宗谷管内市町村のICT学習支援　同時双方向システム活用　授業動画収録ＤＶＤ配布も

（市町村 2020-06-01付）

　【稚内発】宗谷管内１市８町１村のICT機器を活用した学習支援状況が本紙調査でまとまった。利尻富士町では、鴛泊中学校が４月２０日から授業動画の配信・配布を行い、同時双方向システムでのオンライン授業に取り組んでいる。枝幸町でも、山臼小学校と枝幸南中学校が試験的に同時双方向システムでのオンライン授業を展開。猿払村の知来別小学校では、ネット環境がない世帯に配慮し、授業動画を収録したDVDを配布した。今後、多くの市町村でオンライン授業導入などに向けたネット環境の整備の準備・検討を進めていくもよう。

　各市町村の状況はつぎのとおり。

▼稚内市

Web会議アプリZooｍを使用し、宗谷小学校、潮見が丘中学校で学習環境や健康状態をチェックした。宗谷小では、宿題などの確認も行い、山本以久子校長は「今後、オンラインでの参観日の実施などを展望している」などと話していた。

　今後、オンライン授業導入に向けたネットワーク整備などの準備、検討などを進める方針。

▼猿払村

　知来別小学校で臨時休業時に授業の動画を収録したDVDを各家庭に配布。Wi―Fi環境が整備されていない世帯に配慮し、オフラインでの学習支援を行った。

　村教委では、現在各家庭にWi―Fi環境などの有無を調査し、今後の臨時休校時にオンライン授業実施に向け、ルーターの貸し出しなどができるよう準備を進めている。

▼浜頓別町

　ICT機器の導入には至らなかったが、学習支援の一環として教育委員会が学習教材を購入し、全小・中学校に配布した。

▼中頓別町

　分散登校時はICT機器を活用した授業などは行わず、各学校がプリントを配布して家庭学習を支援した。

　一方、本年度第１回町議会でGIGAスクール構想にかかる予算が成立し、今後は児童生徒１人ずつにタブレット端末の配布やネット環境が整備されていない世帯への支援などを進めていく。

▼枝幸町

　各家庭の通信環境を調査し、ネット環境が整備されている山臼小学校の１年生を除く全児童と枝幸南中学校の全生徒を対象に、試験的に同時双方向システムでのオンライン授業を実施した。

▼豊富町

　休業時に学習プリントを配布。登校時に児童生徒が学習したプリントを提出させるなどの学習支援を行った。今後、各学校のインターネット環境などが整えば、GIGAスクール構想に基づきオンライン授業などの導入も検討している。

▼礼文町

　各学校から家庭向けにインターネット上で学習ができる学習教材のIDとパスワードを配布し、学習支援を行った。今後、休業措置などが求められる場合に備えて、ICT環境の整備・導入を進めていく方針。

▼利尻町

　仙法志小学校では、インターネット電話サービスSkypeを使用し児童の学習を支援した。その他の学校では、５月１８日から週３回の分散登校を行っており、Skypeによる支援を実施しなかった。

　今後、各学校のネットワークシステム整備が整えば、ICTの活用を検討していく。

▼利尻富士町

　鴛泊中学校が４月２０日から、録画授業を配信・配布。各家庭にQRコード付きの時間割を配布し、スマートフォンなどで読む込むと担当教員による授業が再生される。

　今後、町教委が無償提供するポケットWi―Fiが全校生徒に行きわたったところで、同時双方向システムのライブ配信授業などを実施する予定。他の小・中学校でも、鴛泊中のノウハウを生かしオンライン授業を進めていく。

▼幌延町

　各家庭のネット環境を調査。問寒別小中学校では、全世帯でネット環境が整備されていることからＺooｍを利用し、教員と中学生が対面で学習指導を実施。

　また、問寒別小中の小学生と幌延中学校の生徒に１人１台ずつタブレットを配布し、学習教材や授業動画によるオフラインでの学習支援を行った。

(市町村 2020-06-01付)