東神楽町教委　最新動向踏まえた研修　双方向学習支援を体験　講師に文科省・小原総括係長

（市町村 2020-11-17付）

町内外から３０人が参加

　【旭川発】東神楽町教委は６日、町役場で「最新の教育動向を踏まえた今後の学校の在り方」をテーマに学校教育研修会を開いた。町の教育行政アドバイザーを務める文部科学省研究開発局海洋地球課の小原聡真総括係長を講師に招き、参加者一人ひとりが持参した端末で双方向学習支援アプリ「ロイロノート」を体験。参加者は今後の授業等における活用方法などを具体的にイメージしながら、実践的に学んだ。

　国の最新の教育動向について理解を深めるとともに、ＩＣＴ機器の効果的な活用方法に関する説明や演習などを通して、今後の授業改善につなげることが目的。町内のほか、東川町や美瑛町から教職員や行政職員ら約３０人が参加した。

　講師を務めた小原係長は、平成２９年に東聖小学校で長期派遣研修生として１年間勤務。この縁から、３０年に町教委の小中一貫教育に関する研修会の講師、現在は教育行政アドバイザーを務めるなど、継続して町にかかわっている。

　ＩＣＴの活用をはじめとするこれからの学校教育について、説明や先進事例の紹介などを交えながらワークショップ形式で研修。町ではＧＩＧＡスクール構想に伴いロイロノートの導入を検討していることから、参加者一人ひとりが実際にその機能などにふれることで、今後の取組に生かすことをねらった。

　参加者は児童生徒の立場になり、口頭での簡単な質問に対する回答や、アプリ上に配信された資料を使った課題を作成。完成させた課題をアプリ上の指定された場所にスワイプして提出するなど、感覚的に操作できることを知った。

　小原係長は、教師側の設定によって提出の制限時間を設けることができるほか、回答をクラス全員で共有可能なことを説明。一つの回答を取り上げて全員に見せたり、複数の意見を比較して見せたりすることができるなど、授業中に即座に共有・フィードバックできる機能を紹介した。また、手書きと打ち込みの両方に対応していることから、児童生徒の表現の可能性が広がることを示唆した。

　シンキングツールを体験する中で、ＩＣＴへの期待と不安を整理。参加者から双方向授業や遠隔授業、不登校児童への対応といった授業の幅の広がりなどへの期待の一方で、慣れるまでの時間や指導者の活用能力の差などに対する不安が挙がり、積極的に試行錯誤して発信していく重要性などが共有された。

　体験を踏まえ、動画で授業実践や日常業務における活用などの先進事例を紹介。最後に小原係長は、現代社会との関連性や教育現場における不易と流行などを取り上げながら、学校におけるＩＣＴ活用の意義を伝えた。

(市町村 2020-11-17付)