デジタル教科書ガイドライン改訂案　３０分に１回　目離して　文科省　健康への影響配慮を

（国 2021-01-29付）

　文部科学省は、学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン改訂案をまとめた。３０分に１回、２０秒程度画面から目を離して使うよう指導するなど健康面への配慮を追記。睡眠前にICT機器を利用することによる健康面への影響も指摘し、学校と家庭が協働して配慮すべきとした。

　ガイドラインは、学校・教育委員会が学習者用デジタル教科書導入の検討や使用の際、効果的な活用の在り方や導入の留意点などを調査研究や有識者による検討をもとにまとめたもの。デジタル教科書の機能、具体的な学習方法や使用に当たっての留意点を示している。

　２７日の第８回デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議で改訂案を提出。

　現行のガイドラインからの変更点をみると、児童生徒が長時間画面を注視しないよう、３０分に１回、２０秒程度画面から目を離して目を休めるよう指導するなど、健康面への配慮について記載している。

　睡眠前に強い光を浴びると入眠作用があるホルモンの分泌が阻害されるとし、睡眠前のICT機器の利用を控えることが適切であることを指導するよう求めた。

　健康に関する意識を醸成するため、教員自身が健康に留意する視点を理解する重要性を指摘。保護者にも適切に説明し、学校・家庭が協働してICT機器の使用について配慮すべきとした。

　このほか、目の疲労を感じたら児童生徒自ら目を休めることをリテラシーとして習得させ、学習に取り組むよう指導を求めた。

　文科省は、具体的な授業場面における効果的な活用方法をまとめたデジタル教科書実践事例集の改訂に向けた準備も進めており、ガイドラインとともに３月以降に改訂する予定。

(国 2021-01-29付)