１０９０人　１０年で倍増　札幌市立校の通級対象児童生徒

（札幌市 2020-11-25付）

通級指導教室を設置している札幌市立学校数・対象児童生徒数（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市立小・中学校、高校における通級による指導の対象となる児童生徒数は、ことし５月１日時点で１０９０人となり、平成２３年度の５８３人と比べ、１０年間で約２倍に増加していることが明らかとなった。うち、小学生では言語障がいが４４３人と最多。中学生では発達障がいが最も多く１４１人で、全体に占める割合もそれぞれ半数以上を占めた。市教委は今後も通級指導教室の整備・拡充によって遠距離通級の解消を図るほか、研修等を引き続き実施するなど指導体制および指導方法の工夫改善に取り組んでいくとしている。

　大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部の授業について障がいに応じた特別の指導を特別な場で受ける通級指導は、平成５年度に公立小・中学校で制度化。

　２９年度には義務標準法の一部改正に伴い、通級指導教員の加配が児童生徒１３人に１人の割合に基礎定数化した。３０年度からは高校での通級指導も開始。市内においても通級指導教室を設置する市立札幌大通高校が開校するなど、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに対応した指導・支援を行っている。

　本年度、通級による指導を受けている市立小・中学校、高校の児童生徒数（５月１日現在）は、前年同期比４７人増の１０９０人。過去１０年間で最も多く、２３年度と比較すると約２倍に増加している。

　学校数は前年度と同じ１７校で、障がい種別でみると、弱視が１４人、難聴が６４人。発達障がいは５１０人で、うち、中学生は１４１人と中学生合計の７割近くを占めた。高校生は前年度と比較して６人増の１２人だった。

　言語障がいは４９０人で中でも小学生は４４３人と最多。小学生合計の半数以上となった。

　通級による指導を受ける児童生徒数が全体的に増加傾向にあることについて、市教委は「子どもの教育的ニーズを各学校が丁寧に把握し、保護者や関係機関との連携のもと、必要な支援について検討する体制が整ってきていることも要因」としている。

　今後、通級指導教室の整備・拡充によって遠距離通級の解消を図るほか、担当教員の専門性向上に資する研修等を継続していくなど、指導体制および指導方法の工夫改善に取り組んでいくとしている。

(札幌市 2020-11-25付)