3年度文科省文部科学関係予算案①(国 2021-02-02付)
文部科学省の令和3年度文部科学関係予算案における主要事項はつぎのとおり(カッコ内%は対2年度比)。
《初等中等教育局①》
【少人数指導によるきめ細かな指導体制の計画的な整備やICTの活用など、新しい時代の学びの環境の整備および学校における働き方改革の推進】=1兆5417億1700万円(100・2%)
学校の臨時休業等の緊急時においても、安全・安心な教育環境を確保しつつ、すべての子どもたちの学びを保障するため、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備やICTの活用、感染症対応など、新しい時代の学びの環境の整備を図る。
また、引き続き、学校における働き方改革を推進するため、教職員定数の改善、専門スタッフや外部人材の配置拡充、業務改善を一体的に推進する。
◆義務教育費国庫負担金=1兆5163億8100万円
義務教育費国庫負担制度は、公立の義務教育諸学校の教職員の給与費について都道府県および指定都市が負担した経費の3分の1を国が負担するものである。
・加配教職員定数の改善=59億円増(2744人増)
・基礎定数化に伴う定数増=9億円増(397人増)
・教職員定数の自然減等=35億円減(1615人減)
・教職員配置の見直し=43億円減(2000人減)
・教職員の若返り等による給与減=2億円減
・人事院勧告による給与改定=45億円減
▼教職員定数の改善=3141人増
▽学校における働き方改革等=2397人増
①教師の持ちコマ数軽減による教育の質の向上=2000人増
・小学校専科指導の充実
義務教育9年間を見通した指導体制への支援
教師の持ちコマ数の軽減や、教科指導の専門性をもった教師によるきめ細かな指導など、小学校の専科指導に積極的に取り組む学校を支援。
②複雑化・困難化する教育課題への対応=397人増
教育課題への対応のための基礎定数化関連(通級による指導506人増、日本語指導90人増、初任者研修11人増、自然減等210人減)。
▼少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備=744人増
少人数によるきめ細かな指導体制を構築するため、義務標準法を改正し、小学校について学級編制の標準を5年かけて、学年進行で35人に計画的に引き下げることとし、学級編制の標準の引き下げおよび引き下げに伴う副校長・教頭や生徒指導担当教員などの教職員配置の充実のための定数改善を図る。
▽改善内容(カッコ内は3年度改善数)
①35人学級の実現(小学校全学年)=改善数1万2449人(519人)
②少人数学級実現に伴う教職員配置の充実=1125人(225人)
・副校長・教頭の配置充実=480人(96人)
・生徒指導・進路指導担当教員の配置充実=165人(33人)
・事務職員の配置充実=480人(96人)
▽年次計画=3年度744人、4年度3290人、5年度3283人、6年度3171人、7年度3086人、計1万3574人
◆GIGAスクールにおける人的支援・学びの充実・通信環境整備
▼GIGAスクールサポーター配置促進事業=10億5000万円
災害や感染症の発生等による学校の臨時休業等の緊急時においても、ICTの活用によってすべての子どもたちの学びを保障できる環境を早急に実現するため、学校におけるICT環境整備の設計や使用マニュアル(ルール)の作成のほか、新型コロナウイルス感染症による臨時休業期間における、オンラインによる家庭学習の実施に関する支援などを行うICT環境整備等の知見を有する人材の学校への配置経費を支援。
▽想定人材=ICT関係企業OBなどICT環境整備等の知見を有する人
▽負担割合=国立定額、公立・私立2分の1
▼GIGAスクールにおける学びの充実=4億2400万円
GIGAスクール構想の実現の着実な実施に向けて児童生徒1人1台端末の環境におけるICTの効果的な活用を一層促進する取組を実施。併せて、新学習指導要領において、情報活用能力がすべての学習の基盤となる資質・能力として位置付けられたことを踏まえ、その育成および把握のための調査研究等を実施。
▽ICT活用教育アドバイザー等による整備・活用推進
▽児童生徒の情報活用能力の把握に関する調査研究
▽情報モラル教育推進事業
▼オンライン学習システム(CBTシステム)の全国展開、先端技術・教育データの利活用推進事業=7億2100万円
▽オンライン学習システム(CBTシステム)の全国展開=5億6200万円
緊急時における学びの保障の観点から、パソコンやタブレットを用いて学校・家庭において学習やアセスメントができるオンライン学習システム(CBTシステム)を、希望する全国の小・中・高校等で運用できるようにするとともに、解答履歴の分析・フィードバック等を行う。
▽先端技術・教育データの利活用推進=1億5900万円
先端技術(AR・VRやセンシング技術等)や教育データを学校教育において効果的に利活用するために、教育現場と企業・研究機関などとの協働による実証を行うとともに、最新の技術動向等について整理する。
▼学習者用デジタル教科書普及促進事業=22億1400万円
義務教育段階の学校における1人1台端末の早期実現を踏まえ、児童生徒の学びの充実や障がい等による学習上の困難の低減に資するよう、小・中学校等に学習者用デジタル教科書を広く提供し、普及促進に向けた実証事業を実施する。また、そのクラウド配信に関するフィージビリティ検証や、学習者用デジタル教科書の使用による効果・影響を実証研究しつつ、教員の授業実践に資するよう、事例集・動画集の製作等を行う。
▼初等中等教育段階のSINET活用実証研究事業=2億7800万円(新規)
昨年7月の成長戦略フォローアップや新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(令和元年6月)を踏まえ、将来的なSINET(サイネット―学術情報ネットワーク)の初等中等教育への開放に向けて、一定規模の学校数がSINETに接続した場合の高速大容量通信や同時接続による運用体制等について実証研究を行う。
▽委託先=民間企業等
▽実証地域数=5地域
▽実証校種=学校設置者(小・中・高校等)
◆学校における感染症対策の充実=4億5000万円
感染症対応が長期化する中、新型コロナウイルス感染症に負けない学校づくりに向けて、つぎの事業を実施する。
▼感染症対策等の学校教育活動継続支援事業
学校の感染症対策等を徹底しながら、コロナ禍に対応するための教職員の資質向上を図りつつ、学校教育活動を円滑に継続するために必要な事業を、校長の判断で迅速かつ柔軟に対応することができるよう、国が緊急的な措置として支援。
・補助対象=小学校、中学校、高校、特別支援学校等
・1校当たりの上限額=80~240万円程度
・補助率=公立・私立2分の1、国立10分の10
▼特別支援学校スクールバス感染症対策支援事業
特別支援学校のスクールバスについては、幼児児童生徒の安全上の観点から換気が行いにくく、3密となる恐れがあるとともに、重症化リスクの高い医療的ケア児等が乗車している場合があり、感染リスクの低減を図る取組の強化を図るため、支援を実施。
①スクールバスに乗車する幼児児童生徒の少人数化を図る取組
分散登校に伴うスクールバスの運行回数の増や、運行台数の増など。
②スクールバスに乗車する医療的ケアを必要とする幼児児童生徒のり患を防ぐための取組
重症化リスクの高い医療的医ケア児等に対し、スクールバスの代わりとして福祉タクシー等で通学を行うなど。
・補助対象=国公私立の特別支援学校
・補助率=公立・私立2分の1、国立10分の10
▼学校等欠席者・感染症情報システムの充実=2億2200万円(新規)
新型コロナウイルス感染症にも対応する学校等欠席者・感染症情報システムについて、各学校の校務支援システムに入力されている発熱による欠席や感染症による出席停止のデータを連携することによって、現場の負担なく、より精度の高い状況把握を実現。
▼学校健康診断情報のPHRへの活用に関する調査研究事業=1億5500万円
政府全体のPHR(Personal Health Record)推進という方針を踏まえ、学校健康診断結果をマイナポータルなどを通じて閲覧できるようにするための実証実験を行い、システム実現のための技術的課題等について調査研究を実施。
▼児童生徒の健康管理・健康づくりの推進=3600万円(新規)
児童生徒が自らの健康は自分で守ることを理解し、免疫力の向上など必要な知識を身に付け、活用すること(健康リテラシー)ができるよう、健康づくりや感染症予防に関する優良な取組を収集し、事例集として動画を作成・配信し、普及を図る。
また、感染症対策専門家を講師とした学校関係者向けのオンライン研修会を実施し、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識や最新の知見等を普及・啓発することによって、学校における感染症対策の充実を図る。
▼感染症拡大に伴う学校給食・食育の諸課題に関する調査研究等=3600万円
▽臨時の長期休業に伴う課題への対応として調査研究を実施
放課後児童クラブなど関係機関との連携の在り方、学校給食事業者と学校設置者とのキャンセル料等の契約関係など。
▽学校給食における衛生管理の調査・徹底指導等
新型コロナウイルスの特徴も踏まえた衛生管理の在り方に関する調査・指導の徹底等を図る。
◆学校における働き方改革の推進
▼補習等のための指導員等派遣事業(補助率3分の1)=90億2300万円
多様な人材が学校の教育活動に参画する取組を支援。新型コロナウイルス感染症への対応のための配置。
▽学力向上を目的とした学校教育活動支援=39億3200万円
児童生徒一人ひとりに合ったきめ細かな対応を実現するため、教師に加えて学校教育活動を支援する人材の配置を支援。
また、2年度に引き続き新型コロナウイルス感染症対策として、3密を避けるための環境づくりや、子どもの学びの保障を徹底的にサポートするために必要な人材配置を支援(8000人↓1万1000人)。
・想定人材=当該分野に知見のある人材(退職教職員や教職志望の大学生など)
・実施主体=都道府県・指定都市
・負担割合=国3分の1、都道府県・指定都市3分の2
・具体例=補習や発展的な学習への対応、外国人児童生徒等の学力向上への取組、地域の教育資源を活用した学習活動の支援(総合的な学習の時間の学校外学習)、不登校・中途退学への対応、いじめへの対応、キャリア教育支援、就職支援、校長経験者による若手教員への授業指導、子どもの体験活動の実施への支援
▽スクール・サポート・スタッフの配置=38億8100万円
学習プリント等の準備や採点業務、来客・電話対応、新型コロナウイルス感染症対策の消毒作業等、教師を強力にサポート。教師がより児童生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備し、教師が子どもの学びの保障に注力できるようスクール・サポート・スタッフの配置を支援(4600人↓約9600人)。
・想定人材=地域の人材(卒業生の保護者など)、大学生等幅広い人材
・実施主体=都道府県・指定都市
・負担割合=国3分の1、都道府県・指定都市3分の2
▽中学校における部活動指導員の配置=12億1000万円
適切な練習時間や休養日の設定など部活動の適正化を進めている教育委員会を対象に、部活動指導員の配置を支援(1万200人↓1万800人)。
学校教育法施行規則第78条の2に該当する部活動指導員。
・想定人材=指導する部活動にかかる専門的な知識・技能を有する人材
・実施主体=学校設置者(主に市町村)
・負担割合=国3分の1、都道府県3分の1、市町村3分の1(指定都市にあっては国3分の1、指定都市3分の2)
▼学校における働き方改革推進事業=3200万円
教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況の調査実施・分析・市町村別公表等や、これまでの業務改善の取組事例や全国から集めた優良事例の展開を通じて、教育委員会や各学校における働き方改革の自走サイクルを構築する。
・教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査・分析等
・優良事例展開
【新時代に対応した高校改革の推進】=9億2800万円(202・1%)
少子化の進行や高校生の多様な実態、今後のポストコロナ時代における社会システムや産業社会の変化を見据えて、4年度からの新しい高校学習指導要領の順次全面実施に向け、個別最適化された学びや社会とつながる協働的・探究的な学びを実現するため、新時代に対応した高校教育改革を推進する。
▼WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業=2億5100万円
WWLコンソーシアム構築支援事業は、これまでのスーパーグローバルハイスクール(SGH)などの取組の実績を活用し、高校等と国内外の大学等が協働し、高校や国の枠を超えて、高校生に、より高度な学びを提供する仕組みを構築するため、Society5・0をリードし、SDGs(持続可能な開発目標)の達成をけん引するイノベーティブなグローバル人材育成のリーディング・プロジェクトとして、国内外の大学等との連携によって文理横断的な知を結集し、社会課題の解決に向けた探究的な学びを通じた高校教育改革や大学の学びの先取り履修等を通じた高大接続改革を推進し、拠点校を中心として形成されるAL(アドバンスト・ラーニング)ネットワークによるWWLコンソーシアムの構築を目指した取組を実施。
▼地域社会に根ざした高校の学校間連携・協働ネットワーク構築事業(COREハイスクール・ネットワーク構想)=2億800万円(新規)
中山間地域や離島などの地域唯一の高校においても質の高い高校教育を実施するため、複数の高校の教育課程の共通化やICT機器を最大限に活用した遠隔授業の実施などによって、大学進学から就職までの生徒の進路希望に応じた多様な、かつ質の高い教科・科目の開設や習熟度別指導を実現するとともに、持続可能な地方創生の核としての高校の機能強化を図る。
▼マイスター・ハイスクール(次世代地域産業人材育成刷新事業)=2億700万円(新規)
第4次産業革命の進展、デジタルトランスフォーメーション(DX)、6次産業化など、産業構造・仕事内容は急速かつ絶えず革新しており、さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中、こうした革新の流れは一層急激になっていくことが予見される。
このため、産業界と専門高校が一体・同期化し、絶えず革新し続ける最先端の職業人育成システムを構築し、専門高校の職業人材育成の抜本的改革を図る。
▼地域との協働による高校教育改革推進事業=2億1900万円
新高校学習指導要領を踏まえ、Society5・0を地域から分厚く支える人材の育成に向けた教育改革を推進するため、まち・ひと・しごと創生基本方針2020等に基づき、高校が自治体、高等教育機関、産業界などと協働してコンソーシアムを構築し、地域課題の解決等の探究的な学びを実現する取組を推進することで、地域振興の核としての高校の機能強化を図る。
▼高校における教育の質確保・多様性への対応に関する調査研究=4300万円
高校において、教育改革の優良事例の普及を図るとともに、新高校学習指導要領の実施を見据えた高校現場のPDCAサイクルの構築に向け、高校生のための学びの基礎診断の測定ツールの対象教科・科目等の在り方に関する調査研究を実施する。
また、定時制・通信制課程において、不登校経験のある生徒、特別な支援が必要な生徒、外国籍の生徒など、多様な生徒に応じて卒業後の進路を見据えたカリキュラムの研究開発を実施するとともに、多様な学習ニーズに応じながらICTを効果的に利活用した指導・評価方法等の実証研究を行う。
【教育課程の充実】=31億900万円(103・4%)
新学習指導要領の全面実施に当たって、一人ひとりの児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の創り手となることができるように、初等中等教育の教育課程の充実を図る。
▼個別最適な学び等の学力向上のための取組の推進=4億7600万円
中央教育審議会での審議を踏まえ、各学校における個別最適な学びの推進など、学力向上に資する取組を進めるため、総合的に調査・実践研究等を実施する。
・学力向上のための基盤づくりに関する調査研究
・新学習指導要領の着実な実施に向けた取組の推進
▼理数教育の充実のための総合的な支援等=19億1700万円
観察・実験の充実を図るため、理科観察実験アシスタントの配置支援や、理科教育振興法に基づいた観察・実験にかかる理科設備の整備充実を行う。
▼小・中・高校を通じた英語教育強化=4億100万円
小学校の教科化に対応した指導体制の充実および中高生の発信力(話す・書く)強化のため、教育委員会が英語教育改善プランに基づき行う教師の指導力向上の取組や、大学と連携した専門的人材育成の取組(免許法認定講習等)を支援する。働き方改革やコロナ対応を踏まえ、教師やALT(外国語指導助手)がオンラインで指導力向上を図る仕組みを構築する。
▼次代を見据えた教育課程・指導方法等に関する先導的研究開発=7000万円
今後の教育課程の基準の改善等に資する実証的資料を得るため、現行の学習指導要領等によらない教育課程の編成・実施を認める研究開発学校を指定し、新しい教育課程、指導方法などについての研究開発等を実施する。
▼学習指導要領等の趣旨徹底等および現代的課題に対応した教育の充実等=1億1700万円
現代的な課題に対応した資質・能力を子どもたちに育むため、放射線教育などの充実を図るための取組等を実施する。
▼特別支援学校学習指導要領等の趣旨徹底等および学習・指導方法の改善・充実=1億300万円
教科書等の作成や新学習指導要領の周知・徹底等を着実に実施するとともに、特別支援学校教諭の養成過程や知的障がいのある児童生徒に対する通級による指導など、政策上の課題となっている事項についての調査研究等を行う。
【道徳教育の充実】=42億3200万円(99・9%)
平成27年3月に、道徳教育にかかる学習指導要領等の一部改正を行い、これまでの小・中学校における道徳の時間を教育課程上、「特別の教科 道徳」(以下「道徳科」)と新たに位置付けるとともに、いじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工夫を図ることなどを示した。
また、高校の道徳教育においては、30年3月に公示した高校学習指導要領において、中学校までの道徳科の学習等を通じて深めた道徳的価値の理解をもとにしながら、人間としての在り方生き方に関する教育の充実を図るなど、小学校から高校までの系統的な指導の充実を図った。
これらの取組は、道徳教育について、考える道徳、議論する道徳へと質的に転換を図るものであり、令和2年度から順次、全面実施されている新学習指導要領を踏まえた道徳教育が着実に行われるよう、改正学習指導要領の趣旨を生かした効果的な指導や評価、推進体制を構築するため研究協議会の開催などを通じた小・中・高校の教師の指導力向上を図る。
さらに、学校・家庭・地域の連携による道徳教育の取組の支援等を行う。
▼道徳教育の抜本的改善・充実等=42億3200万円
▽道徳教育の抜本的改善・充実にかかる支援
①特色ある道徳教育の取組の支援
小・中学校における道徳科を要とした各教科等を通じた道徳教育および高校における道徳教育の効果的な推進の方法、道徳科の指導方法や評価および推進体制等にかかる指導主事・教員などの研究協議会を開催するとともに、地域教材の活用などによる地域の特色を生かした道徳教育の実践・普及、家庭・地域との連携を強化する取組などを支援する。
特に、高校においては、新たに規定された道徳教育推進教師の育成を中心とした教員研修の資料の開発を行う。
②道徳教育推進状況調査
道徳教育の一層の推進に資するよう、「特別の教科 道徳」を要とする道徳教育の全国的な進ちょく状況を把握するため、小・中学校等を対象に抽出調査を実施。
▽道徳教育アーカイブの整備
道徳科の趣旨やねらいを踏まえた効果的な指導方法や評価方法について、現在、各学校等で取り組まれている好事例や優れた教材を収集・集約・発信などするための機能を有した道徳教育アーカイブの充実を図る。
▽道徳科の教科書の無償給与
小学校および中学校の道徳科の教科書を無償給与する。
【いじめ・不登校、虐待対応等の推進】=75億5800万円(105・4%)
教育再生実行会議提言、いじめ防止対策推進法、いじめの防止等のための基本的な方針、第3期教育振興基本計画を踏まえ、いじめの未然防止、早期発見・早期対応や教育相談体制の整備およびインターネットやSNSを通じて行われるいじめへの対応など、地方公共団体等におけるいじめ問題をはじめとする生徒指導上の諸課題への対応のための支援体制を整備するほか、専門スタッフの充実を図る。
また、28年に成立した義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律および同法に基づき策定した基本指針を踏まえ、不登校児童生徒等に対する教育機会の確保の推進のため、教育委員会・学校、関係機関の連携等による不登校児童生徒へのきめ細かな支援体制の整備を推進するとともに、夜間中学の設置促進等を図る。
◆いじめ対策・不登校支援等総合推進事業=74億8300万円
▼専門家を活用した教育相談体制の整備・関係機関との連携強化等=74憶500万円
▽スクールカウンセラーの配置充実(補助率3分の1)
・スクールカウンセラーの全公立小・中学校への配置(2万7500校)
・いじめ・不登校対策のための重点配置(1000校)
・貧困対策のための重点配置(1400校)
・虐待対策のための重点配置(1200校)
・教育支援センターの機能強化(250ヵ所)
・スーパーバイザーの配置(90人)など
▽スクールソーシャルワーカーの配置充実(補助率3分の1)
・スクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置(1万中学校区)
・いじめ・不登校対策のための重点配置(1000校)
・貧困対策のための重点配置(1400校)
・虐待対策のための重点配置(1500校)
・教育支援センターの機能強化(250ヵ所)
・スーパーバイザーの配置(90人)など
▽24時間子供SOSダイヤル(補助率3分の1)
いじめ等を含む子どものSOSを受け止めるための通話料無料の電話相談の実施。
▽SNS等を活用した相談体制の整備に対する支援(補助率3分の1)
いじめを含め、様々な悩みを抱える児童生徒に対するSNS等を活用した相談体制の整備を図る。3年度から、支援の対象をすべての都道府県・指定都市に拡大。
▽不登校児童生徒に対する支援推進事業(補助率3分の1)
自治体や民間団体等が行う学校以外の場における不登校児童生徒に対する支援体制の整備を推進。
▽幅広い外部専門家を活用していじめ問題等を調整・支援する取組の推進(補助率3分の1)
インターネットを通じて行われるいじめ問題等に対応するための学校ネットパトロールへの支援。
▼いじめ対策・不登校支援等推進=5000万円
▽いじめ・不登校等の未然防止に向けた魅力ある学校づくりに関する調査研究(新規)
▽スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーの常勤化に向けた調査研究
▽SNS等を活用した相談体制の在り方に関する調査研究
◆夜間中学の設置促進・充実=7500万円
平成28年12月に成立した教育機会確保法および第3期教育振興基本計画等を踏まえ、①夜間中学の新設・運営補助②都道府県における協議会等の設置・充実③既設の夜間中学における教育活動の充実を図ること―などによって、夜間中学における就学機会の提供を推進する。
【子どもの体験活動の推進】=1億900万円(93・9%)
子どもたちの豊かな成長に欠かせない、自然体験、農山漁村体験、文化芸術体験など様々な体験活動を通じ、児童生徒の豊かな人間性や社会性を育むとともに、自己有用感を高め、自らの役割を意識させるなど一人ひとりのキャリア発達を促す。
▼健全育成のための体験活動推進事業(学校を核とした地域力強化プランの一部)=9900万円
▽宿泊体験事業
・小学校、中学校、高校等における取組(322校)
・学校教育における農山漁村体験活動の導入のための取組(134地域)
・教育支援センター(適応指導教室)等における体験活動の取組(134地域)
【幼児教育の振興】=48億3600万円(110・7%)
新型コロナウイルス感染症対策をはじめとした新規課題に的確に対応しつつ、幼児を健やかに育むよう、幼児教育実践の質の向上をソフト・ハードの両面から総合的に推進する。
▼子どもの育ちを守る幼児教育の推進
▽幼児教育推進体制の充実・活用強化事業(補助率2分の1)=2億700万円
新型コロナウイルス感染症対策をはじめとした新規課題に的確に対応し、公私立幼稚園・保育所・認定こども園に対して一体的に域内全体の幼児教育の質の向上を図るため、全国での幼児教育推進体制の構築を促進するとともに、新たな日常に対応した幼児教育を支える保健・福祉・心理・医療などの多様な専門職等と連携した幼児教育推進体制の充実・活用強化を図る。
▽幼稚園教諭の人材確保・キャリアアップ支援事業=1億2200万円
質の高い幼児教育・保育の実践の根幹となる幼稚園教諭の人材確保およびキャリアアップに必要な取組を総合的かつ効果的に実施し、好事例の横展開を行う。
▽教育支援体制整備事業費交付金(補助率2分の1)=14億円
新型コロナウイルス感染症対策をしっかりとりながら幼児を健やかに育む環境を確保するため、幼稚園のICT環境整備にかかる費用や感染症対策を実施するために必要となる保健衛生用品などの購入経費等を支援する。
▽幼児教育の教育課題に対応した指導方法等充実調査研究=5700万円
新型コロナウイルス感染症下における切れ目ない幼児教育の実践、外国人幼児や障がいのある幼児等への対応などの課題に対応した指導方法等の充実のため、調査研究や研修プログラムの開発を実施する。
▽幼稚園教育課程の理解の推進=2500万円
幼稚園教育要領の内容や先進的な実践、新しい生活様式も取り入れた幼稚園教育の実践について、中央および都道府県において研究協議等を行うとともに、各幼稚園が適切な教育課程を編成、実施する上で必要な指導資料などを作成する。
▽OECD ECEC Network事業への参加=1100万円
OECDにおいて計画されている国際幼児教育・保育従事者調査およびデジタル世界における幼児教育・保育の在り方に関する調査研究に参加し、質の高い幼児教育の提供に向けた施策展開のための重要な基礎情報を得る。
▼新たな日常を支える施設整備
▽認定こども園施設整備交付金(補助率2分の1)=25億2400万円
認定こども園等の施設整備、園舎の耐震化、感染症予防の観点からの衛生環境の改善、防犯対策に要する経費の一部を補助する。
▽私立幼稚園施設整備費補助(補助率3分の1、Is値0・3未満の耐震補強は2分の1)=4億9000万円
緊急の課題となっている耐震化のための園舎、外壁や天井などの非構造部材の耐震対策等に要する経費とともに、預かり保育などコロナ禍においても子どもを安心して育てることができる環境整備や感染症予防の観点からの衛生環境の改善、防犯対策、バリアフリー化等に要する経費の一部を補助する。
(国 2021-02-02付)
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文部科学省は、第73回優良公民館表彰(文部科学大臣表彰)の受賞館を発表した。道内からは、浦幌町厚内公民館と石狩市公民館が選ばれた。 表彰は昭和23年度から実施。公民館やその他公民館と同...(2021-01-28) 全て読む
本道から3活動 2月25日表彰式 地域学校協働活動文部科学大臣表彰
文部科学省は、令和2年度地域学校協働活動推進にかかる文部科学大臣表彰の受賞者を決定した。本道からは、奥尻町地域学び支援ネット、士別市地域学校協働活動、北広島市の放課後子供教室の3活動が受賞...(2021-01-28) 全て読む
文科省 地域運動部活動推進事業 地域移行など3事業 保護者の費用負担額把握へ
文部科学省が令和3年度に計画している地域運動部活動推進事業の概要が明らかになった。休日の部活動の段階的な地域移行、合同部活動の推進に関する実践研究のほか、地方大会の合理化に関する調査研究の...(2021-01-27) 全て読む
文科省 全国いじめ問題子供サミット ZERO運動 取組発表 遠隔で富良野西中生徒会役員
【旭川発】文部科学省による全国いじめ問題子供サミットが23日、オンラインで行われた。北海道代表として、富良野市立富良野西中学校(大場八仁校長)の生徒会役員が「ZERO運動」の取組を発表。全...(2021-01-26) 全て読む