東神楽小・忠栄小2年道徳合同授業 空間共有 臨場感を体験 東神楽町教委 オンラインで
(市町村 2020-11-11付)

東神楽町独自システム遠隔授業・上
山本町長(左)が安井社長に感謝状を贈呈

 【旭川発】東神楽町教委は10月30日、東神楽小学校(大橋昌樹校長)と忠栄小学校(吉澤重光校長)をオンラインで接続した合同授業を行った。町内企業から提供された機材や独自システムを活用し、2年生の道徳の授業で交流。児童たちは教室全体や互いの表情など様々な角度からリアルタイムで映像が映し出されるモニター越しに、同じ空間で学習しているかのような臨場感を体験した。町教委では2校の統合に向け、今後も機材を活用した合同授業を行っていく。

 町内に本社を置く㈱ゼストシステムが社会貢献のため、町にカメラ6台や大型モニター2台などの機材、その他周辺機器など100万円以上相当を寄贈。また、Zoomなどのウェブ会議システムに活用できる独自のシステムを提供した。複数のカメラを設置することで、1端末に対して複数人数を1つの画面に分割して同時に映し出すことが可能。カメラアングルを切り替えることで、表情や雰囲気の読み取りといったウェブ会議のデメリットを軽減することができる。

 30日には贈呈式を行い、目録を受け取った山本進町長が安井文期社長に感謝状を手渡した。

 機材等は東神楽小に配置し、既存の機材を置く忠栄小と接続。正式に遠隔授業で活用するのは、30日が初めてとなる。

 東神楽小の三原和也教諭が2年生の道徳(東神楽小25人・忠栄小1人)を指導。主題「きらきら」のもと、「身の回りにあるものの美しさについて考えさせ、美しいものの良さを感じたり、感動したりする心を大切にする心情を育てる」ことをねらった。

 東神楽小の教室では、黒板の上や教室の後ろ、黒板の前や教師の机上、児童の前など複数のカメラを設置。忠栄小のモニターには、教室全体の様子や板書、資料、発表している児童の表情などが映し出された。

 風景などの映像や資料の読み取りなどを通し、児童たちは「ふしぎ」「きれい」「すごい」と感じたことをそれぞれ発表。遠隔システムを活用した交流を通し、身の回りには感動すること・心が動くことが多くあることや、人によってその感じ方が違うことなどを学んだ。

 普段、授業で同学年のほかの児童の考えにふれる機会が少ない忠栄小の児童は「楽しかった。またやりたい」と話していた。

 忠栄小は本年度で閉校し、東神楽小に統合。今後は統合に向けて児童たちが日常的にかかわっていけるよう、授業や休み時間の交流など、様々な場面で活用していく。

 また、忠栄小の閉校後、既存の機材は志比内小に移され、来年度からは東神楽小と志比内小間で遠隔授業を展開する予定。

(市町村 2020-11-11付)

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