上川町2年度教育行政執行方針 独自教諭を継続配置 コロナウイルス対策徹底
(市町村 2020-05-29付)

中野俊和教育長
上川町教委・中野俊和教育長

 【旭川発】上川町教委の中野俊和教育長は令和2年度教育行政執行方針で、教員加配制度や町独自の臨時教諭の継続的な配置などを図り、学力向上に向けたきめ細かな授業を提供する意向を示した。新型コロナウイルス感染症の対策を徹底するなど、学校と連携を図り、教育課程に遅れが出ないよう進めていく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育の振興】

▼教育課程と学力向上

 学力向上については、指導方法の改善に努めるとともに、習熟度別や少人数指導、チーム・ティーチング(TT)など、きめ細かな授業を行うため、教員加配制度の活用や町独自の臨時教諭を継続的に配置し対応する。

 併せて、読書活動、朝学習・放課後学習の継続や中高生に対する漢字・数学・英語等の各種検定奨励事業の充実を図る。

 新型コロナウイルス感染症の児童生徒への感染防止に向けた対策を徹底して実施するとともに、学校と連携を図り、教育課程に遅れがないよう進める。

▼特別支援教育の推進

 教育支援委員会において、就学時に限らず、就学前からの教育相談など支援体制を構築し、就学後も一貫性のある適切な助言等の教育支援を行う。

 小学校に特別支援教育支援員を配置し、学習や生活面で困り感のある児童への支援の充実を図る。

 さらに、日常的に学校や幼稚園、保育所などとの連携や専門機関との連携を密にし、支援や指導体制の充実を継続的に図る。

▼国際化社会への対応

 外国語指導助手(ALT)は2人体制とし、小学校の外国語授業の対応をはじめ、幼児から高校生までの外国語教育の充実に努める。

▼体力の向上と健やかな身体の育成

 食育の推進については、子どもたちに望ましい食習慣を身に付けさせるため食に関する指導の充実を図るとともに、地場食材の使用に努める。

▼教育環境の整備

 学校施設の中長期的な維持管理・更新にかかるトータルコストの縮減や予算の平準化のため、学校施設長寿命化計画を策定し、教育環境の計画的な整備を進める。

 小・中学校における教材備品や一般備品の購入については、計画的に購入を進める。

 特に、学校におけるICT環境については、国の補助事業を活用し、小・中学校の高速通信ネットワーク環境について整備するとともに、5年度までの1人1台端末に向けて計画的に整備する。

 保護者負担の軽減を図るため、小学6年生・中学3年生への修学旅行費助成事業や小・中学校の児童生徒の給食費の無償化を継続し、子育て環境の向上を図る。

 また、地域が連携・協働して学校・子どもたちを応援していくために学校運営協議会の活動の推進に努める。

 さらに、平成30年度に策定した教職員の業務改善の取組を実践し、学校運営協議会と連動しながら持続可能な学校運営体制の整備を進める。

 小中連携については、町内1校ずつの小・中学校という特性を生かし、それぞれの目指す子ども像の共通理解をはじめ、義務教育9年間の指導を行う中で、望ましい学習習慣や生活習慣を定着させることなど、児童生徒・教職員のさらなる連携強化を図る。

 連携型中高一貫教育については、これまでの経過を踏まえながら、中高6年間のキャリア教育を中心に系統的に展開されるよう、引き続き支援する。

▼高校教育の推進

 中学卒業生の減少や、私立高校の授業料無償化によって、上川高校の生徒数確保については、大変厳しい状況となっている。今後も、上川高の存続に向け、近隣中学校の訪問活動や入学準備金、通学費等の助成を引き続き実施する。

【社会教育の振興】

▼幼児・少年期社会教育の推進

 家庭教育に対する支援として、子育て支援センターとの連携を図りながら未就学児の保護者を対象に家庭教育学級を開設する。

 少年期においては、子ども会リーダー研修会、自然体験学校、チビッ子チャレンジランキングなどを実施する。

 また、早寝・早起き・朝ごはんを意識した生活習慣の習得と自ら行動できる力や集団生活での協調性を養う、かみかわ通学合宿、中学生を対象に学習支援事業として地域未来塾を開催する。

▼社会教育施設の充実   町民の学習や芸術文化活動の拠点施設となるかみんぐホールについては、設備の計画的な整備と学習情報の提供を行い、自主学習グループや団体などが効果的に利用される施設づくりに努める。

▼芸術・文化活動の推進

 アイヌ文化の継承については、大雪山とアイヌ文化が日本遺産に認定されたことから、日本遺産関連事業と連動しながら事業を推進する。

 大雪山カムイミンタラジオパーク構想については、引き続き旭川市を中心とする推進協議会に参加し、今後の認定に向け取組を推進する。

(市町村 2020-05-29付)

その他の記事( 市町村)

釧路管内公立小・中のICT活用 臨休中に学習状況把握 1人1台端末 順次予算措置

 【釧路発】釧路管内の公立小・中学校におけるICTを活用した学習支援の状況がまとまった。臨時休業期間中は新入生のために校歌の動画を配信したほか、オンライン会議システムZoomやIP告知端末を...

(2020-06-02)  全て読む

宗谷管内市町村のICT学習支援 同時双方向システム活用 授業動画収録DVD配布も

 【稚内発】宗谷管内1市8町1村のICT機器を活用した学習支援状況が本紙調査でまとまった。利尻富士町では、鴛泊中学校が4月20日から授業動画の配信・配布を行い、同時双方向システムでのオンライ...

(2020-06-01)  全て読む

留萌管内8市町村のICT環境 各地でアプリ用い取組 ルーター貸与など検討

 【留萌発】留萌管内8市町村におけるICT等を活用した学習支援状況、ICT環境の整備状況がまとまった。各地でビデオ会議用アプリZoomやグループコミュニケーションアプリBANDなどを活用した...

(2020-06-01)  全て読む

札幌市教委 初任段階1年次共通研修 求められる教師像など理解 コロナ拡大防止 分散開催

札幌市教委初任研  札幌市教委は5月25日から4日間、市内のちえりあで初任段階における研修「1年次研修」共通研修第2日を開いた。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から半日研修とし、2会場で午前と午後の日程...

(2020-06-01)  全て読む

根室管内5市町のICT整備状況 校内LAN 根室で13校 端末1人1台も導入進む

 【釧路発】根室管内5市町におけるGIGAスクール構想加速化における整備計画がまとまった。1人1台タブレット端末の整備については、管内2市町で3分の1の整備を完了。校内LANの整備について、...

(2020-06-01)  全て読む

6町で三役を一新 檜山管内小・中校長会の役員

 【函館発】檜山管内7町小・中学校長会の本年度役員が決まった。江差町を除く6町で3役を一新した。  本年度の役員はつぎのとおり。=敬称略= ▼江差町 ▽会長=角田昌宏(江差小・新) ...

(2020-05-28)  全て読む

5町で会長が交代 檜山管内小・中教頭会の役員

 【函館発】檜山管内7町小・中学校教頭会の本年度役員が決まった。江差町など3町で3役を一新したほか、5町で会長が交代した。  本年度の役員はつぎのとおり。=敬称略= ▼江差町 ▽会長=...

(2020-05-28)  全て読む

札幌市教委 元年度の就学援助 7年連続で受給率減少 680人減18117人

札幌市就学援助認定状況の推移  札幌市教委は、令和元年度の就学援助受給率をまとめた。就学援助を受けた児童生徒数は前年度比680人減の1万8117人。受給率は0・46ポイント減の13・63%と、平成24年度をピークに7年連...

(2020-05-27)  全て読む

留萌、遠別など新会長 留萌管内市町村教頭会2年度役員

 【留萌発】留萌管内8市町村における各教頭会の令和2年度役員が決まった。留萌市、遠別町、天塩町で新会長が就任した。  本年度役員はつぎのとおり。=敬称略= ▼留萌市 ▽会長=木藤健史(...

(2020-05-25)  全て読む

札幌市教委 元年度の公務災害 前年度比23件増108件 「安全衛生の日」等で啓発

 札幌市教委は、令和元年度公務災害発生状況をまとめた。授業や部活動指導、学校行事など、教育活動中に発生した公務災害の発生件数は前年度比23件増の108件。市教委では、各園・学校において毎月特...

(2020-05-25)  全て読む