根室局 授業改善アクションラーニング ICT活用し学校支援 9プロジェクトをモデル展開
(道・道教委 2020-12-23付)

2面、アクションラーンニング
授業改善のためのアクションラーンニング(クリックすると拡大表示されます)

 【釧路発】根室教育局は、新たな学校支援策として、ICTを活用した9プロジェクトを1パッケージにした「授業改善のためのアクションラーニング」をモデル的に展開している。主体的・対話的で深い学びに向けた学習過程の改善に「ICTの効果的な活用や教員の研修等が必要」との視点から立ち上げたもの。新学習指導要領が示す資質・能力の育成を下支えするため各プロジェクトを推進している。

 各プロジェクトの概要はつぎのとおり。

▼授業力アップ研修

 授業力を向上させるため、学級担任、指導主事、指導方法工夫改善教員による授業をウェブ会議システムZoomで公開し、若手教員の研修機会を提供する。

▼教員のテクニカルミーティング

 同一校には、同じ教科や専門をもつ教員が複数配置されていないことから、Zoomを活用して管内規模の教員ネットワークを構築する。

▼ICT指導者の養成

 ICTの操作等を得意とする教員を対象に、指導者の養成研修を実施し、ICTを不得手とする教員へのサポートや校内研修の講師となる人材を養成する。

 10月には羅臼町立羅臼小学校でICT活用研修会を開催。羅臼町内の小・中・高校の教員や学習指導員、スクール・サポート・スタッフら26人を対象に、Zoomを活用したリモート授業のポイントや、動画の管理等における動画共有サイトYouTubeの効果的な利用方法などを伝えた。

▼トリセツ動画の制作

 授業におけるICT機器の設営の仕方や機材の取扱いなどを説明する「リモート授業トリセツ動画」を制作し、YouTubeで公開する。

 制作は主に若手教員チーム「シュジーズ」が担当し、5分15秒の内容にまとめた。同局ホームページから公開先に移動できる。

▼不登校等へのサポート

 不登校や病弱の子どもたちの学びを止めない、また、その心に寄り添うために、オンライン学習やZoomを活用した教員とのコミュニケーションを図ることができる仕組みを構築する。

▼他地域の学校との合同授業

 他地域の学校とZoomを活用し合同の授業や交流を行い、子どもたちの学びの孤独化を防ぐとともに、教員同士の教材研究や情報共有を図る仕組みを構築。世界遺産知床がある羅臼町と、白川郷のある岐阜県白川村との交流を検討中。

▼国際交流教育の推進

 Zoomを活用し、海外の姉妹校や日本人学校との交流を推進する。教育水準が世界トップレベルとされるフィンランドを候補に検討を進めている。

▼Zoomによる学校訪問

 学校訪問にZoomを活用して複数回実施するなど、より手厚い指導助言を可能にする。

▼放課後等の学習サポート

 Zoomによる新たな形での放課後等の学習サポートを実施する。

 道教委が羅臼町で実施した地域協働型オンライン学習導入プロジェクト「デジタル寺子屋」では、道教育大学釧路校の学生がZoomで学習サポートに入った。羅臼小、春松小学校の5・6年生がリモート指導に慣れ親しんだほか、地域住民の学習サポーターが運営のノウハウを得た。

(道・道教委 2020-12-23付)

その他の記事( 道・道教委)

ことしの成人該当4万6890人 成人の日調査 道教委まとめ

 道教委は、令和3年成人の日等に関する調査結果・速報値(12月23日現在)をまとめた。ことしの成人該当者(平成12年1月2日~13年1月1日生まれ)の数は、前年比480人増の4万6890人。...

(2020-12-25)  全て読む

道研 プログラミング教育充実へ 換気促す教材を開発 冬季室内の二酸化炭素量測定

道研・プログラミング教育教材開発  道立教育研究所は、プログラミング教育の充実を図るため、冬季における室内の二酸化炭素量を測定して換気を促す教材を開発した。来年度に計画している「計測・制御のプログラミング研修(技術・家庭)講...

(2020-12-24)  全て読む

積極的に役割もたせる 道教委 女性活躍にかかる調査

 道教委は、女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画改定にかかる意見等調査結果(11月末現在)をまとめた。女性職員の積極的な育成・登用に関する取組では、市町村・高校・特別支援学校の6割が「積...

(2020-12-24)  全て読む

道教委 2年度職員表彰受賞者決定 15人の努力たたえる 積極的な情報発信など評価

道教委職員表彰・優秀賞受章した幼児教委推進センター  道教委は22日、令和2年度道教委職員表彰優秀賞の被表彰者を決定した。新型コロナウイルス感染による臨時休業期間中の取組として、「幼児の遊び応援サイト」を開設して積極的な情報発信に取り組んだ幼...

(2020-12-24)  全て読む

道教委義務教育課 資質向上セミナー企画 学び広げる場を提供 参加対象制限せず 全4回

道教委義務課資質向上セミナー  道教委義務教育課は、令和2年度「自己の学びを広げ・深める!」資質向上セミナーを企画し、オンラインを活用して来年3月上旬までに4回実施する。教育局職員や行政職員などと参加対象者を制限せず、希...

(2020-12-24)  全て読む

リポート 根室局 羅臼町で新たな教育支援 顔の見える関係構築 滞在型学校訪問など企画

リポート・根室局新たな学校支援  【釧路発】新型コロナウイルス感染によって学校を取り巻く環境が激変した本年度、根室教育局は羅臼町をモデル地域として新たな教育支援に取り組んでいる。授業改善をテーマとした9プロジェクトを1パッ...

(2020-12-23)  全て読む

道立高校の1人1台端末整備 4年度から3年で実施 BYODも 年度内に方向性

 道教委は、18日の第2回高校における1人1台端末環境の実現に向けた有識者懇談会で、道立高校における端末整備の方向性について意見交換した。令和4年度からの3年間で、全学年の生徒が端末を使用で...

(2020-12-22)  全て読む

不祥事防止へ資料作成 小玉教育長が記者会見で表明

 道教委の小玉俊宏教育長は18日の記者会見で、不祥事の未然防止を図るため、臨床心理の専門家などの協力を得て、研修資料を新たに作成して活用していく考えを示した。  道教委は、8月に処分の厳格...

(2020-12-22)  全て読む

近代美術館に植田氏寄贈 横山大観「秋思」を 道教委が感謝状贈呈

小玉教育長感謝状贈呈式  道教委は17日、道庁別館で植田木材工業㈱の植田英隆代表取締役から日本画の巨匠・横山大観の掛け軸「秋思」の寄贈を受けたことに対して感謝状を贈呈した。絹に天然顔料で描かれた作品として知られ、評...

(2020-12-22)  全て読む

道教委 ふるさと教育等実践例交流会 愛着育む活動大切に 道内3校 北方領土等で発表

道ふるさと教育・観光教育等実践事例交流会  道教委は18日、令和2年度北海道ふるさと教育・観光教育等実践事例交流会を開いた。道庁別館と各教育局をオンラインでつなぎ、実践校・協力校合わせ約90人が交流。実践発表では学習テーマに取り組む...

(2020-12-22)  全て読む