北理研『理科学習の進め方』第2弾 楽しく活動できる工夫を コロナ感染予防した実験法
(コロナウイルス関連 2020-07-28付)

 道小学校理科研究会(=北理研、三木直輝会長)は、『理科学習の進め方』第2弾を作成した。新型コロナウイルス感染症を予防した上で実施できる実験方法などを紹介。6年生のだ液の働きを考えさせる実験では、綿棒を用いてヨウ素デンプン反応を確認できる指導方法を取り上げた。

 第2弾の資料は、3・4・5・6年生の理科において、新型コロナウイルス感染症予防に留意し、観察・実験を実施しながら資質・能力を伸ばしていく学習の在り方の一例を示した。

 時数短縮に向けた意図と留意点では、新型コロナウイルス感染症下の対応として、時数の圧縮によって懸念される理科本来の楽しさが見失われることのないよう、可能な限り観察・実験が行えるよう、個別に活動できる方法の工夫などを掲載。

 3年生では、気候や種植えの時期によって、植物の生育状況が異なることから、単元の入れ替えとして生物単元を優先して行うことを勧めているほか、感染予防重視の観点で動画などのコンテンツを活用することを提示。

 理科室使用、観察・実験の工夫として、個人実験ができるような教材の工夫や温室を使用することでの密を避ける工夫などを示した。

 4年生の電流の働きを学ぶ実験では、見えない電気の流れをイメージすること、乾電池の向きを変えることで電流の向きも変わることなどを押さえることをポイントとして提示。

 授業時数は7時間から5時間に縮減した。

 プロペラを回して走る車をつくる実験では、実物投影機で教師用教材を示しながら確認して作成するよう指示。

 感染予防のため、学級内での交流などの指示は避け、全体で確認しながら授業を進めていくこともポイントとしているほか、チーム・ティーチングとすることなども勧めている。車の進む方向が人によって違う事実から問題意識につなげられるよう、乾電池を入れる向きは児童に委ねることを指摘している。

 5年生の流れる水の働きの指導例では、授業時数を12時間から9時間に短縮。山の川の様子と平地の川の様子の違いを探究することをポイントとした。

 実験・観察では、水が流れて土を浸食・運搬・堆積する様子が何度も見られるよう、各グループにタブレット、デジカメなどのICT機器を用意して記録すると実験を振り返る際に有効と提案。

 感染予防として、グループ実験が難しい状況では教師の演示実験を実物投影機で示すほか、映像として記録することで何度も見ることができるようにしておくことが有効としている。実験の様子を記録できた場合は、話し合いの際に大型テレビに映し、学級で情報を共有することなども紹介している。

 6年生のでんぷんを変化させるだ液の働きを学ぶ授業では、感染症予防に配慮しながら学習できるだ液を用いた実験方法を紹介。①ソースやしょうゆなどの調味料入れとでんぷんの液、綿棒、ヨウ素液、スポイトを用意し、薄いでんぷんの液を容器に入れる②綿棒を2つに割り、片方にだ液を染み込ませ、それぞれ容器に入れたあと、ふたを閉める③綿棒を入れた容器を2分ほど手の中で温め、それぞれにヨウ素液を入れる―の順に実験を行うことで、だ液の量や体温による反応の違いなどに着目した気付きを生むことができるとしている。

(コロナウイルス関連 2020-07-28付)

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