民間コンサルから働き方改革最終報告　業務改善へＩＣＴ充実を　意識改革も要請　札幌市教委

（市町村 2020-06-03付）

　札幌市教委は、市立小・中学校、高校各１校に派遣している民間コンサルタントから働き方改革に関する最終報告を受けた。業務改善に向けた提言としてサポート体制の確保、執務環境の改善、ICT環境の充実、仕事に向かう姿勢としての意識改革などが挙げられた。

　市教委は、教職員の長時間勤務および多忙化が全国的に課題となっている中、通知「教員の勤務実態調査結果に基づく負担軽減への取組について」を発出するなどして、負担軽減に向けた取組を各学校とともに進めてきた。

　これまで以上に教職員が計画的に休暇を取得し、心身の健康維持および増進を図ることができるよう、夏季休校日の取組を展開している。学校の業務改善や教職員の負担軽減に向けてさらなる取組を進めるため、前年度から市立小・中学校、高校各１校に民間コンサルタントを派遣し、それぞれの校種の業務の観察や聞き取り調査などを行っている。

　中間報告で民間コンサルから、業務改善すべきこととして、職員室の配置改善、サーバーの適切な運用、タイムマネジメント、職員会議のもち方改革、教職員間のコミュニケーション改善などを提案。職員室の配置改善ではスペースを有効利用すること、タイムマネジメントでは終業時刻を意識した取組、物品の保管と在庫の管理の必要性を指摘。高校では、職員室と教科室が離れていることなどから、職員室と教科室の一層の連携強化などを改善点として挙げた。

　中間報告後、民間コンサルは３校に対してワークショップやセッションなどを実施。取組をまとめた報告書を市教委に提出した。

　報告書では、業務改善に向けた提言として、サポート体制の確保、研究活動の精選、校務支援システムの活用、学校行事等の精選、執務環境の改善、ICT環境の充実、仕事に向かう姿勢としての意識改革を提言。

　サポート体制の確保については、チーム学校として教職員の仕事をサポートする体制づくりをすること、仕事に向かう姿勢としての意識改革については、集中するべきところに人や時間を投入していく意識などについて指摘した。

　今後、市教委は民間コンサルからの提言などを踏まえ、業務改善に取り組んでいく。

(市町村 2020-06-03付)