道教委 道町村教委連文教要望に回答 高速通信網整備へ協議 
(道・道教委 2020-09-15付)

 道教委は、道町村教育委員会連合会(会長・本庄幸賢当別町教育長)の『令和3年度文教施策に対する要望書』に対する回答をまとめた。

 要望は、①町村教委の充実・強化②学校教育の改善・充実③生涯学習・社会教育の振興・充実④いじめ・不登校対策⑤NHKテレビの放送受信料免除措置の継続―の5項目。高速回線が整備されていない地域の学校における高速通信網の整備に向けては「北海道にふさわしいICT教育の在り方や高速大容量通信網の有効性など、道総合教育会議の場で知事との協議を深めていく」と回答した。

 教職員定数改善に関しては国の定数措置の拡充が必要とし「道単独での実施は、難しいものと考えており、今後とも全国都道府県教育委員会連合会などと連携しながら引き続き国に要望していく」などとした。

 道教委の回答はつぎのとおり。

【町村教委の充実・強化】

▼指導主事の配置

 学校教育の一層の充実・発展のため、市町村教委における指導主事(義務教育)の配置を充実できるよう、必要な財政面での措置を含めた支援策が講じられるよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 市町村教委における指導主事の配置が促進されるよう、地方交付税の増額など財政面での措置を含めた支援策の充実について、これまでも国に要望しており、引き続き要望していきたい。

【学校教育の改善・充実①】

▼小・中学校教職員定数の改善

 少人数学級の実施学年の拡大や新たな教育課題への対応のため、新たな教職員定数改善計画等の策定および実施について国に対して強く要望していただきたい。また、道独自での加配措置についてもお願いしたい。

〈回答〉

 道教委では、基礎学力の向上やきめ細かな教育の実践を目指し、習熟度別少人数指導などきめ細かな指導に積極的に取り組む学校に対し加配措置しているほか、小学校第1学年に加え、小学校第2学年および中学校第1学年において少人数学級編制を実施しており、さらに2年度から4年度までの3年間で、小学校第3学年、第4学年へ順次拡大することとしている。

 一層の教職員定数の改善・充実には、国の新たな教職員定数改善計画の策定や、新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育課程を実現するための国の定数措置の拡充などが必要であり、道単独での実施は、難しいものと考えており、今後とも、全国都道府県教育委員会連合会などと連携しながら、引き続き国に要望していきたい。

▽生徒指導の充実強化を図るため、生徒指導担当教員の配置拡充について配慮いただきたい

〈回答〉

 いじめ、不登校など児童生徒の生徒指導上の諸問題への対応のため、国の児童生徒支援加配を活用し、特にきめ細かな指導が必要とされる学校などに対し、教員を加配しているが、多様化、複雑化する児童生徒の生徒指導上の問題により適切に対応できるよう、定数措置の拡充について引き続き国に要望していきたい。

▽学校図書館司書教諭を標準法に新設するようにしていただきたい

〈回答〉

 小・中学校における学校図書館機能の一層の充実のため、標準法による司書教諭の定数措置の新設について、引き続き国に要望していきたい。

▽学校事務職員および養護教諭を全校配置にするとともに、食育の推進を図るため、栄養教諭および学校栄養職員の配置について国に要望していただきたい。また、道独自の改善策として積極的に進めていただきたい

〈回答〉

 事務職員、養護教諭および栄養教諭については、標準法に準拠して配置しているが、現行の配置基準以上に措置するためには、国の新たな教職員定数の改善が必要であるため、引き続き国に要望していきたい。

▽教頭未配置校および3学級4定員の解消等、配置基準の見直しを積極的に進めていただきたい。なお、小・中学校のへき地5級および離島加配は全学校に措置するよう特に配慮していただきたい。また、離島ごとに小学校1校に加配されているが、2校にするなど段階的な加配についても配慮願いたい

〈回答〉

 教頭の配置等を含む教職員定数については、標準法に準拠し、国の定数改善計画に沿って改善してきたが、教職員定数の一層の改善・充実について、引き続き国に要望していきたい。

 また、離島加配については、道独自の措置として離島に所在する中学校全校および離島ごとに小学校1校に加配している。今後も継続して配置できるよう努めていきたい。

 なお、へき地5級地の学校への新たな加配や離島の学校への現行以上の加配については難しいものと考えている。

▽中学校の小規模校における免許外教科担任の解消に向けて、各教科ごとに免許取得者の教員配置がなされるよう、制度の改善など国に強く要望していただきたい

〈回答〉

 中学校免許外教科担任の解消に向けては、教科のバランスに配慮した人事配置や免許法認定講習の実施による複数免許所有者の拡大に努めているとともに、平成26年度からは、6学級以下の学校の一部に加配教員等の配置を行っているが、一層、免許外教科担任の解消が図られるよう、定数措置の拡充について、引き続き国に要望していきたい。

▽小学校複式学級編制の現行基準16人を下回る基準の改正について国に要望していただきたい。また、道独自の措置を講じていただきたい

〈回答〉

 複式学級については、国の標準法に準拠し学級編制基準を定めているが、道内の約3割の小学校に複式学級がある実情を踏まえ、小学校の複式学級にかかる学級編制標準の引き下げについて、引き続き国に要望していきたい。

 また、現行の配置基準以上の措置については、国の新たな教職員定数の改善が必要であるため、併せて国に要望していきたい。

▽新たな教育課程実施に伴う授業時数増に対し、教員定数の改善を図っていただきたい

〈回答〉

 教職員定数については、標準法に準拠し、国の定数改善計画に沿って改善してきた。

 国においては、新学習指導要領における小学校外国語教育の授業時数増に対応するための専科教員の確保にかかる加配を拡充しているが、道としても新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育課程を実現するための定数措置の拡充について、引き続き国に要望していきたい。

▽小学校における専任教科担当教員(とりわけ、外国語活動、理科専科教員)について配置が拡大されるよう、国に要望していただきたい

〈回答〉

 小学校の専科指導にかかる加配については、24年度から措置されており、道では、国語、算数、理科、体育および外国語において専科指導を行う学校に配置している。

 国においては、新学習指導要領における小学校外国語教育の授業時数増に対応するための専科教員の確保にかかる加配を拡充しているが、道としても、今後とも、教員の専門性を活かした質の高い授業を通じた学力の一層の向上や、専科教員が単独で実施する専科指導によって基礎・基本を確実に定着させるためのきめ細かな指導の充実などを図るため、小学校専科指導にかかる加配のさらなる拡充について、引き続き国に要望していきたい。

▽連携型中高一貫教育を導入した地区の中学校教員の増員配置を制度化していただきたい

〈回答〉

 現状では、連携型中学校には加配措置がないことから、中高一貫教育の特色を活かした教育活動の展開が可能となるよう、中高一貫教育に対する定数の加配措置の新設について、引き続き国に要望していきたい。

▽特別支援学級については、障がいのある児童生徒一人ひとりの特別な教育的ニーズに応じた適切な教育を行うための学級編制や、教員定数の一層の拡充について積極的に国に要望していただきたい。また、重度障がい児の受入のための加配について国に要望していただきたい

〈回答〉

 特別支援学級の教員配置については、標準法に準拠し、学級数に応じた配置となっているが、肢体不自由、自閉症・情緒障がい、知的障がい学級で児童生徒数が7人以上の場合などに道独自の措置として1人加算するほか、通級指導を行う学校への加配措置を行うなど、教職員配置の充実に努めている。

 今後とも、障がいのある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導、支援を適切に行うことができるよう、定数措置の一層の拡充について、引き続き国に要望していきたい。

▽少人数学級については学年を一層拡大するとともに、学級の実施条件を1学級以上に緩和していただきたい。なお、指導方法の工夫改善を必要とする場合には、加配の配置をお願いしたい

▽少人数教育の一層の充実のため、少人数学級(小・中・高)の実現を国に要望していただきたい

▽小学1・2年生の30人学級の早期実施について国に要望していただきたい

〈回答〉

 道教委では、小学校第1学年に加え、小学校第2学年および中学校第1学年で少人数学級編制を実施しており、さらに令和2~4年度の3年間で、小学校第3学年、第4学年へ順次拡大することとしている。

 なお、小学校第2学年については、平成24年度から学年1学級の学校も対象としている。

 少人数学級のさらなる拡大については、中央教育審議会において、令和4年度を目途に小学校高学年における教科担任制を導入すべきとの論点が示されており、国の動向を見極めつつ検討を進めるとともに、標準法改正による小学校第2学年以降の35人以下学級の実現を含めた新たな定数改善計画を早期に策定し、着実に実施するよう、引き続き国に要望していきたい。

 また、指導方法工夫改善定数加配の拡充についても、引き続き国に要望していきたい。

▽小中一貫教育実施に伴う業務量等の増加に対し、教員定数の改善など、制度の見直しについて、引き続き国に強く要望していただきたい

〈回答〉

 小中一貫教育の導入促進等に向けた支援のため、平成29年度から国の加配を活用し、小中一貫教育実施校(予定校含む)に対し、教員を加配しているが、一層の定数措置の拡充について、引き続き国に要望していきたい。

▽中学校体育の武道必修化に伴い、指導者、施設、用具等の条件整備の観点から武道の指導教職員や指導者の配置については、全額公費負担となるよう国に要望していただきたい。また、武道場等の学校体育施設の交付単価については、実情の単価とし市町村の負担を軽減していただきたい

〈回答〉

 道教委としては、柔道および剣道の単元計画例や指導資料の作成・配布のほか、武道が必修となった24年度から国の委託事業を活用し、体育教員の武道の指導力向上を図るため実技講習会の開催や専門的な指導力を有する外部指導者の派遣など、武道指導の充実に努めている。

 引き続き事業の拡充について、国に要望していきたい。

▽幼稚園・保育所・小学校の連携を確立し、幼児教育と小学校教育との連携・接続が円滑に行われるよう施策を講じていただきたい

〈回答〉

 道教委では、幼稚園、認定こども園、保育所等各幼児教育施設の実情を踏まえた施策を推進するため、各幼児教育団体や道市町村教育委員会連合会の代表等との意見交換を行う道幼児教育推進協議会を置くほか、令和元年度から幼小連携・接続部会を新たに設置し、効果的な連携方法や普及方策等について検討している。

 同部会では、幼児教育施設と小学校双方の教育活動への理解促進が重視されていることから、本年度から小学校の学校運営研修会において、幼小連携・接続の内容を追加したほか、幼小の関係者が一堂に会する研修会についても、引き続き内容の充実を図る。

 また、幼小連携・接続の体制づくりの一助として、市町村首長部局、教育委員会、振興局、教育局を構成員とする幼児教育振興ネットワーク会議を各管内に設置し、幼児教育の優れた実践例や地域の実情に応じた効果的な取組などについて情報共有を図っている。

 さらに、元年度から幼児教育と小学校教育の接続の円滑化モデル事業を実施しており、今後、その成果等を参考にチェックリストや好事例などを含めた手引きを作成し、幼児教育施設はもとより、小学校等に情報提供する予定である。

 今後とも、幼児教育が義務教育以降の教育の基礎を培うものであることについて、様々な機会を通して一層の周知を図るなどして、連携・接続が一層充実するよう取り組んでいきたい。

▽義務教育費国庫負担制度については、教育の機会均等とその水準の維持向上を図るため、その制度の根幹を尊重するよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 道教委としては、義務教育費国庫負担制度は、義務教育の根幹をなすものであり、国の責務において確実に財源を保障するべきものと考え、これまでも国に対して全国都道府県教育長協議会や教育委員協議会を通して必要な財源が確保されるよう要望を行ってきており、今後とも、引き続き国に働きかけるとともに、知事部局とも連携し、必要な財源の確保に努めていきたい。

▽小・中学校の情報教育やICTを活用した教育の充実を図り、確かな学力を向上させるために、学校全体の情報教育を統括・推進する教員の加配を含めた教員定数の拡充やICT支援員の配置等に対する措置を図っていただきたい。また、過疎地域にICTに精通した専門職員の派遣を講じていただきたい

〈回答〉

 ICT支援員等の配置については、財政措置のさらなる充実や人材確保のための支援を行うよう、要望してきており、今後も引き続き、必要な対応を行っていきたい。

▽小学校新学習指導要領の実施に伴い、外国語・外国語活動における、外国語指導助手(ALT)の補助制度の新設および外国語活動に関する経費の財政支援について国に要望していただきたい。また、ALT配置に伴う財政支援についても、併せて要望していただきたい

〈回答〉

 これまで多くの外国語指導助手を招致し、学校における英語の授業や放課後の活動等に活用するほか、地域住民等との交流への活動などを通して、外国語教育および国際理解教育の充実を図っている。

 外国語指導助手の配置に当たり、地方自治体単独で一定の資質・能力を備えた外国語指導助手を確保することは難しいことから、道教委では、ALTを確実に配置できるよう、JETプログラムの継続および拡充ならびにALTの配置やJETプログラム以外の指導助手の配置に対する地方交付税化を含む財政支援のほか、小学校外国語教材の継続した作成・配布についてこれまでも国に要望しており、引き続き要望していきたい。

▽中学校における通級による指導の実施に当たり、加配教員の加配基準の一層の弾力化と巡回指導にかかわる教員の配置を重点的にお願いしたい。また、通級指導の巡回にかかる経費について、現状は学校配分旅費で対応しているが、独自の配分をお願いしたい

〈回答〉

 通級指導については、国において、平成29年度から10年間をかけて、加配定数の大部分を基礎定数として安定的に配置することと併せて、教員の増員を図っている。

 道教委としては、加配定数における国の方針を最大限活かし、通級指導の充実に努めるとともに、定数措置のさらなる拡充について、引き続き国に要望していきたい。

 なお、通級指導の巡回にかかる経費については、引き続き学校配分の旅費で対応していただくことになるが、通級指導にかかる実情の把握に努めていく。

▽学校における働き方改革の指導・運営体制を強化するため主幹教諭や事務職員などの配置の拡充を図るとともに、事務職員の標準的な職務の明確化を国に要望していただきたい

〈回答〉

 主幹教諭の配置については、21年度に配置を開始して以降、毎年度、配置数を拡充しているが、主幹教諭が職務を遂行するために授業担当時間数を軽減するための後補充として国の加配措置を活用している。

 道教委としては、引き続き、主幹教諭の適切な配置に努めるとともに、加配措置について国に要望していきたい。

 事務職員の標準的な職務の明確化については、本年7月に文部科学省から、学校における働き方改革に資するため、31年1月の中央教育審議会答申を踏まえ、事務職員の標準的な職務の明確化にかかる学校管理規則参考例を作成した旨の通知があり、今後、教育局を通じて各市町村教委へお知らせする。

▽学校教育充実のために町村が単独で配置している支援員等に国の財政措置をお願いしたい

〈回答〉

 道教委では、特別支援教育支援員やICT支援員の財源措置の拡充について、国に要望しているが、町村が単独で配置している支援員等の財政措置については、具体的な業務内容等を踏まえて国への要望について検討していく。

▼教職員の処遇改善

▽一般旅費、研修旅費、生徒指導旅費等の増額措置をしていただきたい。また、札幌市からの遠隔地の配分率の引き上げや、離島学校の旅費配分および中体連等全道大会の引率旅費についても配慮願いたい。なお、離島学校の場合は、宿泊を伴うことが大半であることから、離島加算額の拡大をお願いしたい

〈回答〉

 生徒指導旅費については、家庭訪問や校外指導など生徒指導を行う際の旅費として予算措置しており、配分された旅費を超えて対応しなければならない事案が生じた場合は、必要に応じて市町村や学校に配分された旅費全体の範囲内で調整を行うなど、弾力的に運用することとしている。

 厳しい財政状況にあるが、引き続き、予算の確保に努めるとともに、効率的な執行に向け努力していきたい。

 全国中学校体育大会の引率旅費の宿泊数の基準は、原則4泊5日としているが、大会の日程の関係上、勤務学校から用務地間の移動のため宿泊が必要とされる場合は、宿泊数の上限にかかわらずその日数を加算した日数としている。

 道の財政状況から極めて厳しい面があるが、引き続き予算の確保に向け努力していきたい。

▽中学校の部活動指導教員の特殊勤務手当の拡充等について検討願いたい

〈回答〉

 部活動指導業務および対外運動競技等引率指導業務に対する教員特殊業務手当については、国における義務教育費国庫負担金の算定基準の改正状況および他都府県の状況等を踏まえ、検討していきたい。

 また、部活動指導業務に対する教員特殊業務手当については、国において、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインなどを踏まえ、義務教育費国庫負担金の算定基準を31年4月から「土日4時間程度3600円」を「土日3時間程度2700円」に見直しており、道においても、国の見直しを踏まえ、31年4月から同様の改正を行った。

 なお、道では、令和3年3月31日までの間は、「土日3時間程度2700円」と「土日4時間程度3600円」の2区分を設ける経過措置を講じている。

▽正規教諭や養護教諭など教職員が病気休暇、産前・産後休暇、育児休業等による長期の休暇を取得した場合、その代替を正規教職員で補完することは、教職員の定数管理上から不可能である。その代替として期限付教職員等で対処されているが、これらの人材不足によって必ずしも充足されていない状況にあり、学校運営において支障が生じている。ついては、不定期な人事案件を補うために、定年退職教職員の活用もできるよう、制度を見直してほしい。また、人材確保が困難な地域への配慮や欠員補充に対応するため、再任用職員の給与等の処遇改善を図っていただきたい

〈回答〉

 定年退職教職員の活用については、本年7月1日から期限付教諭等の任用の取扱いを見直し、道教委の再任用制度の対象となる者を除き60歳以上の人の任用を新たに可能とするとともに、年度中途の欠員補充や年度末まで継続見込みの場合の病気休職代替にも再任用職員を任用できる旨、あらためて通知した。

 再任用職員の給与の在り方については、元年の人事委員会報告において、「今後の国における定年の引き上げに向けた検討状況を注視しながら、道内民間企業の動向や道における再任用職員の勤務実態を踏まえ、引き続き検討を進めていくこととする」としており、国や他都府県の動向も注視しながら、所要の検討を進めていきたい。

▼学校給食用物資に対する国庫補助の維持・継続

▽牛乳等に対する補助制度の維持・継続および米飯給食推進の新たな施策について国に要望いただきたい

〈回答〉

 学校給食用牛乳に対する国庫補助については、輸送条件が不利な地域への供給支援や消費量の拡大等のための補助が行われている。

 また、学校における米飯給食の推進については、週3回以上の実施が目標とされている。

 道教委としては、学校給食用牛乳や米飯等の学校給食用物資にかかる施策を充実するよう、引き続き国に要望していきたい。

▽就学援助が必要な児童生徒への学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)の作成等に要する経費の財政措置について国に要望していただきたい

〈回答〉

 学校給食のアレルギー対応について、就学援助が必要な児童生徒への学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)の作成等に要する経費の財政措置を引き続き国に要望していきたい。

▼義務教育教科書の無償給与制度の継続

 義務教育諸学校に在学する児童生徒に対する教科用図書の無償給与制度を継続するよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 義務教育教科書の無償給与制度の存続については、これまでも国に対し要望してきており、引き続き、要望していきたい。

▼へき地教育の振興

▽スクールバスの購入費補助限度額を引き上げるとともに、対象となる通学距離(児童4㌔㍍以上、生徒6㌔㍍以上)の緩和および、登下校時における児童生徒の安全確保の面からスクールバスの利用が有効であるため、へき地、学校統合等に限らず、バス購入にかかる補助要件の緩和についても国に要望していただきたい

▽最近、中・大型バスの需要が増えてきており、年度内納車が難しいケースも出てきていることから、スクールバス購入費については、会計年度をまたがる補助申請を可能にするなどの対策を要望していただきたい

〈回答〉

 スクールバス購入費の補助限度額の引き上げや、バスの発注から納品までの期間が長期化していることへの対応など、児童生徒の通学手段を確保するための施策を充実するよう、引き続き、国に要望していきたい。

▽道立高校の募集停止に伴い、地元から高校がなくなり遠距離通学となる場合は、生徒の修学機会の確保と併せて保護者の経済的負担軽減を目的として、町単独で実施している通学費の補助について交付税措置が図られるよう国に強く要望していただきたい

〈回答〉

 多くの市町村が、通学費等の補助やスクールバスの運行等、生徒に対する通学支援を行っていただいていることは、道教委としても承知している。

 道教委では、これまでも、市町村が実施する通学費補助やスクールバスの運行に対する財政措置について、国に要望してきた。今後とも、引き続き要望していきたい。

 また、過疎地域自立促進特別措置法の対象となる市町村では、市町村が行う通学支援の取組について、過疎対策事業債を財源とすることが可能であり、この場合、元利償還費の70%が基準財政需要額に算入されるので、こうした取扱いについても、引き続き、市町村に情報提供していきたい。

▽へき地教員住宅の必要事業量の確保とへき地教員住宅の長寿命化・質的改善等の改修工事および関連経費等(解体工事費、用地購入費、宅地造成費等)を補助対象とされるよう、国に要望していただきたい

〈回答〉

 道教委では、国に対し令和3年度国の施策および予算に関する提案・要望において、公立学校施設の整備にかかる必要な財源・事業量の当初予算での確保や補助要件の緩和など施策の充実を要望しており、引き続き、その実現に向け取り組んでいきたい。

▼幼稚園教育の振興

▽公立幼稚園教職員の給与費に対する補助の制度化について国に要望していただきたい

〈回答〉

 現在、国では、財政健全化の観点などから、経済・財政の一体改革に取り組む中で、各種施策の見直しなどが進められており、公立幼稚園の教職員給与費に対する国庫補助金制度の新設については、実現が極めて難しい状況にあると思われるが、道教委としては、今後の推移を注視しながら対応していきたいと考えている。

▽幼稚園施設整備費の交付金算定割合、建築単価の引き上げを図るよう、国に要望していただきたい

〈回答〉

 公立学校施設整備にかかる建築単価については、2年度に約11・1%増額されたが、依然として実施単価とのかい離がある。

 道教委では、国に対し3年度国の施策および予算に関する提案・要望において、公立学校施設の整備にかかる必要な財源・事業量の当初予算での確保や補助要件の緩和等施策の充実を要望している。引き続き、その実現に向け取り組んでいきたいと考えている。

▽幼稚園設置基準の1学級の幼児数が7年度から、40人から35人以下に改善されたが、さらに改善されるよう、国に要望していただきたい

〈回答〉

 1学級当たりの幼児数の引き下げについては、引き続き国に要望していきたいと考えている。

▽教職員定数の3歳児保育への複数配置、養護教諭および事務職員の必置について、幼稚園設置基準を改善するよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 3歳児保育への教諭複数配置および養護教諭の必置等にかかる幼稚園設置基準の改善については、地方交付税において新たな財源措置が伴うものと考えられるが、現在、国では、財政健全化の観点などから、経済・財政の一体改革に取り組む中で、各種施策の見直しなどが進められており、道教委としては、今後の推移を注視しながら対応していきたいと考えている。

▽子ども・子育て新システムにおける市町村事業主体での施設整備に対する補助制度の確立について国に要望していただきたい

〈回答〉

 子ども・子育て支援新制度下においても、公立幼稚園および公立保育園から移行した幼保連携型認定こども園の幼稚園部分の施設整備に対しては、新制度施行以前に幼稚園に対して行われてきたのと同様の支援が行われている。

▼公立文教施設の整備促進

▽新増改築等、文教施設整備に対する必要事業量の確保と事業の早期採択を国に要望していただきたい

〈回答〉

 道教委では、国に対し3年度国の施策および予算に関する提案・要望において、公立学校施設の整備にかかる必要な財源・事業量の当初予算での確保や補助要件の緩和など施策の充実を要望している。引き続き、その実現に向け取り組んでいきたい。

▽学校施設環境改善交付金事業の大規模改修事業にかかる財政支援の充実と交付金の引き上げについて国に要望していただきたい

①大規模改修事業については、実施事業費による補助としていただきたい

②大規模改修事業は、内部改造、外部改造をセットで実施することとされているが、老朽化の進度が内部と外部では違うため、単独で実施できるようにしていただきたい

③大規模改修事業の補助要件が単年度事業費7000万円となっているが、限度額を下げていただきたい

④設備の改修について、単独で実施できる補充メニューを新設していただきたい(空調を除く)

⑤長寿命化改修に当たっては、棟ごとに改修できるようにしていただきたい

〈回答〉

 道教委は、国に対し3年度国の施策および予算に関する提案・要望において、公立学校施設の整備にかかる必要な財源・事業量の当初予算での確保や補助要件の緩和など施策の充実を要望している。①から④までの要望について、引き続き実現に向け取り組んでいきたい。なお、長寿命化事業の工事内容については「原則として建物1棟全体(内部・外部共)を長寿命化する全面的な改修工事を対象とする」とされている。

▽学校施設は、児童生徒が1日の大半を過ごす場所であるほか、災害時の地域住民等の避難場所とされているため、早期に耐震化が一層推進できるよう施策の充実と必要な財源措置を国に要望していただきたい

▽耐震化が必要なIs値0・3以上0・7未満の公立学校施設についても、補助率の引き上げや地方交付税による財政支援の充実を図るとともに、耐震診断のみについても交付対象とされるよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 公立学校施設は、児童生徒等が長い時間を過ごす学習の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難所としての役割を果たすことから、その安全性の確保は極めて重要な課題となっており、道教委では、国に対し3年度国の施策および予算に関する提案・要望において、学校施設の耐震化にかかる必要な財源の確保や補助要件の緩和等施策の充実を要望する。引き続き、その実現に向け要望していきたい。

▽学校施設の非構造部材の耐震対策にかかる財政支援は算定割合3分の1、下限額400万であるが、1校当たりの事業費は下限額を下回ることで市町村の全額負担となるため、財政支援制度の改善を国に要望していただきたい

〈回答〉

 公立学校施設は、児童生徒等が長い時間を過ごす学習の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難所としての役割を果たし、建物の耐震化と同様に非構造部材の耐震対策も極めて重要な課題であることから、道教委では、国に対し3年度国の施策および予算に関する提案・要望において、非構造部材の耐震を進めるための補助要件の緩和や地方財政措置などの支援の充実を要望する。引き続き、その実現に向け要望していきたい。

▽実際の工事に要する経費と国の建築単価のかい離が生じており、市町村の負担が増加しているため、実情に合った建築単価の引き上げを国に要望していただきたい

〈回答〉

 公立学校施設整備にかかる建築単価については、2年度に約11・1%増額されたが、依然として実施単価とかい離がある。

 道教委では、国に対し3年度国の施策および予算に関する提案・要望において、公立学校施設の整備について、補助単価の引き上げなど施策の充実を要望する。引き続き、その実現に向け要望していきたい。

▽学校給食施設整備にかかる施策(ドライ化等)の一層の充実が図られるよう国に要望していただきたい

〈回答〉

 学校給食施設・設備については、ドライシステム化の整備等にかかる施策の充実について、引き続き、国に要望していきたい。

▽学校給食設備の更新には多額の費用を要することから、更新にかかる補助制度の創設を国に要望していただきたい

〈回答〉

 学校給食施設・設備については、学校施設環境改善交付金によって計画的に整備を行っている。道教委としては、給食設備の更新にかかる補助制度を創設するよう、引き続き国に要望していきたい。

▽理科教育等設備整備費について、全額国庫負担にすることを含め、補助率の引き上げを国に要望していただきたい

〈回答〉

 学校教育設備の整備・充実を図るため、理科教育設備整備費等補助金にかかる財源措置の拡充を引き続き国に要望していきたい。

▼就学援助費補助金の拡充

▽要保護児童生徒に対する就学援助費の補助率の引き上げ等を図るよう国に強く要望していただきたい

〈回答〉

 道教委では、市町村が必要な就学援助を行えるよう、補助金や地方交付税による財源措置の拡充について、これまでも国に要望しているが、市町村の認定要件や援助項目に違いがあることから、国においてガイドラインを策定することを含めて、引き続き要望していきたい。

▼教員養成・研修体制充実

▽道立教育研究所研修事業に小中一貫教育に関する内容を追加し、小中一貫教育を推進している自治体の教員や積極的に研修を受講したい教員の受講が可能となるようにしていただきたい

〈回答〉

 道立教育研究所では、現在、道立教育研究所と市町村教委が連携して研修講座を設定する市町村教委連携研修講座を実施し、その中で、小中一貫教育の推進を取り上げており、また、道立教育研究所における学校経営・学校経営参画に関する研修や、へき地・小規模校教育に関する研修の一部において、小中一貫教育の推進に資する内容を取り上げている。

 学習指導要領の改訂や、本道の様々な教育課題に対応した研修の実施が必要となっている中、小中一貫教育のみに特化した研修を新設することは難しい状況にある。引き続き、研修の一部で取り上げるなど、小中一貫教育の推進に資する研修の実施に努めていく。

▽小中一貫教育にかかる9年間の教育課程について、道教委において、例えば、全道もしくはブロックごとにカリキュラムの共同開発などを行える体制を構築するなど、カリキュラム開発・研究の支援体制を充実していただきたい

〈回答〉

 道教委では、2年3月に小中一貫教育を導入する際に参考となる事例やQ&Aをまとめた『北海道における小中一貫教育について』の改訂版を作成し、市町村教委へ配布した。

 2年度から、義務教育学校や小中一貫型小学校・中学校を設置予定または設置している市町村教委およびその学校を対象として、地域の実情に応じた小中一貫教育の導入および円滑な実施への取組を支援する小中一貫教育サポート事業を実施しており、本年10月ころには指定地域の教育委員会や指定校を対象に、9年間を見通した特色ある教育課程や小・中学校教員相互の乗り入れ授業、円滑な導入のための手立てや配慮事項に関する先進校の実践発表などを取り入れた研修会を開催する予定である。

 今後も、小中一貫教育の先行事例等を市町村教委に情報提供するとともに、義務教育指導監や指導主事による学校訪問等で各校の取組を支援していきたい。

(道・道教委 2020-09-15付)

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