札幌市教委　働き方改革指針策定へ　サポート体制強化など柱　教員の長時間労働解消加速

（市町村 2020-06-04付）

　札幌市教委は、教職員の働き方改革に向けた指針の策定作業を進めている。民間コンサルタントからの提言を踏まえ、教員の意識改革や学校業務の見直し、教員のサポート体制の強化を柱とする。新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休業によって既存業務の再構築や働き方の見直しなどが迫られていることから、指針に基づいた取組を進め、教員の長時間労働の解消を加速させていく。

　市教委は、外部人材の活用や適切な出退勤システムの構築など、教員の長時間労働を解消するための取組を進めてきた。

　４月には、前年度から市立小・中・高校各１校に派遣している民間コンサルタントから最終報告を受けた（３日付８面既報）。

　民間コンサルタントは、モデル校で終日のモニタリングや教職員へのヒアリングなどを実施。「校内のほかの職種や外部人材による教員のサポート体制の不足」「管理職や教員の勤務時間を意識した働き方への見直し」などを提言した。

　３日に行われた第２回定例市議会の代表質問では、うるしはら直子議員（民主市民連合）が、札幌ならではの教職員の長時間労働の抜本的改善に向けて対策を講じていくことが必要と指摘。

　教員の長時間労働解消に向け「これまでの学校現場の実態や民間コンサルタントが指摘した課題と解決のための提言を今後どのように生かしていくのか」とただした。

　長谷川雅英教育長は「民間コンサルタントの提言によって、重点的に取り組むべき課題が明確となった」とし、教員の意識改革や学校業務の大幅な見直し、教員のサポート体制の強化を取組の柱とした働き方改革に向けた指針を策定していることを説明。指針に基づいた取組を進めていくことで、教員の長時間労働の解消を加速させていくとした。

(市町村 2020-06-04付)