文科省　遠隔教育システム実証校　幌延中と附属函館中に　授業公開や企業見学など

（学校 2020-07-14付）

　幌延町立幌延中学校（小野篤夫校長）と道教育大学附属函館中学校（中村吉秀校長）は、文部科学省「遠隔教育システム導入実証研究事業」の本年度実証校に決定した。幌延中は、道立高校教員や民族共生象徴空間ウポポイ職員による遠隔授業、北海道大学や道教育大の学生が参観する授業公開を計画。附属函館中は、遠隔による企業見学や他地域の中学校との合同研修、若手教員を対象とした一対一型の教員研修に取り組む。

　遠隔教育システムを活用した実践を行い、効果的な活用方法の検証や遠隔教育の効果測定などに関する実証研究を行う単年度事業。

　道内では令和元年度に続き、道教委と道教育大が実証地域に、幌延中と道教育大附属函館中が実証校として指定を受けた。

　幌延中では、稚内高校、天塩高校の教員による遠隔授業を８月にも実施する予定。高校における数学や理科など専門性の高い科目の授業内容を紹介するほか、進学に向け取り組んでほしい内容を伝える。また、ウポポイ職員による遠隔授業も検討している。

　秋ごろには遠隔授業を公開する予定。問寒別中学校との調べ学習の成果報告会、外国語のコミュニケーション活動の授業実践を公開する。北海道大、道教育大に授業内容をライブ配信し、教員を志す学生の授業参観、即時アンケートを実施する。

　道教育大の協力を得て研究・実践を推進。８月以降、３回にわたって授業づくりの遠隔研修を行う。

　近隣の学校と接続したメンター研修を計画。幌延中、問寒別中のほか、稚内市立稚内東中学校、稚内南中学校（稚内高会場と接続）、天塩町立天塩中学校（天塩高会場と接続）の若手教員が参加する。

　道教育大附属函館中では、全学年・全学級を対象に、東京大学大学院の教授らによる遠隔講演会「探究的な学びを創るためのリレー講演会」を実施。

　１２月にも日本航空㈱函館空港所との遠隔による企業見学・訪問を計画している。

　フォーラム型教員研修として、７月中に福島町立福島中学校との合同の教員研修を計画。両校の教員がグループとなり、複数のテーマで議論、意見交流を行う。

　八雲町立八雲中学校、落部中学校とは一対一型の教員研修を計画。接続先の若手教員と実証校教員とが具体的な授業づくりに関する指導助言を行うほか、遠隔システムを活用して実証校教員による授業公開、若手教員による授業参観を実施する。

　２・３学年の総合的な学習の時間「卒業研究」では、東京大大学院教授らによる遠隔での指導を継続する。

(学校 2020-07-14付)