新年度 1人1台端末導入へ GIGAスクール構想を推進 札幌市教委 モデル校の実践 中央中の数学授業(札幌市 2021-01-01付)
中央中の数学授業
国のGIGAスクール構想の実現に向け札幌市教委は、モデル校を指定し1人1台端末の活用に取り組んでいる。モデル校は中央小学校、中央中学校、市立札幌新川高校の3校。指定校は授業以外の日常的な生活場面における活用の試行や、児童生徒がタブレットを使用する際のルール、活用を促進するための校内組織・研修の進め方などの研究を推進している。市教委は、ことし3月を目途にタブレット活用のガイドラインを作成するとともに、全学校を対象とした1人1台端末の導入に向けた説明会でモデル校による実践発表、周知に努めていく。
◆端末活用に向け校内体制構築 中央小・中央中
中央小学校(林貞年校長)、中央中学校(木村佳子校長)では、小中一貫した教育の推進の観点を踏まえ、1人1台端末を活用するための校内体制を構築した。教員による基本操作の習得や、端末を活用した教員研修、児童生徒が端末を活用する際のルールの検討などを推進している。
両校は、11月から一部の教科や学級等で実践することができるよう、小・中学校98校から緊急貸出用に整備した端末を借用。両校はそれぞれ約50台の端末を活用し、検証実践を行っている。
具体的に、端末の活用に関する校内体制や研修の在り方、日常の学校生活における活用方法、教科等での効果的な使い方などについて、新年度に整備される端末Chromebookを先行して用いた実践を進めている。
中央小では、第5学年国語「方言と共通語」において、共同作業に適したデジタルホワイトボード「Jamboard」を活用。前に出て黒板や画用紙にカードや付せんを貼って共有していたこれまでの活動を自席に座ったまま瞬時に行った。
児童たちは、画面に表示される他の考えを取り入れながら、思考を巡らせる時間を確保。時間をかけて情報を分類したり、関連付けたりする学びを可能とし、課題探究的な学習をより一層充実させた。
中央中では、第3学年数学の授業「三角形の相似 中点連結定理」において、実際にChromebookを活用して実践。インターネットを通して使えるブラウザベースのソフトウエアを利用した。
生徒はノートとChromebookを使った活動を展開。教員は黒板とChromebook画面を教室内のモニターに映しながら授業を進めた。
◆プロジェクター全教室に導入検討 新川高
市立札幌新川高校(熊谷修司校長)は、新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休業期間中、生徒が所有しているスマートフォンなどの端末にGoogle Classroomを導入。オンラインによる課題提出や学習状況の進ちょく管理等が可能なツールを積極的に活用してきた。
今後、学校生活への活用として、紙文書のスキャニング効果が優れたオーバーヘッドスキャナーのほか、全普通教室にプロジェクターを導入する予定。
教員は、自作プリント等を黒板に投影し、チョークで必要な部分に書き込んでいく授業が可能となる。図や表などを扱う授業など教員にとって授業準備の効率化を図っていく。
また、データサーバーに教材の保存領域の作成も検討。教科によって全教員で資料や教材を共有できるほか、資料編集も可能となるなど、GIGAスクール構想の実現に向けた準備を進める。
市教委では、ことし3月を目途にタブレット活用のガイドラインを作成するとともに、全学校を対象とした1人1台端末の導入に向けた説明会を開催。1人1台端末の活用方法などを周知していく。
また、GIGAスクールサポーターを3月までに各校へ6回程度派遣。端末活用に関する校内研修や、年度更新作業等のサポートを行い、新年度の1人1台端末を活用した授業開始に備えていく方針だ。
(札幌市 2021-01-01付)
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