経産省事業採択企業のソフト試行導入 AI分析で個別最適化 紋別市教委 市内3小・中に(市町村 2020-11-27付)
【網走発】紋別市教委は、経済産業省のEdTech導入実証事業に採択された民間企業2社から学習ソフトの無償提供を受け、紋別小学校と南丘小学校、潮見中学校の3校で試行導入している。AI型ドリル教材「Qubena」では、児童の解答をAIが分析することによって、一人ひとりに個別最適化された問題を出題。市教委は、GIGAスクール構想実現を見据え、1人1台端末を活用した教育活動の充実を目指していく。
経産省は、Society5・0時代の教育現場において、個別最適化され居住地による格差のない公平な学びの環境、プログラミング教育をはじめとするSTEAM学習の環境を構築する必要性を考慮し、端末や高速通信網等のICTインフラ整備と併せて、教育産業が開発を進めているEdTechサービスの学校等における積極的な導入を推進している。
事業は、EdTechソフトウェアやITを活用した教育サービスを実施する者に対する補助を行うことで、学校等設置者と教育産業の協力による教育イノベーションの普及を後押しすることが目的。
紋別市教委は、事業補助金交付の採択を受けた㈱COMPASSとライフイズテック㈱の2社からソフトの無償提供を受け、試行導入している。
COMPASSのAI型ドリル教材「Qubena」は、紋別小の3~6年生、南丘小の全学年で活用。児童の解答をAIが分析し、間違いの原因に応じて一人ひとりに応じた問題を出題する。ヒントや解説が充実しており、学習でつまずいた場合に活用したり、自分の解答内容と見比べて復習したりできる。
GIGAスクール構想に基づく端末整備が未完了のため、学校や市教委のタブレット端末を用意し、放課後における算数の補充学習などで使用している。
南丘小では、学習サポーターが来校する毎週金曜日の放課後、希望する児童が活用。鈴木義樹校長は、「苦手分野などに繰り返し取り組むことで、学習内容の定着を図ることができる」と効果を実感する。「子どもたちも意欲的に取り組んでいる。GIGAスクール構想実現へのスムーズな接続につながってほしい」と期待を寄せている。
ライフイズテックのプログラミング教材「Life is Tech!Lesson」は、中学校新学習指導要領に対応し、小学校で学習するビジュアルプログラミングから発展したテキストコーディング(プログラミング言語を用いて命令を打ち込むプログラミング方法)を学ぶことができるもの。潮見中の3年生を対象に技術科の授業で活用している。
同社や市教委では、指導案や評価指標などがあらかじめ用意されているほか、生徒用の画面ではキャラクターが主な内容を解説するため、教員の負担軽減などを期待している。
また、管理画面で生徒一人ひとりの進ちょく状況を確認でき、最適なサポートの実現も可能としている。
市教委は、GIGAスクール構想に基づく1人1台端末整備などに向けて、実証結果の共有と今後の活用研究を進めることとしている。
※キーワード
「EdTech」
Education(教育)とTechnology(科学技術)を掛け合わせた造語。AI、IoT、VR等の技術を活用した能力開発技法。
「STEAM」
科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、人文科学(Art)、数学(Mathematics)を活用した文理融合の課題解決型教育。
(市町村 2020-11-27付)
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