4定札幌市議会代表質問ダイジェスト
(札幌市 2020-12-07付)

◆新たに啓発資料 差別や偏見なくす 性的マイノリティ 配慮した教育充実

 3日の4定札幌市議会代表質問では、性的マイノリティの子どもに配慮した教育の充実について取り上げられた。

 現在、市教委では、性的マイノリティの子どもが抱え込まず、安心して学校生活を送ることができるよう、学校におけるきめ細かな配慮や教職員が理解を深めるための研修を行うなど、子ども一人ひとりの支援の充実を図っている。

 市教委の長谷川雅英教育長は「今後は、このような個別の支援に加え、すべての子どもに多様な違いを認め尊重し合う態度を育むため、教職員が性的マイノリティなどの人権課題について一層理解を深め、人間尊重の教育に取り組んでいくことが重要」との認識を示した。

 その上で、教育委員会として「当事者や専門家の協力のもと、人間尊重の教育にかかる指導の手引や子ども向け啓発資料を新たに作成するなど、各学校のさらなる取組を支援し、差別や偏見のない多様性を認め支え合う教育の充実に努めていく」と述べた。

 たけのうち有美議員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆他都市事例踏まえ具体的な検討推進 学校給食費公会計化

 3日の4定札幌市議会代表質問では、学校給食費の公会計化について取り上げられた。

 文部科学省は、公立学校における学校給食費の徴収・管理にかかわる教員の業務負担を軽減するため、学校給食費徴収・管理に関するガイドラインを作成。地方公共団体における学校給食費の公会計化を促進している。

 市教委の長谷川雅英教育長は、学校給食費の公会計化について「教職員の業務負担軽減につながり、より質の高い教育活動の実現が期待されることに加え、納付方法の多様化による保護者の利便性向上、徴収・管理業務の効率化などの効果が見込まれるもの」との認識を示した。

 公会計化に移行するに当たっては「新たな徴収システムの開発をはじめ、業務執行体制の構築や関係規定の整備、関係団体との調整などが必要」とし、国のガイドラインや他都市の先行事例も踏まえながら、学校給食費の公会計化について具体的な検討を進めていくとの意向を示した。

 たけのうち有美議員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆状況丁寧に確認 適切な支援確実に コロナ禍における子への影響と対応

 3日の4定札幌市議会代表質問では、コロナ禍における子どもたちへの影響と対応について質疑が行われた。

 市教委の長谷川雅英教育長は、新型コロナウイルス感染症拡大・流行にかかわって「子ども本人をはじめ、子育て家庭は、長期間にわたって不安やストレスを抱えた生活を余儀なくされ、様々な影響を受けている」との認識を示した。

 学校の臨時休業期間中には、コロナ禍の影響が虐待リスクを高める意識をもって、オンライン等を活用して子どもの状況を丁寧に確認するなどの取組を講じたことを報告し、「今後も、子どもに関係する部局が連携し、虐待の兆候の早期把握に努めていく」と述べた。

 また、特に必要な状況が把握された場合については、区家庭児童相談室が中心となって、要保護児童対策地域協議会での協議を重ねるなど、子どもや家庭への適切な支援をより確実に進めていく意向を示した。

 三神英彦議員(自民党)の質問に対する答弁。

◆切れ目ない支援で児童虐待未然防止 困難抱える若年女性への対応

 3日の4定札幌市議会代表質問では、困難を抱える若年女性の支援について質疑が行われた。

 町田隆敏副市長は、貧困や虐待など、幼少期から養育環境において困難を抱えた思春期・若年期の女性について「地域の行政とのつながりが薄く、社会的に孤立している場合が少なくない」との認識を示し、暴力被害や性的搾取など、さらなる困難を抱えてしまう恐れがあることから、より早期に適切な支援へつなげる重要性を説いた。

 現在、若年女性を対象に、どのような不安や困難を抱えているのかなどの実態調査を実施していることを伝え、調査結果等を踏まえ、アウトリーチ型の相談支援や安心できる生活環境を整えるための取組を進めていく考えを示した。

 また、困難を抱えている若年女性において「妊娠、出産その後に続く育児が人生の豊かな経験とは成り難く、さらなる負担や困難となり、児童虐待につながる危険が高い」とし、「児童虐待を未然に防ぐ観点からも支援の入り口である母子健康手帳の交付時の面接から妊婦と寄り添い、切れ目のない支援を継続することが重要」と強調。

 「今後、行政のみならず、医療機関や子育て支援を行っている関係団体との連携を図り、若い親が子どもと共に成長していけるよう、地域で支えるネットワークの充実、強化に努めていきたい」との意向を示した。

 たけのうち有美議員(民主市民連合)の質問に答えた。

(札幌市 2020-12-07付)

その他の記事( 札幌市)

札幌市3年度予算要求 教育関連事業 GIGAスクール踏まえ環境整備 外部人材等で高校改革

 札幌市は4日、令和3年度の予算要求概要を公表した(7日付8面既報)。一般会計総額は前年度比14・6%増の1兆1798億円。教育関連事業では新規事業として、所得証明書や児童扶養手当の証明など...

(2020-12-08)  全て読む

札幌市保育士・保育所支援センター 求職者情報等をHPで 中心部移転も検討 機能強化

 札幌市子ども未来局は、市保育士・保育所支援センターについて、来年4月から事業者と求職者をつなげるマッチングシステムの導入などによって、機能強化を目指す。ホームページ上で求職者情報の手続きが...

(2020-12-08)  全て読む

4定札幌市議会代表質問ダイジェスト令和2年12月3日、4日)

◆職員の専門性高め 虐待防止体制強化 子育てデータ管理  3日の4定札幌市議会代表質問では、母子保健と児童相談の情報を共有化し、児童虐待の未然防止のための新たなシステム「子育てデータ管理プ...

(2020-12-08)  全て読む

夏休み等に制作41点 札幌市教育地図研究会が作品展

札幌市教育地図研究会作品展  札幌市教育地図研究会(永宮愼也会長)は11月下旬、市内のかでる2・7で第41回札幌市児童生徒社会研究作品展を開いた。小・中学生が夏休みの自由研究などで制作した作品を展示。国土地理院賞を受賞...

(2020-12-08)  全て読む

札幌市 3年度予算要求概要 就学援助システム再構築 高校改革やICT整備も

 札幌市は4日、令和3年度の予算要求概要を公表した。一般会計総額は前年度比14・6%増の1兆1798億円。うち、新型コロナウイルス感染症を前提とする社会へ転換するための新たな日常推進枠分が1...

(2020-12-07)  全て読む

市立高まちづくり応援プロジェクト 町内会へメッセージ 区役所等展示で意識向上

 札幌市市民文化局は、本年度次世代の活動の担い手育成事業の一環で「札幌市立高校による、まちづくり活動応援プロジェクト」を実施する。市立高校の生徒が地域のまちづくりを進める町内会に向け、感謝・...

(2020-12-07)  全て読む

就労支援施設の活動紹介 札幌市 障がい者週間パネル展 展示は9日まで

札幌市障がい者パネル展  12月3~9日は障がい者週間―。札幌市は、市役所本庁舎で2020年度障がい者週間パネル展を開いている。放課後等デイサービス事業所の取組など、市内10区の障がい就労支援施設における活動内容を...

(2020-12-04)  全て読む

4年度設置の公立夜間中学で札幌市教委 校舎バリアフリー化検討 通訳活用、就学援助、給食も

 札幌市教委の長谷川雅英教育長は、3日の市議会第4回定例会代表質問で、令和4年度に設置する公立夜間中学について、校舎施設のバリアフリー化や通訳などの活用を検討していることを明らかにした。就学...

(2020-12-04)  全て読む

市立高生徒会リーダー交流会 ピンチから学ぶ 感染対策講じた活動報告

札幌市立高校生徒会リーダー交流会  札幌市立高校・特別支援学校長会(鈴木恵一会長)は2日、第20回札幌市立高校生徒会リーダー交流会(1日目)を実施した。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、本年度は各学校をウェブ会議シ...

(2020-12-04)  全て読む

札幌市とバレーボールチーム 自宅で可能な練習法を 市HPに動画公開

 札幌市スポーツ局は、市とホームタウンパートナーの協定を結んでいる女子バレーボールチーム「デンソーエアリービーズ」による、自宅で取り組めるトレーニング動画を市ホームページで公開している。ボー...

(2020-12-04)  全て読む