道内初　札幌市公立夜間中学　４年度開校へ準備着々　修学機会確保　高まる期待

（札幌市 2021-01-05付）

　令和４年、道内初となる公立夜間中学が札幌市内に開設される。札幌市教委はこれまで、有識者・学識経験者で構成する在り方検討委員会で、公立夜間中学において配慮すべき事項等を協議するなど、来年４月の開校を目指して準備を推進。昨年１２月２１日には、検討委員会で挙がった意見や公立夜間中学に対するニーズのアンケート調査を盛り込んだ基本計画案を策定し、中央区の資生館小学校の校舎内に開設する方針を固めた。今後は、パブリックコメントを経て、本年度中に札幌市公立夜間中学の基本的な考え方を示す基本計画を策定・公表する見通しだ。

　市は、公立夜間中学の対象生徒と想定される未就学者、不登校経験者が一定程度いるとともに、外国籍市民が増加している現状を踏まえ「学びのセーフティーネットの役割として公立夜間中学の設置が必要」と判断。４年４月開校を目指して具体的な検討を進めてきた。

　基本計画の策定に向けては、これまで委員長の引地秀美道教育大学札幌校特任教授をはじめとする委員８人で構成する在り方検討委員会を計４回開催。また、公立夜間中学に対するニーズについて市民アンケート調査を実施した。

　昨年１２月２１日には、検討委員会で挙がった意見やアンケート結果を盛り込んだ基本計画案を公表した。

　校舎は、教育活動の充実と独立性を重視し単独校として設置。

　学校規模は、全国の公立夜間中学の在籍者数の平均が５２人程度であることやアンケート状況を踏まえ、１学年１学級の計３学級とした。

　設置場所は、市内全域からのアクセスの利便性やユニバーサルデザイン構造であることなどを勘案し、中央区の資生館小に決定した。

　入学可能期間は９月までとし、高校等への進学や就職などを目指す生徒に適切な学びの期間を設定するため、中学２年、中学３年からなど、中途学年からの編入も可能とした。

　学校運営に当たり、札幌市若者支援総合センターや札幌国際プラザ、自主夜間中学、市立札幌大通高校などの関係機関等と連携して取組を進める。

　また、生徒のニーズを踏まえ、開校後も学校評議員制度などを活用し、より広範な関係者の意見を聞きながら、適宜、改善に向けた取組を推進。勤務する教員への研修体制を充実させるとともに、他の市立学校教員への研修や小学校等との人事交流を行うなど、夜間中学の理念の普及、教員の資質向上に努める。

　このほか、適切な時期に説明会を開いたり、外国語パンフレットを作成するなどして対象者や周りに届く情報提供を進めるとともに、夜間中学を広く理解してもらうため、市民へ広く周知していく。

　今後、１月ころを目途に募集するパブリックコメントを経て、本年度中に基本計画を策定・公表する。

(札幌市 2021-01-05付)