札幌市中学校教頭会が研究協議会　ＩＣＴ活用など議論　コロナ禍　新しい生活様式も

（札幌市 2020-11-19付）

感染症対策を徹底した

　札幌市中学校教頭会（藤王尚之会長）は１０日、ホテルライフォート札幌で令和２年度研究協議会を開いた。研究主題「未来を生きる力を育む魅力ある学校づくり」のもと、教育課程部など６研究部が部内交流。コロナ禍における学校の新しい生活様式の在り方やＩＣＴ教育の推進、様々な関係機関との調整役である教頭の役割に関する話題など、日ごろの教育活動における経験から活発に交流した。開会式で藤王会長は「より具体的で有効な手段と方法を交流し、あすからの実践に生かしていきたい」と述べた。

　本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年開催している全日研修会を半日日程に短縮し、研究協議会として開いた。会場も例年より広く確保することで密を避けるなど感染症防止対策を徹底して行った。

　開会式では藤王会長があいさつ。研究協議会について、「各部ごとにそれぞれの課題について研究協議を深め、研修のまとめとして実践的な取組を交流することを大きなねらいとしている」と強調。「全員が討議に加わることで交流の成果を一層深めていきたい」と呼びかけた。

　本年度は第１５次３ヵ年継続研究の１年目。研究主題「未来を生きる力を育む魅力ある学校づくり」のもと部内交流・協議を実施。①教育課程部②特別支援教育部③生徒指導部④進路指導部⑤教育環境整備部⑥法規法令部―の６つの研究部内で、参加者は研究テーマと視点に基づいたレポートを事前に作成してきた。各視点に基づいて研究協議した。

　うち、①では、研究テーマを「資質・能力の包括的な育成に向けた学校づくりの推進」と設定。研究の視点に「教育課程の編成を含めたカリキュラム・マネジメントにかかわる取組」「札幌市学校教育の重点等を踏まえた教育課程の編成・改善に関すること」の２点を定めた。

　視点「教育課程の編成を含めたカリキュラム・マネジメントにかかわる取組」において、小中一貫した教育の推進や小中合同研修会の重要性、学校評価の活用方法などについて意見を交わした。

　⑤では、「豊かな人間性と確かな学力とをはぐくみ、信頼される学校づくりのための教育環境整備の推進」のテーマのもと、研究の視点を「施設・設備、教育の情報化に関すること」「危機管理、信頼される学校づくりに関すること」と定めた。

　１人１台タブレット端末の活用やコロナ禍におけるウェブ会議システムＺｏｏｍ、動画共有サイトＹｏｕＴｕｂｅの活用実践例の交流と課題などについて意見交換。学校間で利用状況に大きな差があることなどが話題に挙がったほか、コロナ禍における学校の新しい生活様式の中での工夫などについて協議した。

　各部５分程度で協議報告を行ったあと、市教委の長谷川正人児童生徒担当部長が講評・助言。また、市中学校長会の葛西孝之会長が「リスク管理に求められる教頭の役割」と題して講話した。

　今後、１２月と来年１月に研修会を予定している。

(札幌市 2020-11-19付)