札幌市学校教護協会が研修会　地域全体で子を育てて　若者支援センター館長講演

（札幌市 2020-11-17付）

感染防止対策を徹底して実施

　札幌市学校教護協会（小池千秋理事長）は１２日、ホテルライフォート札幌で第３回理事幹事研修会を開いた。札幌市若者支援総合センターの松田考館長が「様々な連携を生かし、子ども・若者・保護者に寄り添う～たまには自分の家を休んで、いとこんちで過ごそう」と題して講演。若者支援施設の取組を紹介しながら地域全体で子どもたちを育てていく必要性を説いた。

　研修会は、生徒指導についての研修を深め、質的向上を図るとともに、関係機関からの情報を整理し、日常の生徒指導に役立てることをねらいに毎年開催しているもの。

　本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から参加者を各校１人に限定。マスクの着用や手指消毒、開場時の検温確認のほか、地区ごとに座席を指定して分散させる、会場内の換気を小まめに行うなど、感染防止対策を徹底して実施した。

　開会に当たり、小池理事長があいさつ。新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響にふれ「長期臨時休業によって、日々の学校生活や学校行事における様々な制約は、生徒の有用感・自己肯定感等の大きな妨げとなった」と強調。「今後、進路選択、進路実現に向けた大切な時期を迎える」とし、各学校現場において例年以上に生徒の心のケアに配慮する必要性を示した。

　引き続き、松田館長が講演した。

　松田館長は、大学時代に家庭教師のアルバイトで出会った子どもが不登校だった経験から対人援助職に関心を抱き、通信制大学で教員免許を取得。近年では、特にひきこもりや貧困状態にある子ども・若者の支援に取り組んでいる。

　また、ことし６月には、若者や育児中の親などに無料で利用してもらうゲストハウス「いとこんち」を開設。若者の居場所づくりや就労支援に取り組み、居心地のよい親戚の家のような空間を創出している。

　講演では「小学校低学年から学校にほとんど行かないまま中学校卒業を迎える子」「生活保護受給の母子家庭で母親が精神疾患のため、家事の大半を担っている子」など、札幌市若者支援総合センターで出会った若者について紹介。その上で、学校・家庭だけではなく、地域全体で子どもを育てる大切さを説いた。

　このほか、進路や就労・生活の相談などを担う若者支援施設の取組やいとこんちでの活動を紹介した。

(札幌市 2020-11-17付)