日を開いた。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から半日研修とし、２会場で午前と午後の日程とするなど、参加者３２６人を１６グループに分けて開催。講義や講話、演習を通して札幌市学校教育の重点や教育の在り方などについて理解を深めた。

　研修は当初、学校再開が見込まれる６月４日の開催を予定していた。市教委は、学校再開となった場合は対応などで多忙を極めることが想定されることから、万全の体制で子どもたちを受け入れるため、臨時休業期間中に開催することとした。また、研修の１日目は書面での実施となったことから、初任者へのケアもねらいとした。

　期間は２５～２８日の４日間。半日の研修で、２会場で午前と午後に行うなど、参加者を１６グループに分けた。

　当日は、感染症対策として、会場に入る人数を最大収容人数の３分の１とした。参加者が２㍍程度の距離を保てるような座席の配置としたほか、定期的な室内換気をするなど３密（密閉・密集・密接）を避けた。手指消毒用スプレーも設置し、参加者には、マスクの着用などの自己管理を促した。

　２５日午前のＡ研修室では、市川恵幸教職員育成担当課長が「新任教員に期待する」と題して講話した。市の教育公務員の使命として、自立した札幌人の育成を提示。市が求める教員像として、「教育者として、強い使命感・倫理観と、子どもへの深い愛情を、常にもち続けている教員」など３点を示した。

　教員の力量を高める方法として、「日々の教育実践の振り返りを大切にする」「先輩の取組を見てまねたり質問したりする」「札教研や各種研修会に参加する」などを示したほか、一人で抱え込まないことや法令・服務規律を順守することなど、心身の健康を第一に考えて過ごすことを求めた。

　続いて、教育課程担当課の山下敦史義務教育担当係長が札幌市学校教育の重点について講義。学校教育の重点５点を示したほか、９年間を通じた教育課程を編成し、系統的な教育を目指す小中一貫教育の重要性について説明した。

　学ぶ力の育成について、学ぶ力を支える「学ぶ意欲・学んだ力・活かす力」の３点を示したほか、課題探究的な学習を進めるに当たって６つのセルフチェックを紹介した。

　このあと、学習指導に関する講義・演習も行った。

(市町村 2020-06-01付)