高校教育改善研 道教委所管事項説明〈上〉 評価観点等公開呼びかけ 家庭学習の習慣定着を
(道・道教委 2020-08-31付)

 道教委の全道高校教育改善研究協議会(25日、道庁別館)では、各課担当者が所管事項の概要を説明した。高校教育課・ICT教育推進課は、評価規準や評価の観点・方法を記載した教科・科目の年間指導計画等を学校ホームページで公開することを検討するよう求めた。また、生徒に家庭での学習習慣の定着を図ること、生徒の学びの保障に関する取組を支援する学習指導員を活用することなどを呼びかけた。

 各課所管事項説明概要はつぎのとおり。

《高校教育課・ICT教育推進課①》

【教育課程】

▼高校生徒指導要録の改訂

 令和2年6月24日付教高第629号「高校生徒指導要録の改訂について」で通達した。

主な改善点は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」で整理された3つの観点を踏まえ、各教科・科目の目標の実現状況を観点ごとに評価し、A、B、Cのように区別して評価を記入することとした点である。

 各学校においては、観点別学習状況の評価をさらに充実させるとともに、学習評価の妥当性や信頼性を高める観点から、評価規準や評価の観点および評価方法を記載した各教科・科目の年間指導計画等を各学校のホームページに掲載するなどの検討をお願いする。

 なお、評価に際しては、高校学習指導要領に示す各教科・科目の目標に基づき、学校が生徒や地域の実態に即して定めた当該教科・科目の目標に照らして行うことが必要であることから、別紙4「各教科等の評価の観点およびその趣旨」を参考に、評価の観点およびその趣旨を各学校で適切に定めること。

▼2年度教育課程実施の状況および予定

 2年7月31日付「2年度教育課程実施の状況および予定について」で事務連絡した。

 本事務連絡は、今後起こり得る新型コロナウイルス感染症の第3波によって、さらに臨時休業の措置を講じる必要もあることから、今後の様々な対応の参考とするため、現時点での各学校の教育課程の実施状況および今後の予定を把握するものである。事務連絡のとおり協力をお願いする。

▼2年度高校教育課程編成・実施の手引

 本年度は、指導計画の作成と内容の取扱いが中心となっており、教育課程編成や年間計画などの作成の際の留意事項について説明。

 現行学習指導要領および新学習指導要領を踏まえた指導内容の重点の置き方などに工夫した実践事例などを掲載する予定。

 ICTを活用した各教科の単元の指導計画作成上の留意点についても掲載するので、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通して、資質・能力の育成を目指す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進める際の参考としていただきたい。

 本年度も冊子を作成せず、高校教育課ホームページに掲載するのみとしているが、引き続き活用いただきたい。

 本年度は、新学習指導要領の理念や内容の周知・徹底を一層推進するため、手引の内容にかかる説明動画を作成し、本年度、教科指導訪問を受けていない教科の教諭や、授業改善セミナーおよび教育課程研究協議会等に出席していない教科の教諭がウェブ上で視聴できるようにする。準備が整い次第、各学校に連絡するので、新学習指導要領の理念等が周知されるよう活用願う。

▼2年度道高校教育課程研究協議会

 道央会場(札幌市)は12月1~2日、道第2水産ビル、道東会場(帯広市)は12月8~9日、ホテル日航ノースランド帯広ほかで開く。

 対象は、公・私立高校(中等教育学校および特別支援学校の高等部を含む)の校長、副校長、教頭および教諭(原則教務主任)ならびに道および市町村教委の指導主事。

 学校事情によって、教務部長が参加しない場合、教育課程研究協議会の実施の趣旨を踏まえた人選をお願いする。

▽全体会=説明(総則、総合的な探究の時間、特別支援教育)、文部科学省職員等による講演、研究指定校等による実践事例に基づく提言

▽分科会=育成を目指す資質・能力を明確にした指導計画の在り方および資質・能力を育むための教科等間の連携などに関する研究協議

▽教科等部会

【公立高校入学者選抜】

▼入学者選抜の実施に当たっての配慮事項

 2年6月25日付教高第633号通知「3年度高校入学者選抜等の実施に当たっての留意事項について」を踏まえ、学力検査や面接等の感染症対策や追検査の実施について今後通知する予定。

 追検査については、インフルエンザに加え、新型コロナウイルス感染症に罹患した受検者の受検機会を確保するため、日程を変更することを検討している。詳細については、各教育局で実施する入学者選抜説明会において説明する。

▼高校における特別支援教育

▽高校段階における入院生徒に対する教育保障体制整備事業

 本事業について、2年6月4日付教高第485号で通知。現在、道立高校2校を研究推進校に指定し、メディアを利用して同時双方向で行う授業等を実施している。

 8月7日に、外部有識者や関係団体の代表からなる高校における入院生徒に対する教育保障体制整備検討会議を開催した。検討会議で得られた助言等を踏まえ、本事業をより一層推進していく予定。

 各学校において、本事業の活用を積極的に検討していただくとともに、不明な点があれば所管の教育局に相談していただきたい。

【各種事業】

▼道高校「未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業」

 実施要綱の改正について、2年7月1日付教高第709号で通知した。

 本事業は、生徒支援事業、教員支援事業、学校支援事業の3つの事業と5つのプロジェクトで構成しており、取組が多岐にわたることから、各学校の実態に応じて事業の活用を願う。

 特に、生徒支援事業においては、1・2学年の生徒を対象に、2日間を通した探究活動によって、次世代リーダーの育成を図る探究キャンプや、選抜性の高い大学への進学を目指す道内の1学年の生徒を対象として、講習や課題解決型学習等によって、進路実現に向けた学力の向上を図るアドバンスト学習キャンプへの参加について、積極的な働きかけを願う。

 教員支援事業では、全道4ブロックにおいて、優れた教科指導力を有する教員等を講師として、教員の教科指導力の向上を図る教科指導講座や、大学進学を目指す生徒を指導するために必要な授業力を高める進学指導講座への教員の出席について、積極的な働きかけを願う。

 また、各講座やキャンプ、学力テストの作成においては、優れた指導力を有する教員の協力が不可欠であるため、各教育局から講師等の依頼があった場合は協力願う。

▼元年度学習状況等調査および学力テスト

 本調査について、新型コロナウイルス感染症の影響等によって、実施が困難な状況の中、実施いただいた学校に対し感謝する。

 道教育推進計画において、4年度までに「長期休業中を除く期間に、家庭学習を一度もしない週があった」と回答する生徒の割合がゼロになることを目標としていることから、このあと説明する学びの重点化を踏まえ、具体的な改善策を講じて家庭学習を課すなど、学習習慣の定着に取り組んでいただきたい。

 なお、例年実施している学力テスト活用状況の調査については、本年度は中止としている。

▼道高校「学びの重点化」推進プロジェクト

 SCRUMの発展的な事業として、道高校「学びの重点化」プロジェクトを3年度まで実施することとした。

 本事業においては、道内を4圏域に分け、圏域ごとに研究指定校1校を指定し、すべての教科等で学びの重点化を図って、主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善の在り方を研究することとしている。

 なお、本プロジェクトについては、単に、新型コロナウイルス感染症の影響による学びの保障のための特例的な対応としての学びの重点化ではなく、現行および新学習指導要領の資質・能力を育む効果的な指導を根拠として展開することに留意いただきたい。

▼学習指導員配置事業

本事業については、7月17日付教義第438号で通知している。

本事業は、生徒の学習定着度に応じたきめ細かな指導や、新型コロナウイルス感染症対策を図るための少人数指導など、生徒の学びの保障にかかる取組をサポートするため、学校教育活動を支援する人材を配置するもの。

 学習指導員は、新型コロナウイルス感染症対策による休校措置等における学びの保障を徹底的に行うことを趣旨として、学校の規模や地域にかかわらず、すべての学校に配置することが必要との考えに立ち、事業を構築している。

 道としても必要なこととして全校分の予算を付けるなど、過去にみることのない予算規模の事業である。コロナ対策が懸念されている状況で地域や保護者の期待に応える事業となるよう最大限の取組をしていくことが必要である。

 8月7日現在、申請は88校(全体の45・1%)にとどまっているが、こうした趣旨を十分理解いただき、3月末までにすべての学校において、何らかの形で学習指導員を活用するようお願いする。

 各学校で本事業の趣旨を理解いただき、通知と合わせて送付した活用例を参考にするなどして、積極的に活用いただきたい。

▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業

 本年度のメディカル・キャンプ・セミナーは、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、8月11日に全道15会場を遠隔システムでつなぎ、オンラインで開催した。

 道立高校等の2年生252人から参加申し込みがあった。各学校において生徒に対して積極的に働きかけていただくとともに、教材作成等にかかる教員の派遣に協力いただき感謝する。

 今後、セミナーの様子を高校教育課ホームページに掲載するので、教員や生徒、保護者に周知し、次年度に向けた参加の働きかけなどに活用していただきたい。

(道・道教委 2020-08-31付)

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