留萌管内８市町村のＩＣＴ環境　各地でアプリ用い取組　ルーター貸与など検討

（市町村 2020-06-01付）

　【留萌発】留萌管内８市町村におけるＩＣＴ等を活用した学習支援状況、ＩＣＴ環境の整備状況がまとまった。各地でビデオ会議用アプリＺｏｏｍやグループコミュニケーションアプリＢＡＮＤなどを活用した学習支援の取組が進む。一方、管内では市街地を外れると通信速度が低下する地域が多く、家庭ごとの通信環境の違いが課題となっていることから、ルーターの貸し出しなど通信環境整備に向けた取組も検討が進められている。

　留萌市では、各学校１学年分の２ｉｎ１端末を配備済み。本年度は端末に教科書の有効活用に向けたＱＲコードの読み取り機能を追加する。１人１台の端末整備などＧＩＧＡスクール構想関連の補助事業の今後の措置については、検討を進めている段階だ。

　また、一部学校では、Ｚｏｏｍを活用した遠隔授業の取組が行われていることもあり、市教委は各家庭におけるインターネット環境等に関するアンケートも実施中。調査結果に基づき、遠隔授業などＩＣＴ教育の推進に向けた計画・整備を進めていく。

　増毛町では、各学校に１学級分のタブレット端末が配備されている状況で、加えて前年度に高速大容量の通信環境を整備。ＧＩＧＡスクール構想関連については国からの財政措置を活用して整備を進めていく。

　また、新型コロナウイルスの影響を受け、各家庭のインターネット環境等に関するアンケートのほか、町教委と各学校の代表教諭による遠隔授業の試行に向けた協議を５月に実施。今後の状況次第だが、ビデオ会議システムの活用も視野に入れている。

　小平町では、小・中学校共に１学年分以上の端末整備が完了しており、本年度中にも１人１台の端末整備を完了したい考え。５月には各家庭の通信環境に関するアンケートを実施しており、ルーターの貸し出しも視野に必要な措置を行っていく。

　また、教員にはビデオ会議機能の活用などＩＣＴ教育に関する各種研修への参加を促し、端末の整備を最優先に据えながら円滑なＩＣＴ教育の実施に向けた取組を進めている。

　苫前町では、小・中学校共に各２０台の端末整備を終えており、１人１台の端末整備に向けては６月の議会で必要な予算を計上する考え。実施中の各家庭の通信環境に関するアンケート結果によって、ルーターの貸し出しも視野に必要な措置を行う。

　また、中学校を中心に、ＺｏｏｍとＢＡＮＤを導入し、学習支援に活用。中学校での成果をみながら、小学校での活用も検討していく。

　羽幌町、天塩町では、小・中学校共に特別教室に端末が配備されている。本年度中をめどに、ＧＩＧＡスクール構想実現に向けた１人１台の端末整備、ネットワーク環境整備を完了させる計画となっている。

　また、各家庭におけるインターネット環境に関するアンケートも取りまとめている最中で、ＩＣＴ活用に向けた具体的取組については、ルーターの貸し出しなども踏まえて検討を進めていく。

　初山別村、遠別町では、小・中学校共に１人１台端末整備を完了しており、補助教材として活用中。一方で仕様が古い端末も多いことから、初山別村では６月の議会で、遠別町では本年度中にもＧＩＧＡスクール構想の規格に沿った端末更新に向けた必要予算を計上する計画となっている。

　初山別中学校では、分散登校中にＺｏｏｍを活用した学級活動を試験的に実施。５月２８日には１５分程度の授業を行うなど、遠隔授業の活用に向けた取組が進められている。

　遠別町では、テレビ電話機能を備えたＩＰ電話が各家庭に配備されていることから、双方向の映像通信によって学習状況の確認に活用している。

(市町村 2020-06-01付)