【解説】先端技術活用実証研究進む

（解説 2020-06-18付）

　ＡＩなどの先端技術を学校現場で活用する実証研究が進んでいる。文部科学省「学校における先端技術の活用に関する実証事業」実践校では本年度、学習データから将来の学力の予測や改善事項を示すＡＩや、授業の発言をテキスト化する音声認識などの技術を活用した取組を計画。来年度、事業成果をまとめた『先端技術の活用ガイドブック』を作成する。

　文科省は、令和元年度から事業を開始。ＩＣＴを基盤とした先端技術の効果的な活用に関する実証研究を行い、教員による児童生徒への学習・生活指導の充実、校務支援など教育の質の向上を目指している。

　事業期間は３年間。初年度は全国の実証地域・実証校で先端技術が効果的に作用すると考えられる場面をまとめた。２年目となる本年度から導入・実証を進め、学校現場における先端技術活用の実践・改善、効果的・効率的に導入・運用するためのノウハウや留意点などを整理。来年度、活用モデルを確立し、他地域への展開を見据えた導入・運用フローを整理する。

　ある学校は、蓄積した学習データを分析、将来の学力の状況の予測や改善事項を提示するＡＩの活用を検討。外国人児童生徒のため、日本語や計算方法を母国語で学ぶ他言語翻訳の活用を計画している。また、授業の音声データのテキスト化、発話数や発話時間、指定キーワードの有無を解析・可視化する音声認識や、児童生徒の集中度を解析・可視化、顔認証で出欠確認するＡＩカメラの活用を計画している学校もある。

　文科省は来年度、実践校の成果をまとめた『先端技術の活用ガイドブック』を作成する予定。学校・自治体の枠を越えた利活用も見据え、相互運用に留意したデータの種類や形式を想定したデータ標準を整理し、示すこととしている。

(解説 2020-06-18付)