札幌市　中学校の消費者教育　来年度　映像教材配布へ　課金トラブルなど３テーマ

（札幌市 2020-12-14付）

　札幌市市民文化局は、中学生向けの消費者教育映像教材を作成する予定だ。主に、中学校技術・家庭科の家庭分野「消費生活・環境」での学習内容を柱に、クレジットカードなど３テーマで構成したＤＶＤ教材を作成する。ワークシートや教師用解説書も作成する。作成した教材は来年度に各中学校に配布する見通し。

　中学校における消費者教育は、主に家庭分野で実践している。各校では消費者教育の実践に当たり、効果的な取組やツールを模索中。中学生に対する消費者教育の充実を図るための支援の必要性が高まっている。

　また、近年は中学生でもインターネットに簡単にアクセスできる環境であるため、中学生が消費者トラブルに巻き込まれるケースも多い。中学生を含む２０歳未満の消費生活相談件数は前年度約３００件寄せられており、件数は年々増加傾向にある。

　同局はこれらを踏まえ、中学校の学習指導要領および消費者教育の特性を踏まえた中学生向けの消費者教育映像教材を作成。中学校における消費者教育の充実を図るほか、生徒の消費者トラブルの未然防止につなげることを目指す。

　映像内容のテーマは、①クレジットカード②通信販売③消費者トラブル―の３点。

　①では、クレジットカードの仕組みのほか、オンラインゲームの課金トラブルなどの事例をもとに、トラブルに巻き込まれてしまう要因について解説。

　②では、通信販売の利点と問題点などについて構成している。

　③は、消費者として留意すべきことのほか、クーリング・オフ、未成年取消など契約の取消について学ぶものとしている。

　また、ワークシートと教師用解説書も併せて作成する。

　ワークシートは映像教材で学習した内容の復習だけでなく、中学生自身の考えや気付きを通して、実生活に応用できるようなものの作成を検討。

　教師用解説書は、授業展開例などについて解説したものを予定している。

　教材は来年度、市内の中学校に配布する見通し。

(札幌市 2020-12-14付)