札幌市　３年度予算要求概要　就学援助システム再構築　高校改革やＩＣＴ整備も

（札幌市 2020-12-07付）

　札幌市は４日、令和３年度の予算要求概要を公表した。一般会計総額は前年度比１４・６％増の１兆１７９８億円。うち、新型コロナウイルス感染症を前提とする社会へ転換するための新たな日常推進枠分が１４４６億円となった。教育関連では新規事業として、所得証明書や児童扶養手当の証明などの必要書類の添付を不要とするシステムを再構築する就学援助システム再構築費に８６００万円を要求。市立札幌旭丘高校の学科新設に向けた整備や市立札幌大通高校の外部人材活用など市立高校改革費に４７００万円、公立夜間中学関係費に５６００万円、国のＧＩＧＡスクール構想を踏まえたＩＣＴ環境の整備など教育の情報化推進費には３３億６９００万円を積み上げた。

　教育委員会関連の要求額は１４・４％増の４６９億１７００万円で、うち、新たな日常推進枠分は３５億３６００万円。来年度から始まる国のＧＩＧＡスクール構想における１人１台端末の活用に向けた教育の情報化推進費に３３億６９００万円、学校改築費に７６億７５００万円を計上したことが大幅な増加の要因となっている。

　新規事業では、就学援助システム再構築費に８６００万円を要求。経済的な理由で就学が困難な小・中学生の保護者に対し、申請書類の写真添付の提出を不要とするもの。書類提出の負担軽減を図る計画。

　札幌旭丘高の仮称・理数情報科新設に向けた整備や札幌大通高の外部人材活用、市立高校における進路探究学習の推進や、高校と企業などとの連携を推進する市立高校コンシェルジュの配置など、高校改革費には４７００万円を積み上げた。

　４年度の開校を目指す公立夜間中学関係費には５６００万円を計上。施設改修、開校準備事務などを計画する。

　国のＧＩＧＡスクール構想を踏まえた１人１台端末での授業を実施するための教育の情報化推進費には３３億６９００万円を積み上げた。

　ネットワーク環境・ヘルプデスクの増強などに加え、端末を活用した授業を支援する支援員を配置する予定。

　生涯学習推進費には７６０万円を計上。生涯学習施設における新型コロナウイルス感染症対策として、手指消毒液などの購入費に充てる考え。

　図書館地域開放事業、サッポロサタデースクール、知的障がい者のための成人学級などを行う地域活動推進費には９０００万円を求めた。

(札幌市 2020-12-07付)