旭川市教委　ＧＩＧＡスクールの取組　外部人材入れチーム設置　４年度　端末持ち帰り試行も

（市町村 2020-10-02付）

　【旭川発】旭川市教委は、ＧＩＧＡスクール構想の取組について、ＩＣＴ活用推進に当たり年内に外部人材を含めたプロジェクトチームを設置するほか、端末の家庭への持ち帰り使用について、令和４年度から試行的に取組を進めていく。通信環境と全児童生徒のタブレット端末購入に関しては、すでに予算措置して契約済み。来年４月からの運用に向けて準備を進めている。

　９月１８日の第３回定例市議会一般質問で、上村有史議員（自民党・市民会議）の質問に対し、市教委から黒蕨真一教育長と山川俊巳教育部長が答弁した。

　ＩＣＴ活用を踏まえた教育推進計画の策定についての質疑では、国や道が策定する推進計画を踏まえ、「学校等の実態や、身に付けさせたい資質・能力、系統的な指導や円滑な運営などについて、教員や高等教育機関、研究機関の意見などを参考にしながら準備を進めていく」とした。

　ＩＣＴ支援員配置について、人材や財源の確保等に課題がある一方、ハード面の円滑な運用のみならず、教員の授業設計を支援する上でも「効果的な取組の推進には欠かせない」と説明。先行自治体や関係団体等から情報を得ながら、支援員配置などの手法を検討する考えを示した。

　学校全体で計画的・組織的に推進するための体制づくりについては、校長のリーダーシップのもと、校内にＩＣＴ活用推進リーダーを中心としたチームを組織。計画の検討や組織的な推進体制の構築、指導や運営にかかる校内研修の実施など、全校体制で推進していく方向性を示した。

　今後は推進リーダーを対象とした研修会や、管理職向けの研修会を開催。このほか、指導主事の派遣など、各校の体制づくりに寄与していくとした。

　加えて、学校での取組を継続的に支援できる組織づくりの必要性を強調。市や各学校の円滑な運用や効果的な指導などについて協議や助言するため、現場の教員や外部人材で構成するプロジェクトチームを年内に設置する予定を伝えた。

　ＩＣＴ活用による教育改革の考え方を問われた黒蕨教育長は「ＩＣＴを活用した教育の推進は最も重要な施策の一つ」との認識を示し、「ハード面はもとより、推進計画の策定、教員研修の充実、学校の取組を支援する専門的なサポート体制の整備、保護者の理解の促進などソフト面についても並行して取り組み、ＩＣＴを活用した教育推進のための体制を構築していきたい」と述べた。

　また、タブレット端末の持ち帰りについて、「家庭においても自由に使うことができるよう環境を整えることが望ましい」としつつ、現状では発達の段階に応じた機器の操作や情報の活用スキルの習得、持ち帰り時のルールや手続きの整備、破損、紛失した際の対応、保護者の理解、通信費の負担の在り方など、数多くの課題があることを指摘。

　まずは臨時休業時など緊急時の端末等の貸し出しや、ハード・ソフト両面の体制構築に取り組み、課題を整理した上で「できるだけ早期に端末の持ち帰りを可能とするため、４年度から試行的な取組を進められるよう、鋭意努力していく」と答弁した。

(市町村 2020-10-02付)