行き先 台湾に変更へ 和寒中 4年度以降の修学旅行 町教委 グローバル化対応(市町村 2020-12-07付)
3日には沓澤教育長が保護者に説明した
【旭川発】和寒町教委は令和4年度から、和寒中学校(中間靖之校長)の修学旅行先を台湾とする。町の「未来を拓く人づくり推進事業」における事業を学校行事に位置付けることで、より安全かつ効果的にグローバル化に対応した教育の充実を図る。3日には和寒中で1年生の保護者説明会を開き、沓澤昭一教育長が理解と協力を求めた。
町内唯一の中学校である和寒中では、これまで修学旅行で函館など道南や札幌など道央方面を訪問していた。
町教委は、平成22年度から「未来を拓く人づくり推進事業」において中学2年生を台湾へ派遣する国際交流研修事業を展開。24年度からは台湾の高雄市立五福國民中学校と樹人医護管理專科学校との交流を開始し、30年度に両校と姉妹校提携を締結。当初6人だった参加者は年々増加し、27年度には全員が参加する状態となった。
グローバル化に対応した教育が加速する社会情勢などを踏まえ、希望者が参加する町教委主催の形態から、学校行事として実施できないか模索。29年度から道教委と協議を重ねてきた。ことし2月に道教委から了承を得たことで、現在の1年生が3年生になる令和4年度の5月下旬、台湾研修を修学旅行として実施することが可能となった。
学校行事の一環とすることで、これまで団長・学級担任・町職員の3人のみだった引率者が、学校からは副担任・養護教諭を加えた4人の体制を組むことが可能に。さらに当面は町職員1人も同行し、計5人体制で、より安全できめ細かな指導を行うことができる。
経費については、未来を拓く人づくり推進事業によって7割が助成されることから、パスポート取得費用を含めても例年の修学旅行費と同額程度、あるいは安価となる見通し。
町の事業のため、これまでは事前学習の時間が限られていたが、特別活動や総合的な学習の時間など、授業の中でより計画的に指導することが可能になる。
また、姉妹校提携をしている2校とは、事後にもオンライン等で交流を深めることを展望している。
3日に和寒中で開かれた説明会では、沓澤教育長が1年生の保護者に趣旨やねらいなどを説明。感染症の状況によってはこれまでの修学旅行を行う可能性なども伝えながら理解と協力を求めた。
日本修学旅行協会によると「公立の中学校が海外で修学旅行を実施することは全国的にも極めて珍しい」という。
(市町村 2020-12-07付)
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