札幌市教委　小・中ネット回線強化　３００校同時接続実現へ　年内完了　再度の臨休に備え

（市町村 2020-06-26付）

　札幌市教委は、市内小・中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校におけるインターネット回線の強化を検討している。現在１００校が同時接続可能としているものを、回線数を増やすことで市内約３００校全校同時に接続できる環境を整備する方針だ。早ければ年内に整備を完了させ、新型コロナウイルス感染症などによって再度臨時休業となった場合に備えたい考え。

　現在、市教委から各校へ提供しているインターネット回線は最大で１００校が同時に接続できる。新型コロナウイルス感染症に伴う一斉臨時休業期間中の５月末には、ビデオ会議システムＺｏｏｍの利用を解禁し、各家庭と学校の双方でやりとりすることで子どもの状況を把握したほか、健康観察などを実施した。

　市教委は、使用可能な回線の容量が限られていることから、各校でＺｏｏｍを活用できる曜日を区ごとに指定するなど協力を求めた。

　回線の増強によって、市内小・中学校が同時にインターネット回線に接続することが可能となることから、今後、災害や感染症などによって臨時休業の措置を取った場合でも家庭学習や面談、健康観察などでより一層の活用が可能となるなど使いやすくなる。また、教職員の研修などでの効果が期待できる。

　市は、回線の増強に伴う機材の購入や契約の切り替え費用、その他各種機器の購入費用など７２００万円を補正予算案に盛り込み、７月上旬開会予定の臨時市議会に提出する。可決されれば、ことし中に整備を進め、新型コロナウイルス感染症の第３波襲来などによる臨時休業などに備える。

(市町村 2020-06-26付)