道教委・小玉教育長が占冠村視察 システムの有効性確認 地域資源拠点 デジタル寺子屋
(道・道教委 2020-08-21付)

 【旭川発】道教委の小玉俊宏教育長らは19日、占冠村公民館で「デジタル寺子屋」事業を視察した。道教委による地域特性に応じたオンライン学習導入モデル構築に向けた地域協働型オンライン学習導入プロジェクトの一環。地域資源を拠点としてオンライン学習に取り組む児童の姿を見た小玉教育長は、システムの有効性を確認し「いつでも、どこでも、誰でもオンライン学習ができる環境を整えていきたい」との考えを示した。

 事業は、公民館や図書館などの社会教育施設のWi―Fi環境を充実し、放課後・長期休業中のオンライン学習拠点として活用するもの。生涯学習支援員、家庭教育サポート企業などによるコーチングや、端末・接続環境のシェアリングサービスのモデル化を図る。

 占冠村では、平成29年に全校内でWi―Fi環境を整え、全児童生徒にタブレットを配備。また、民間業者が提供するオンライン学習支援サービスeラインズを全校に導入し、児童生徒にアカウントとパスワードを配布して校内や家庭での学習に役立てている。

 防災拠点とされている公民館にもすでにWi―Fi環境が完備され、児童生徒は、公民館備え付けのパソコンや個人の端末から自由に接続することが可能。こうした環境が整っていることから、道教委は占冠村をデジタル寺子屋モデル事業の一つとした。

 小玉教育長と川端香代子義務教育課長、五十嵐秀介生涯学習課長補佐が公民館を訪問。上川教育局の手塚和貴次長らが同行し、放課後の学童保育を利用する占冠中央小学校1年生3人が取り組むデジタル寺子屋の様子を視察した。

 すでにeラインズを使い慣れている児童は、国語や算数のオンライン学習に次々と挑戦。問題に取り組む中で「電話は○台って数えるんだ」と自ら気付き、うれしそうにうなずく場面や、問題を進めると木のイラストが成長していくことを知って今後の励みにしている場面もみられた。

 児童が楽しんで取り組む様子を目の当たりにした小玉教育長は「遊びと学習の境目なく、学びの楽しさを知るシステムとして優れている」と感想を。民間企業を含め、すでにICT環境が整備されている地域資源を活用してオンライン学習の拠点にするシステムの有効性を確認し「他地域でも様々なスペースを活用し、いつでも、どこでも、誰でもオンライン学習ができる環境を整えていきたい」と意欲を示した。

 20日には、管内唯一の義務教育学校である占冠村立トマム学校を視察した。

(道・道教委 2020-08-21付)

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