道教委 みんなの教育委員会 専門人材配置や研修充実 ICT活用に向け参加者要望
(道・道教委 2020-08-28付)

みんなの教育委員会開催
オンラインで道内の教育関係者約60人が参加

 道教委は26日、道庁別館を主会場に「みんなの教育委員会」を開いた。教育局、市町村教委など道内28ヵ所を遠隔システムで接続して行った意見交換会では、コロナ禍における学校の教育活動の方向性や、今後のICTを活用した教育の推進をテーマに協議。伊達市教委や江差高校がICT活用の事例を紹介したほか、参加者からは、専門人材の配置、教職員研修の充実や保護者も含めた情報モラル教育の充実を求める声が寄せられた。教育状況視察と意見交換会の内容は、動画共有サイトYouTubeで9月末まで公開する。

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、例年実施している移動教育委員会を中止。委員の活動をより広く公開するため、初めて開催した。

 定例の教育委員会会議のあと、ウェブ会議システムZoomを活用して教育状況を視察。

 新篠津村立新篠津中学校の吉本浩志校長は,遠隔による学級ミーティングや授業参観のほか、試行的に取り組んでいるオンライン授業の実践を紹介した。

 今後は、生徒のやる気を引き出す内容の工夫、教科の幅を広げ、対話的な学びを重視した取組を進めるとした。

 意見交換会は、道庁別館と各教育局、市町村教委28ヵ所を遠隔システムで接続し、約60人が参加。

 はじめに、「夏季休業後の各学校における教育活動の方向性」をテーマに意見交換。

 宗谷教育局の田中賢一局長は、学芸会・学校祭や修学旅行を感染予防の徹底や実施時期・活動内容・実施形態を変更して実施している管内の状況について報告した。

 十勝教育局の村上由佳局長は、感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高い学習活動(理科の実験や家庭科の調理実習)での指導方法の工夫例を説明。

 石狩教育局の堀本厚局長は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた管内の学校における実践事例を紹介した。

 参加者からは、家庭で感染症対策の基礎知識を伝えることや、学校で感染防止に必要な物資を早期に確保することの必要性を指摘。市町村教委からは、スクール・サポート・スタッフなどの人材確保が困難な現状も報告された。

 つぎに、「今後のICTを活用した教育の推進」をテーマに発表・意見交換。

 伊達市教委の影山=則教育長は、教科書と併用できる課題「伊達っ子ドリル」などの実践や伊達小学校におけるオンライン授業の取組を紹介。

 江差高校の髙橋敏史校長は、今後取組を開始するオンラインによる放課後学習支援の概要を示した。

 オンライン授業の今後の課題として、学校現場からは、Wi―Fi環境が整っていない生徒への対応、動画教材を制作する教員の負担軽減、対話的な時間の確保が指摘されたほか、技術的な活用やメンテナンスに携わる専門人材の配置、保護者も含めた情報モラルの地域単位での指導を求める声が上がった。

 旭川市教委の黒蕨真一教育長は、全国や道内におけるICT活用の先進事例の周知・共有、教職員研修の充実、財政負担の軽減に向けた国の支援を求めた。

 生徒と委員による質疑応答で江差高の生徒は、授業動画配信のメリットとして、理解できなかった部分を繰り返し視聴できる点を挙げる一方、スマートフォンでは文字が読みにくいなどの課題を指摘。

 田澤由利委員は、ケーブルでテレビと接続し、大きな画面で視聴できることを伝えた。

 最後に小玉俊宏教育長が、ICTの活用が臨時休業における学習保障の有効な手段となり、主体的・対話的で深い学びの有効なツールになるとし、引き続き研修の充実や好事例の発信に努めていく考えを示した。

 教育状況視察と意見交換会の様子を記録した動画はYouTubeで9月末まで公開。道教委総務課ホームページからアクセスできる。

(道・道教委 2020-08-28付)

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