札幌市羊丘中　教科等横断的な取組　リズムに動き組み合わせ　音楽「創作」＋保体「ダンス」

（札幌市 2021-01-21付）

１年生の音楽と保健体育を合わせた

　札幌市立羊丘中学校（富川浩校長）は昨年１１～１２月、１学年の音楽科と保健体育科の授業を合わせた教科等横断的な取組を行った。音楽の授業で作成したボイスアンサンブル作品に、体育の授業で身に付けたダンスの動きを導入。生徒たちは、音楽に合わせた動きをイメージし、表現するダンスを創作した。

　国の専門家会議が発出した新型コロナウイルス感染症対策の現状を踏まえた学校教育活動に関する提言では、各教科活動等において、感染のリスクが高いと考えられる活動として、音楽科の歌唱指導、家庭科の調理などの実習、保健体育科の生徒が近距離で組み合ったり接触したりする場面が多いことなどが例示された。

　また、音楽科では、歌唱、リコーダーなどの楽器演奏は実施しない、保健体育科（体育分野）では、身体接触を伴う球技や武道は実施しないことを求めた。

　これを踏まえ、同校では、音楽科の表現領域「創作」と保健体育科の「ダンス領域（現代的なリズムのダンス）」について、相互の各教科等の特質を生かし、教科等横断的な視点から単元・題材を構成する取組を試行。生徒が教科を学ぶ意義を実感できる授業づくりを目指して、各教科の指導計画を練り直し、６月からの学校再開に向けて取り組んだ。

　この取組の一環で、昨年１１月に１学年音楽科「くいしんぼうのラップ」の授業で、３人グループでテーマとストーリーを決め、パートを分担した「ボイスアンサンブル」に挑戦。生徒は「どのように音を重ねたら、ストーリーに合ったボイスアンサンブルになるか」について、音色やリズムを工夫しながら作品づくりに取り組んだ。

　１学年保健体育科「現代的なリズムのダンス」の授業では、ロックやヒップホップなどの曲のリズムの特徴をとらえ、変化のある動きを組み合わせるなど、基本的なステップなどの動き方を学習。生徒はダンスのポイントや課題について、仲間やグループ内で課題解決、出来映えを伝え合いながら取り組んだ。

　これら踏まえ、１２月には、音楽科と保健体育科の教科等横断的な取組を実施した。

　音楽の授業でグループごとに作成したボイスアンサンブル作品に、体育の授業で身に付けたダンスの動き方を導入。音楽のリズムをとらえ、相手の動きに合わせたりずらしたりしながら、感情を込めて踊った。

　富川校長は「生徒たちは自分たちが考えた音楽であるからこそ、その作品を大切にし、それにふさわしい動きで踊りたいという必要感が生まれていた。２教科関連・統合学習という新しい系統性をもった実践となった」と話していた。

(札幌市 2021-01-21付)