網走南ヶ丘高　国研研究協議会参加　外部資源を有効活用　総合的な探究軸に　成果発表

（学校 2021-02-12付）

オンラインで参加した

　【網走発】網走南ヶ丘高校（渡辺淳一校長）は４日、国立教育政策研究所主催の教育課程研究指定校事業研究協議会にオンラインで参加した。担当教諭が、カリキュラム・マネジメントに関する同校の２年間の研究成果を発表。生徒の表現力育成に向けて、総合的な探究の時間を軸にした教科等横断的な学習活動、外部資源を有効活用した取組などを展開したことを説明した。

　研究協議会は、教育課程研究指定校事業における全国の指定校が研究成果を発表し、各学校における指導方法の工夫改善に活用することが目的。本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としてオンライン開催とし、２日から５日までの４日間行われた。

　同校は、令和元年度から２年間、カリキュラム・マネジメントで事業の指定を受けており、４日の高校カリキュラム・マネジメント分科会に参加した。

　開会あいさつのあと、同校の中村哲哉教諭が研究主題「カリキュラム・マネジメントの確立による教育活動の質の向上～カリキュラム・マネジメントの３つの側面を踏まえた校内体制の確立による“探究心と向上心を培い、課題解決に必要な学力”を育むための研究」に基づく２年間の取組内容を発表した。

　初年度の元年度は、生徒の現状分析などをもとに、英語・保健体育・公民・情報を中心とした教科等横断的学習プログラムを展開。

　成果と課題を踏まえ、２年目となる２年度は、生徒の表現力育成に向けた取組を推進することとした。

　しかし、新型コロナウイルス感染症拡大によって、表現する機会が減少。子ども理解支援ツール「ほっと」や各種調査などで生徒の実態を把握した上で、生徒の心のケアに取り組むとともに、表現力育成に向けた仮説として、「グループ学習などによる課題探究型学習や教科等横断的な学習」「ホームルームを中心とした集団活動」を設定した。

　具体的には、生徒が自ら課題を設定して各教科等の学習をもとに解決に取り組む総合的な探究の時間基礎セミナーなどを展開し、生徒が表現する学習機会を確保。また、保護者や市内小・中学校などの外部資源を活用した様々な取組を行った。

　その結果、アンケート調査から各教科等との学びのつながりや、自己表現に関する肯定的回答が上昇したことなどの成果を紹介した。

　中村教諭は、カリキュラム・マネジメントが学校教育目標の実現に重要な役割を果たすものとし、その推進に当たって「まずは、生徒や学校、地域の実態を適切に把握することが重要」と指摘した。

　国研の小栗英樹教育課程調査官は総合的な探究の時間について、「各教科等の学びの成果が表れているかが問われる」とした上で、それを判断するためには、「より多くの先生方がかかわってくると、学習成果が発揮されているか子どもたちに伝えられるし、先生方で共有できる」と話した。

　また、「総合的な探究の時間の成果は、また戻って各教科等に生かされる。こうした往還が学校の中に生まれると、総合的な探究の時間、各教科等の学習がより一層充実したものになる」と講評した。

(学校 2021-02-12付)