道議会質疑 臨時文教委員会(令和2年8月18日)
(市町村 2020-10-06付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼檜垣尚子委員(自民党・道民会議)

▼木葉淳委員(民主・道民連合)

▼池本柳次委員(北海道結志会)

【答弁者】

▼小玉俊宏教育長

▼志田篤俊教育部長

▼赤間幸人学校教育監

▼小松智子学校教育局長

▼山本純史学校教育局指導担当局長兼ICT教育推進局長

▼塙浩伸高校教育課企画・支援担当課長兼健康・体育課高校総体担当課長

▼川端香代子義務教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長

▼藤田善治健康・体育課長

▼伊藤伸一生徒指導・学校安全課長

◆コロナ対策 教育活動継続

Q檜垣委員 各学校では臨時休業の長期化による学習の遅れを取り戻すため、時間割編成の工夫や長期休業期間の短縮、土曜授業の実施などを効果的に組み合わせることによって、授業時数を確保することとしていると承知している。実際に夏季休業期間中に登校日を設定した学校は、全道でどの程度あり、何日程度確保したのか、また、年度末までに学習内容を指導できる見通しについて、道教委の見解を伺う。

A小松局長 授業時数の確保などについて。本年度の夏季休業期間中に登校日を設定した学校は、小・中学校および高校についてはほぼ100%、特別支援学校については約8割となっており、小学校では8日程度、中学校および高校は9日程度、特別支援学校は5日程度、各教科の授業などを行っている。

 また、多くの学校では、学校行事の重点化や冬季休業期間中の登校日の設定など、授業時数の確保に向けた取組を引き続き行うこととしており、学習指導要領に示されたすべての内容を本年度中に指導できる見通しであると承知している。

Q檜垣委員 学校では、体育の授業や身体的距離が確保できる場合以外にも熱中症などの健康被害が発生する可能性が高いと判断した場合には、マスクを外すよう対応するなど、熱中症への対応を優先させている。マスクを外す以外にどのような熱中症対策をしているか伺う。

A藤田課長 学校における熱中症対策について。本道においても、気温上昇に伴い、部活動や体育の授業などにおける熱中症事故が例年発生している。特に、ことしは夏季休業期間中の登校日が設定されていることもあって、熱中症が命にかかわる危険があることを踏まえ、万全の予防対策を講じることが必要だと認識している。

 そのため、気温、湿度などの環境条件に配慮し、教室内でも、必要に応じて水分を補給できるよう水筒を持参させ、特に運動中は、小まめに水分や塩分を補給し休憩を取るとともに、児童生徒等の健康観察を小まめに行うなど、健康管理を徹底することについて学校および市町村教委に周知している。

Q檜垣委員 文部科学省が8月6日付で衛生管理マニュアルを改訂している。主な改定点について伺う。

A小松局長 マニュアルの主な改訂点について。学校施設の清掃および消毒については、一時的な消毒の効果を期待するよりも、清掃によって清潔な空間を保ち、健康的な生活によって児童生徒等の免疫力を高め、手洗いを徹底することの方が重要とされ、通常の清掃活動の中に消毒の効果を取り入れるよう、新型コロナウイルス対策に効果ある家庭用洗剤等を用い、発達の段階に応じて児童生徒が作業を行ってもよいこと、その際には、スクール・サポート・スタッフや地域の協力を得て実施することも考えられること、清掃活動とは別に消毒作業を行うことは、感染者が発生した場合でなければ基本的には不要であること、消毒作業を実施する場合は、極力教員ではなく外部人材の活用や業務委託によって、教員の負担軽減を図ることが重要であることなどとされた。

 マスクについては、これまで常時着用することが望ましいとされていたが、身体的距離が十分に取れない場合には着用すべきとし、登下校も含め、気温、湿度や暑さ指数が高い場合はマスクを外すよう指導することと変更されている。

 学校の臨時休業については、児童生徒等の感染が確認された場合でも、濃厚接触者の特定に時間を要しない場合や、濃厚接触者がいないなどの場合には、必ずしも臨時休業する必要がないことが明記された。

 道教委としては、家庭の理解と協力を得ながら、学校における新しい生活様式が定着するよう、保護者に対しても改訂のポイントについて周知していく。

Q檜垣委員 道教委は、新型コロナウイルス感染症の影響による学習の遅れを見通し、本年度の高校入試の出題範囲から除外する学習内容について通知したと承知している。

 入試の出題範囲以外の学習内容が生徒に十分に定着しないまま卒業することが懸念されるが、道教委としての見解を伺う。

A小松局長 中学校の最終学年における学習指導について。道教委では、臨時休業が長期化したことによる影響を考慮して、令和3年度の公立高校入学者選抜における学力検査に関し、出題範囲から除外する学習内容を定めて、7月に受検者および保護者に周知した。

 入学者選抜の出題範囲から除外されたとはいえ、今回、除外された学習内容も含め、学習指導要領に示された内容は、すべての生徒に確実に指導することが必要であることから、生徒が学ぶ意義を理解しながら学習に取り組み、卒業時までに義務教育段階で必要な学力をしっかりと身に付けることができるよう、引き続き学校訪問等を通じて、各中学校に指導していく考えである。

Q檜垣委員 今後、感染が拡大していき、児童生徒が感染した場合、学校や市町村教委、道教委はどのような対応をするのか伺う。

A小松局長 児童生徒が感染した場合の対応について。校長は、当該児童生徒に対して、治癒するまでの期間、出席停止の措置を講じるほか、感染者の行動履歴の把握や濃厚接触者の特定等のため、保健所が行う調査に市町村教委とともに協力し、保健所の調査によって、学校内で感染が広がっている可能性が高いと判断した場合は、市町村教委は保健所や学校医の助言などをもとに、学校の全部または一部の臨時休業を行うほか、保健所や学校薬剤師などと連携し、適宜校内を消毒することになる。

 道教委では、学校関係者の感染または濃厚接触者の発生を確認した段階から、市町村教委が不安なく、適切な対応を講じることができるように、随時、助言するほか、必要に応じ、学校などに職員を派遣するなどして、感染者が発生した市町村や学校を支援することとしている。

Q檜垣委員 今後、新型コロナウイルスの感染状況によっては、学校を臨時休業とすることが予想されるが、地域で感染が拡大した場合、以前のように全道一斉の臨時休業を実施するのか伺う。

A赤間学校教育監 感染が拡大した場合の対応について。国の衛生管理マニュアルでは、感染が拡大した場合に講じられている緊急事態措置は都道府県単位で行われるものの、学校教育活動の実施の可否や在り方は、児童生徒等の生活圏におけるまん延状況によって判断することが重要であり、教育委員会は、都道府県単位の緊急事態宣言措置を前提としつつも、児童生徒等や教職員の生活圏がどのようなまん延状況にあるかを把握し、児童生徒等の学びを保障する観点から、どのような対応が可能か、必要に応じ自治体の首長とも相談し、地域ごとにきめ細かに対応することが必要とされている。

 従って、臨時休業の範囲については、こうした地域や学校、生徒の活動等の実情に応じて判断することとなるものと考えている。

Q檜垣委員 国内外の感染状況を見据えると、新型コロナウイルス感染症については、長期的な対応が求められることが見込まれる状況である。児童生徒等の学びを保障していくため、学校における感染およびその拡大のリスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続していく必要がある。

 道教委として、今後、児童生徒が安全・安心に学校生活が送れるよう、どのように取り組むのか伺う。

A小玉教育長 学校の教育活動の継続のための取組について。新型コロナウイルス感染症への対応は、感染症対策を徹底しても感染リスクはゼロにすることはできないという事実を前提としながら、感染およびその拡大のリスクを可能な限り低減しつつ教育活動を継続し、子どもの健やかな学びを保障していくことが必要である。

 道教委としては、引き続き、学校において3つの密を徹底的に回避するほか、手洗いやせきエチケット、児童生徒および教職員の健康観察、適切な睡眠、運動、食事によって抵抗力を高めるための指導などの基本的な感染症対策を実施するよう学校の新しい生活様式について、十分な周知を図るとともに、今後は、児童生徒の健康管理や校内の消毒などを行うスクール・サポート・スタッフの配置、衛生用品、オンライン資機材の確保などによって、感染症対策のための環境整備にも取り組んでいく。

 また、感染に関する新たな情報や知見が得られた場合には、感染対策を随時見直しながら、子どたちが安心して学び、学校生活を送ることができるよう、学びを止めない、心をつなぐ学習が保障されるよう、しっかりと取り組んでいく。

O檜垣委員 これから季節が変わり、インフルエンザなどの他の感染症の心配も出てくる。この先、新型コロナウイルスがどのようになっていくのか予測できないところもある。子どもたちの生活スタイルも着実に変わってきている。

 学びを止めないにも、今までとは違う学校の新しい生活様式が当たり前になっていくように、現場の教職員、保護者とも情報共有、意識共有をお願いする。

◆コロナ対策臨時休業等

Q木葉委員 2月26日、知事および道教委は各市町村教委に対して、2月27日から3月4日まで、小・中学校、特別支援学校の臨時休業を要請した。要請決定に当たり、どのような議論が行われたのか、道教委としての意見は臨時休業を行うべきということだったのかといった考え方も含めて、議論の経過について伺う。

A小松局長 道の臨時休業の要請について。道が休業要請を行う前の2月18日に出された国からの通知では、学校保健安全法に基づき、児童生徒等が新型コロナウイルス感染症に感染した場合、都道府県等は、公衆衛生対策の観点から必要であると判断した際には学校の臨時休業を要請するとされていた。

 この通知を踏まえるとともに、道内においては、2月21日以降、児童生徒や学校関係者の感染が相次いで確認され、保護者等から不安の声が上がったことなどを考慮して、2月25日の感染症危機管理対策本部会議で、知事から道教委に対し、学校の一斉臨時休業の検討が要請された。

 道教委としては、この要請を受けて、集団による感染の拡大を防止し、児童生徒の体力の保持回復や教職員の健康管理を行うなど学校における対策の充実を図ることが必要と判断して、1週間の期間、市町村教委に対して、小・中学校の臨時休業を要請した。

P木葉委員 結果として、道が行ったこの休校が全国のモデルになったのではないか。

 当初、知事の要請を受けて1週間、臨時休業の措置を行った。本当にこの時期がよかったのか、標準授業時数をクリアした学校から春休みを早めに取るという対応もあったのではないかと考えている。全道一斉や1週間の根拠がはっきりしない部分がある。何より、唐突だったという感じが否めない。

 学校現場から、休校するに当たって準備する時間が欲しかったという声が多数上がっていた。

 子どもたちと直接向き合っている現場と連携を取る必要があったのではないかということを指摘させていただく。

Q木葉委員 2月27日、首相が3月2日から春休みまでの小・中・高・特別支援学校の臨時休業を要請した。北海道はすでに臨時休業に入っていたこともあって、結果として全国で一番長い臨時休業期間となった。1ヵ月もの長期間、突然の長期休業がもたらす影響について、どのような議論が行われ、その対策として道教委が行った取組について伺う。

A小松局長 臨時休業の延長を踏まえた対応について。国からの要請によって、臨時休業の期間が年度末休業開始までと長期に及ぶことになったことから、道教委としては、学習の遅れに対応するため、各学校が実情に応じて活用できる家庭学習用の教材を提供した。

 また、生活や学習に関する児童生徒や保護者の不安や悩みに応えられるよう、分散登校を実施し、児童生徒の心身の健康状態や学習状況を把握し、適切に指導などを行うよう通知するほか、各学校への相談窓口の周知などについて、市町村教委と連携して取組を進めた。

P木葉委員 道教委として、本道の子どもたちの健やかな成長を思い描き、1ヵ月休業となる影響について事前に議論したということに対する答弁がなかったように思う。

 学校現場の思いや願い、子どもたちの健やかな成長を想像した対応とは感じ取れない。もっと学校現場との連携を取るべきであったと強く指摘させていただく。

Q木葉委員 4月16日に国の緊急事態宣言が発表されるまでの間、独自に臨時休業措置を取る自治体もみられた。道教委として、2月時点の臨時休業の判断との対応の違いについて、どのような議論が行われて、自治体ごとの対応となったのか伺う。

A小松局長 4月の学校再開後の臨時休業について。文部科学省において4月1日に改訂された新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドラインは、同日の国の専門家会議における、学校の休業は地域や生活圏ごとのまん延状況を踏まえて検討することとした提言を受けたものであって、この中で、地域の感染状況に応じ、自治体の首長が地域全体の活動自粛を強化する一環として、学校の臨時休業を要請する考え方が示された。

 これに基づいて、一部の市町村では、それぞれの地域、生活圏のまん延状況等を踏まえ、保健所等との協議を行い、臨時休業を行ったものと承知している。

O木葉委員 国の通知を受けてということだが、学校の実態に基づいて、道が主体的に判断してもよかったのではないか。

Q木葉委員 各学校において分散登校等の措置が行われた。同じ市町村内の学校においても、登校等の対応の違いがみられた。道教委と各市町村教委との間では、どのような議論が行われて学校ごとの対応に至ったのか、判断理由について伺う。

A川端課長 6月からの学校再開に向けた対応について。臨時休業期間中における分散登校の実施などについては、4月20日付および5月4日付で各市町村教委および学校に通知するとともに、各教育局、全道市町村教委とのオンライン会議を開催し、情報共有に努めてきた。

 その中で、臨時休業期間中の登校日は児童生徒の心身の健康状況や学習状況の把握等を目的として実施するとともに、5月18日以降は、週ごとに分散登校を増やすなど、段階的に学校教育活動を再開できるよう準備することとした。

 これは、市町村教委および学校から、それぞれの地域、学校における感染状況や学習環境は異なる実情も示されていたことから、全道一律の対応とはしなかったものであって、地域や学校ごとに分散登校の日数等を検討し、実施したものと承知している。

O木葉委員 それぞれの学校が手探りで取り組んでいるという声が非常に多く聞かれていた。校長会などが中心となって、各学校の取組状況を把握し、連携を取るといった実態も知ることができた。道としても、各学校の実態を適宜把握して、リードする部分がもう少しあってもよかったのではないか。

Q木葉委員 感染レベルによって行うことができる教育活動に制限があるという状況となっている。感染レベルは1から3段階まであるが、現時点でどの段階であるのか認識を伺う。また、感染リスクが高い学習活動の実施の判断は誰が行うのかということについて伺う。

A川端課長 地域の感染レベルを踏まえた教育活動について。現在、札幌市を除く市町村は、新規感染者が出ていないか、一定程度確認されるものの、感染拡大傾向にあるとまでは言えないことから、レベル1の行動基準に基づくものと考えており、札幌市においては、引き続き感染経路が不明な感染者が一定程度発生しており、注意を要する状況が継続していることから、レベル2の行動基準に基づくものと考える。

 感染症対策を講じてもなお感染リスクが高い学習活動については、地域における感染状況を踏まえながら、各学校が換気、身体的距離や手洗いなどの感染症対策を行った上で実施することを慎重に検討し、判断することとなっている。

P木葉委員 札幌以外の地域はレベル1とのことだが、感染リスクが高いとされる学習活動については、各学校が判断してよいということが現場に伝わっているのか。学校現場では、感染リスクが高いとされる学習は行わないようにと伝わっているが、いつから行ってよいという連絡を待っている校長もいた。各学校で判断してよいと周知する必要があることを指摘させていただく。

◆コロナ対応 行事等の扱い

Q木葉委員 道教委は、教育旅行の実施について、行き先を道内が望ましいとする要請を行ったと承知している。学校現場では、次年度に向けた計画を立てていかなければならない。次年度においても、本年度同様の対応を求めていくのか。運動会や体育祭、学芸会、文化祭といった行事について、どのような対応を求めるのか伺う。

A赤間学校教育監 学校行事について。道教委としては、修学旅行は、安全・安心の確保と教育的意義の向上を図りながら実施されることが重要であると考えており、次年度以降についても、国内の感染状況等を注視しつつ、市町村の実情を踏まえ、適切に実施されるよう指導助言していく。

 学校行事の実施に当たっては、地域の感染状況を踏まえ、体育的な行事については、児童生徒が密集する種目や近距離で組み合ったりする種目を実施しないことを検討すること、文化的行事については、児童生徒の接触、密集、近距離での活動、向かい合っての発声を避けた内容や方法を検討した上で実施することなどに留意して判断するよう求めており、今後も引き続き、適切に実施されるよう指導助言していく。

P木葉委員 教育旅行については、本年度、行き先を道内とする通知が出た。教育旅行は、子どもたちが事前に学習して臨むものであり、教育課程とも大きくかかわっていく。体育的行事や文化的行事についても、次年度の計画と大きくかかわる。感染状況を踏まえて、各学校で判断できることだと思うが、早期にこうしたことも周知する必要があることを指摘させていただく。

Q木葉委員 生徒指導、心のケアにかかわり、電話相談について、前年比で減少している。また、不登校について、学校再開後はどのような状況にあるのか伺う。

A伊藤課長 生徒指導に関する状況等について。学校再開後の6月、7月の2ヵ月間において、道教委が設置している子ども相談支援センターに寄せられた電話相談の件数は約500件と、前年度同期と比較し約5%減少しており、相談内容をみると、いじめや教職員の指導に関する相談が特に減っていることから、再開後の学校において、入学、進級後の友達や教員との新しい人間関係が始まったばかりであることや、子ども一人ひとりの様子を見守り、きめ細かな指導に努めていることなどが、相談件数全体の減少につながったのではないかと考えている。

 不登校については、4月から7月までの間、授業日数が例年より少なかったにもかかわらず、10日以上欠席した児童生徒が前年度と同程度みられており、2学期以降に不登校となる児童生徒が増加することが懸念される。

 今後も、道教委としては、各学校において、不登校の初期段階から組織的に児童生徒を支援することができるよう、児童生徒理解・支援シートの活用を促進するとともに、スクールカウンセラー等の派遣などによる教育相談体制の充実に努めていく。

O木葉委員 分散登校で授業を行った複数の教員から聞いたが、一人ひとりの子どもたちに丁寧に指導することができたとどの教員も話していた。1学級の人数を少なくしていくことで、子どもたちの学びを保障し、不安を解消できるのではないか。少人数学級のさらなる推進に向け、尽力いただければと考えている。

Q木葉委員 部活動について、中学校、高校の3年生にとっては、目標としていた大会がなくなっていく中、代替大会を実施しているという話を聞いている。現状、代替大会を実施できている競技は何競技あって、道教委として、どのように把握しているのか。また、今後予定されている競技の把握状況とともに、道の支援金の申請状況について伺う。

A塙課長 代替大会の開催などについて。8月10日現在、全国高校体育連盟が夏季に開催することになっていた30競技のうち、ソフトボール、ボート、バスケットボール、水泳、ホッケーの5競技について、道内の各競技団体等による代替大会がすでに行われたほか、ウエートリフティングなど5競技についても、今後、代替大会もしくはそれに準ずる大会の開催を予定または計画しており、これに伴う大会運営にかかる補助金の申請も順次受け付けている。

 なお、身体接触が多く、感染リスクの回避が困難であるなどの理由で代替大会が行われない競技もあることから、道教委としては、環境生活部や各競技団体等と連携を図り、オンラインで競技力や意欲などをプレゼンする取組や、パネル展、交流イベントを開催するなど、部活動に熱心に取り組んできた卒業学年の生徒たちに努力の軌跡を道民と共有できる機会を創出していく。

O木葉委員 代替大会が行えない競技については、子どもたちの思いや努力が少しでも反映されるよう、他県の動向も踏まえ、積極的に機会の創出に当たっていただきたい。

Q木葉委員 各学校では、夏休み等も課業日として、臨時休業時の学習内容の回復に努めている。現段階でどの程度まで学習内容を回復できていると把握しているのか伺う。

A川端課長 授業時数の確保について。本年度の夏季休業期間中、平均すると、小学校は8日程度、中学校および高校は9日程度、特別支援学校は5日程度、それぞれ登校日を設け、各教科の授業などを行っている。

 授業時数の具体的な状況については、地域や学校によって異なるが、多くの学校では、学校行事の重点化や冬季休業期間中の登校日の設定など、授業時数の確保に向けた取組を引き続き行うこととしており、学習指導要領に示されたすべての内容を、本年度中に指導できる見通しであると承知している。

O木葉委員 学校に伺ったところ、余時数が10から20時間確保できていて、インフルエンザ程度の休業であれば対応できるという学校が多かった。一方、時数の確保が優先されていて、授業のスピードがすごく速くなっているという感じているという子どもがいた。子どもたちの負担となるようなことになってはいけない。標準授業時数の達成だけが目標となることのないよう、あらためて各学校に連絡していただければと考える。

◆コロナ対応 ICT環境

Q木葉委員 国によるGIGAスクール構想の取組が前倒しとなり、各自治体で1人1台の端末や学校の無線LAN環境の準備が進んでいる。

 仮に本年度中に、再度臨時休業があった場合、オンライン授業に対応できる市町村はどの程度あると把握しているか伺うとともに、道教委が想定する環境設備の具体的な内容を伺う。

A山本局長 ICT環境の整備などについて。道教委の調査では、動画投稿サイトを活用して授業等の動画を配信した学校は、小学校で10%、中学校で12%、オンライン会議サービス等を活用した双方向による授業や、コミュニケーションを実施した学校は、小学校で9%、中学校で15%であり、臨時休業後にICT環境が整っていない家庭への支援としてモバイルルーターを購入した市町村はあるものの、1人1台端末は、今後の整備となるケースが多く、ICT環境が十分に整ったとはまだ言えない状況である。

 現在、道教委では、学校、家庭のICT環境の整備に向け、小・中学校、高校、特別支援学校計8校を対象にオンライン学習導入モデル事業を実施しており、通信端末の確保の難しい家庭へのモバイルルーターの貸し出し、オンライン学習における効果的な指導方法の検証などの実証研究を踏まえて、その効果を全道に広く普及することによって家庭でのオンライン学習の機会が確保され、児童生徒の学びが保障されるよう努めていく考えである。

O木葉委員 タブレット端末を購入する予定だが、本年度中に間に合わないという話をされたという自治体があった。オンライン学習が注目されているが、あわてて取り組むのではなく、8校で検証されているので、どうすることが子どもたちにとって一番よいのか、しっかりと検証していただければと思う。

Q木葉委員 国の衛生管理マニュアルが8月6日付で改訂された。校内での特別な消毒を不要とする通知であると承知しているが、夏休み以降、教職員による放課後の特別な消毒は不要ということでよいのか。道教委の認識について伺うとともに、通知ではマスクについても、授業あるいは登下校の身体的距離が取れる場合には外すことを認めている。道としても同様の対応と考えているのか、根拠とともに保護者への周知について考えているのか伺う。

A小松局長 国の衛生管理マニュアルの改訂に伴う対応について。マニュアルでは、学校施設の消毒については、感染者が発生した場合でなければ、机やいすの特別な消毒は不要で、必要に応じて家庭用洗剤等による拭き掃除を行うことや、ドアノブや手すりなど大勢がよく手を触れる場所は1日1回消毒を行うなど、過度な消毒とならないよう十分配慮し、通常の清掃活動の中に、ポイントを絞って消毒の効果を取り入れるなどの工夫が必要であるとされている。

 マスクについては、これまで、常時着用することが望ましいとされていたが、身体的距離が十分に取れない場合には着用すべきと取扱いが変更されるとともに、気温、湿度等が高く、熱中症など健康被害の恐れがあるときは、マスクを外すよう指導することが明記された。

 道教委では、改訂後のマニュアルについて、すでに市町村教委に通知した。保護者に対しても資料を作成、配布し、理解を深めていただくこととしている。

D木葉委員 すでに学校が始まっているところもある。早急に各学校、保護者に周知をお願いしたい。

Q木葉委員 道内の自治体において、外国語活動を支援するALTが来日できないなど、教育活動への影響が現状あるのかどうか伺う。

A川端課長 小・中学校における外国語活動等について。5月現在、新型コロナウイルス感染症対策による入国制限などのため、ALTが配置できていない道内の学校は、小学校8校、中学校5校となっており、こうした学校については、年間指導計画の見直しや、英語専科教員の活用、中学校英語担当教員による乗り入れ授業などによって対応していると承知している。

 道教委では、デジタル教材等のICT機器の活用や英語が堪能な地域人材を学習指導員として採用するなど、ALTが予定どおりに配置できない場合の学習活動の工夫例について周知している。

D木葉委員 国のALT活用事業によるALTの移動があると承知している。引き続き、こうしたことによる対応もお願いしたい。

Q木葉委員 道新型コロナウイルス感染症対策有識者会議が開催され、これまでの取組の検証がされていると承知している。今後の有識者会議を含め外部の会議との連携や対応について伺う。

A志田部長 今後の外部会議との連携などについて。道では、新型コロナウイルスの感染症対策有識者会議を設置し、本道におけるいわゆる第1波や第2波への学校休業を含めた一連の対応に関するこれまでの課題、それを踏まえた対応の方向を取りまとめ、今後見込まれる第3波以降の対策に速やかに反映することとしている。

 この有識者会議には、教育分野として道教育大学の水上丈実教授も参加しており、学校の休業等に関する意見などもいただいている。

 道教委では、これと並行して、市町村教委、校長会等との意見交換を行っており、ここでの意見や有識者会議における対応方向を踏まえながら、学校における感染症対策を徹底し、万が一、感染が拡大した場合であっても、児童生徒の学びの保障が確実に行われるよう、様々な関係機関と連携して、学校教育活動の充実に努めていく。

P木葉委員 有識者会議では、学校現場と教育委員会との連携を求める意見もあったと聞いている。第3波に向け、しっかりと対応していくことが必要であると指摘しておく。

Q木葉委員 学校休校や子どもたちへの学習課題の提供など、札幌市と道の取組の対応が異なるような部分がいくつかあった。これまでの札幌市との議論の経過および今後の札幌市との連携について、どのように進めていこうと考えているか伺う。

 夏休みが明けて学校が再開する。新型コロナウイルス感染終息は、いまだ見通せず、今後、第3波も予想されている。学習を再開した全道の子どもたち、教職員に向けてメッセージをお願いする。

A小玉教育長 札幌市との連携などについて。道内で初めての感染者を確認した本年1月以降、政令指定都市である札幌市とは、常に情報交換できる体制を整えた。私も、未知のウイルスに関し、迅速な判断が求められる局面に、佐藤前教育長が先頭に立って札幌市との連絡調整に臨んでいる姿を目にしていた。

 4月の道と札幌市の緊急共同宣言を受けての一斉臨時休業に際しても、その都度必要な対応について、市と相談しており、今後も引き続き、連携に努めていく。

 子どもたち、教職員へのメッセージについて。本年6月の学校再開以降、道教委では、国の衛生管理マニュアルに示されている学校の新しい生活様式を踏まえて、子どもたちが安心して学校生活を送るための取組を進めている。

 児童生徒には、いつもより夏休みが短いなどいろいろな我慢をお願いしているが、睡眠、運動、食事をしっかり取り、規則正しい生活を心がけるとともに、学習や行事に存分に励んでいただきたいと考えている。

 教職員には、これまでも子どもたちの健康と安全を第一に考え、教育活動に尽力いただいていることに、心から感謝申し上げる。今しばらくは厳しい状況が続くと思われ、引き続き、子どもたちのため、安全と学びの保障に向けた取組の充実に力添えいただき、学校、地域が一体となって、この難局を乗り越えていただくようお願い申し上げる。

◆コロナ対策 休業判断基準

Q池本委員 新型コロナウイルス感染症が拡大して、第3波の到来が懸念されている中、感染状況によっては、道教委として再び、学校休業の判断をせざるを得ないことが考えられる。

 児童生徒の感染が確認された場合、どのような状況であれば学校の臨時休業を実施するのか、その判断基準はどのようになっているのか。併せて、全校休業の場合、あるいは学年別、クラス単独で行う場合の基準についてもどのようになっているのか示していただきたい。

A赤間学校教育監 臨時休業の判断等について。8月6日に改定された国の衛生管理マニュアルにおいては、児童生徒や教職員などに感染が確認された場合、学校設置者は、保健所による濃厚接触者の範囲の特定や検査に必要な日数などを考慮して、臨時休業を行うこととし、濃厚接触者の特定に時間を要しない場合や濃厚接触者がいない等の場合には、必ずしも臨時休業の必要はないとされている。

 保健所の調査などによって、学校内で感染が広がっている可能性が高いと判断された場合には、学校内の感染拡大の可能性が高い範囲に応じて、学級単位や学年単位、または学校全体の臨時休業とすることが適当と示されている。

Q池本委員 全国各地では、感染経路不明の新型コロナウイルス感染症の陽性者が増えている。終息のみえない不安が募っているときであるからこそ、子どもたちの健康保持と学びの保障の両立に万全を尽くすことはもとより、この逆境を成長のチャンスに変える発想も大切ではないかと思う。

 今後、道教委として、どのように取り組んでいくのか、小玉教育長の決意を伺う。

A小玉教育長 今後の取組について。道教委では、感染リスクを可能な限り低減させながら、学校教育活動を安全に継続できるよう3つの密を避けるなど新しい生活様式の徹底や、児童生徒自らが感染症のリスクを正しく理解し、これを避ける行動を取るとともに十分な睡眠、過度な運動およびバランスの取れた食事を心がけ、抵抗力を高めるよう、きめ細かな指導に努めている。

 学びの保障に向けては、年間指導計画の見直しや、効果的な学習展開方法などについて指導助言するとともに、学習指導員やスクール・サポート・スタッフの適切な配置など、多様な人材の確保に努めている。今後、やむを得ず臨時休業を行わなければならない場合であっても、分散登校などの工夫をしながら、家庭学習をサポートし、学習を継続する体制を確保することとしている。

 こうした取組に加え、私としては、コロナ禍で部活動の集大成の場を失った生徒たちのための晴れ舞台を創出し、夢を追い続ける意欲をあらためて奮い起こすとともに、コロナ禍で顕在化した地域の教育課題、ニーズに応える地域協働型のオンライン学習や教員育成モデルを構築するなど、ピンチをチャンスに変える攻めの展開にも力を注いでいく。

(市町村 2020-10-06付)

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(2020-10-12)  全て読む

施設一体型 義務教育学校開校へ 湧別小・中統合し5年度 町教委 来年度準備委設置

 【網走発】湧別町教委は、湧別小学校と湧別中学校の統合による町内2校目の義務教育学校について、令和5年度に開校予定であることを明らかにした。湧別中校舎を大規模改修するとともに、新たに湧別小と...

(2020-10-12)  全て読む

タブレット220台購入 新篠津村教委 保守担当者公募

 新篠津村教委は、学校情報機器整備事業を公募型プロポーザル形式で公告した。村立小・中学校の児童生徒と教員用にタブレット端末220台を購入し、休校時の遠隔授業や、校外学習での端末使用を想定して...

(2020-10-06)  全て読む

市内全小・中に電気工事業者 サーモセンサー75台 旭川市が感謝状贈呈

旭川市全小中向けサーモセンサー寄贈  【旭川発】旭川市は9月29日、市役所で市内の西山坂田電気㈱に対する感謝状贈呈式を行った。同社は、市内全小・中学校の感染症対策のために非接触型サーモセンサー75台を寄贈。黒蕨真一教育長は「行...

(2020-10-05)  全て読む

旭川市教委 GIGAスクールの取組 外部人材入れチーム設置 4年度 端末持ち帰り試行も

 【旭川発】旭川市教委は、GIGAスクール構想の取組について、ICT活用推進に当たり年内に外部人材を含めたプロジェクトチームを設置するほか、端末の家庭への持ち帰り使用について、令和4年度から...

(2020-10-02)  全て読む

GIGAスクール実現へ計画 授業で端末 週3~4回 3年度 豊頃町教委

 【帯広発】豊頃町教委はGIGAスクール構想実現に向けた計画を策定した。現行、町では小・中学校において3人に1台程度の情報端末を週2~3回程度授業に活用しているが、計画では令和3年度中に小学...

(2020-10-02)  全て読む

図書消毒機1台寄贈 地元建設団体が稚内市図書館に

稚内市建友会・図書消毒機寄贈  【稚内発】稚内市内の建設業者で組織する稚内市建友会(富田伸司会長)は23日、稚内市立図書館に図書消毒機1台を寄贈した。市立図書館で行われた贈呈式で、富田会長が工藤広市長に目録を手渡した。 ...

(2020-09-30)  全て読む

檜山管内GIGAスクール対応状況 全町が年度内に端末導入 ネット環境も所要の対応完了へ

檜山管内7町のGIGAスクール構想対応状況一覧  【函館発】檜山管内の各町における、GIGAスクール構想への対応状況がまとまった。端末については全7町が年度内に導入する予定で、全小・中学校の児童生徒分を整備するとしている。校内ネット環境に...

(2020-09-30)  全て読む