札幌市教委　地域課題対応の社会　学び浸透　機会創出を　３視点で提言書作成へ

（札幌市 2020-12-18付）

　札幌市教委は、社会教育委員会会議で協議している地域課題に対応する社会の在り方について、協議内容を整理した。災害を例にした主な課題として、学習・教育分野における子どもの学びが家庭や大人に浸透するような機会の創出など６項目を提示。大人と子どもがつながる学びとする「つながりづくり」など３つの視点から、来年度の提言書作成に向けて協議を進めている。

　市教委は２ヵ年に１度、協議テーマを設定。市教委の委嘱を受けた社会教育の関係者や学識経験者からなる社会教育委員と市教委の担当者が会議に出席し、それぞれの立場から地域課題の解決に向けた取組について調査や研究、協議を展開。２ヵ年目に提言書を作成している。

　本年度設定したテーマは「仮称・地域課題に対応する社会の在り方について～災害を例に」。平成３０年９月に発生した北海道胆振東部地震が防災に対する危機意識が醸成される機会となったことから、防災を切り口に社会教育の役割や対応について、全７回にわたって協議を重ねてきた。

　前回の第７回会議では「避難所を学習拠点として位置付ける」「子どもを先生にして大人が学ぶ新しいスタイルの試み」などについて協議し、１５日に開催した第８回会議ではこれまでの会議における協議内容を整理して提示。災害を例にした主な課題として、①学習・教育②情報リテラシー③地域コミュニティ④リーダー⑤防災活動⑥多様性―の６項目を示した。

　６項目のうち、具体的な課題内容は、①子どもの学びが家庭や大人に浸透するような機会の創出②情報弱者への配慮や情報モラルの教育③行政や町内会だけでなく、民間や学校、ＮＰＯ法人などと連携した学習環境の充実など④リーダーを新たに育てるのみではなく、すでに地域で活動しており地域を知っているリーダーの活用⑤学びの意識を他人事としてとらえる⑥年代や考え方、思想など違う側面をもつ人材がお互いの立場を理解し合い共有できるきっかけづくり―とした。

　社会教育における視点は、「人づくり」「つながりづくり」「地域づくり」の３点。

　自分事としてとらえる個の意識づくりや多様な人材のネットワーク構築、身近な学習環境の充実などを目的に設定した。

　今後は、３つの視点や６つの取組の方向について社会教育委員会議で再度協議。提言の具体的な内容について意見を重ね、提言書作成に向けた素案を作成する。

　報告書作成は、来年６月を目指している。

(札幌市 2020-12-18付)